11/01/2019

人気からも分かる偉大さ

終わってみれば「1強」。アーモンドアイが天皇賞秋を3馬身差で圧勝し、史上最強レベルの強さをまざまざと見せつけた。
これで10戦8勝。G1は、牝馬3冠、ジャパンカップ、ドバイターフに次いで6勝目。目を引くのは、この6勝のうち、馬券発売がないドバイターフと、4戦無敗の2歳女王(ラッキーライラック)がいた桜花賞以外はすべて1番人気であること。86年以降、JRA・G1を1番人気で3勝以上した牝馬は、以下の6頭しかいない。

<5勝>
ブエナビスタ 08年阪神JF 09年桜花賞 09年オークス 10年Vマイル 10年天皇賞秋

<4勝>
ウオッカ    08年天皇賞秋 09年Vマイル 09年安田記念  09年ジャパンC
アーモンドアイ 18年オークス 18年秋華賞  18年ジャパンC 19年天皇賞秋

<3勝>
メジロラモーヌ   86年桜花賞     86年オークス 86年エリザベス女王杯
テイエムオーシャン 00年阪神3歳牝馬S 01年桜花賞  01年秋華賞
アパパネ      10年桜花賞     10年オークス 10年秋華賞

アーモンドアイと同じく3歳でジャパンカップを制した3冠牝馬、ジェンティルドンナの名がここにないのは意外としか言いようがない。同馬が1番人気で勝ったJRA・G1は秋華賞と4歳時のジャパンカップのみ。桜花賞はジョワドヴィーブル(6着)に次ぐ2番人気、オークスはミッドサマーフェア(13着)、ヴィルシーナ(2着)に次ぐ3番人気、3歳時のジャパンカップはオルフェーヴル(2着)、ルーラーシップ(3着)に次ぐ3番人気だった。
ウオッカと同期の女傑、ダイワスカーレットはそのライバルに邪魔された格好。1番人気で勝ったJRA・G1はエリザベス女王杯と有馬記念のみ。桜花賞はウオッカ(2着)、アストンマーチャン(7着)に次ぐ3番人気で、秋華賞はウオッカ(3着)に次ぐ2番人気で制覇。4歳時の天皇賞秋はウオッカに次ぐ2番人気で「2センチ差」の2着だった。

目下2位タイのアーモンドアイがブエナビスタに並ぶのは時間の問題。来年も現役なら間違いなく単独トップに立つだろう。

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10/17/2019

20キロ増で4度目の正直

牝馬最後の1冠を制したのはクロノジェネシス。1番人気ダノンファンタジーに桜花賞でもオークスでも先着を果たしながら4番人気に甘んじたのは、オークス以来の休み明けだったから。しかも馬体重は20キロ増。同馬の単勝や、1着固定の流し馬券で勝負したファンには、心から拍手を送りたい。

86年以降、馬体重が前走から20キロ以上増えてJRA重賞を制した馬は18頭いるが、そのうち5頭は前走から半年以上開いていた。半年以内だった13頭は以下のとおり。G1はトロットスター以来18年ぶり2頭目、3歳3冠は初の快挙である。

ダイナアクトレス  87/06/07 阪急杯    → 87/09/13 京王杯AH +20㎏
ノーザンドライバー 90/11/10 デイリー杯3歳S → 91/03/03 ペガサスS +26㎏
トロットスター   01/06/03 安田記念   → 01/09/30 スプリンターズS +24㎏
メイショウバトラー 06/08/15 サマーCh   → 06/09/30 シリウスS +24㎏
ロジユニヴァース  08/07/06 新馬     → 08/10/04 札幌2歳S +26㎏
ローズキングダム  10/05/30 ダービー   → 10/09/26 神戸新聞杯 +22㎏
アイムユアーズ   12/05/20 オークス   → 12/07/29 クイーンS +24㎏
サトノノブレス   13/10/20 菊花賞    → 14/01/19 日経新春杯 +20㎏
ブランボヌール   16/05/08 NHKマイルC  → 16/08/28 キーンランドC  +20㎏
ヤマカツエース   16/10/30 天皇賞秋   → 16/12/03 金鯱賞   +20㎏
エポワス      17/08/06 UHB賞   → 17/08/27 キーンランドC  +20㎏
デアレガーロ    18/10/27 スワンS   → 19/02/16 京都牝馬S +32㎏
クロノジェネシス  19/05/19 オークス   → 19/10/13 秋華賞   +20㎏

クロノジェネシスはここまで牝馬限定G1をすべて使われて、阪神ジュベナイルフィリーズ2着、桜花賞3着、オークス3着、秋華賞1着。この実績も特筆もの。グレード制導入以降、世代限定牝馬G1全4レースで3着以内に入った馬は、ほかには5頭いかいない。

96~97年メジロドーベル   1着→2着→1着→1着
00~01年テイエムオーシャン 1着→1着→3着→1着
08~09年ブエナビスタ    1着→1着→1着→3着
09~10年アパパネ      1着→1着→1着→1着
10~11年ホエールキャプチャ 2着→2着→3着→3着
18~19年クロノジェネシス  2着→3着→3着→1着

3レース目がオークスではなく牡馬相手のG1だった馬は以下の2頭。

04~05年ラインクラフト 3着→1着→NHKマイルC1着→2着
06~07年ウオッカ    1着→2着→ダービー   1着→3着

一方、牡馬はというと、世代限定G1で3着以内が4回ある馬は以下の3頭しかいない。

91~92年ミホノブルボン  1着→1着→1着→2着
92~93年ビワハヤヒデ   2着→2着→2着→1着
93~94年ナリタブライアン 1着→1着→1着→1着

目下、世代限定G1で3着以内が3回ある3歳牡馬は、ホープフルステークスス1着、皐月賞1着、ダービー4着のサートゥルナーリアのみ。同馬は天皇賞秋に向かうため、今年も“4頭目”は誕生しない。
「3歳3冠すべて3着以内」なら、ヴェロックスに可能性あり。こちらの達成馬は、グレード制導入以降では14頭。無冠で果たしたのは、90年のメジロライアン(3着→2着→3着)と、06年のドリームパスポート(2着→3着→2着)だけだが、はたして…。

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10/10/2019

6歳セン馬のホームラン

近年の低レベル化を象徴するように、G1ホース不在、波乱決着の京都大賞典。3着シルヴァンシャーは重賞初挑戦の5番人気、2着ダンビュライトは休み明けの6番人気、勝ったドレッドノータスはオープン特別とG3を7連敗中の11番人気だった。
このドレッドノータスの単勝配当は9,070円。大台には届かなかったが、86年以降のJRA古馬平地重賞では第12位、10年代に限れば5位の高配当である。

35,570円 98年日経賞      テンジンショウグン
27,210円 14年フェブラリーS  コパノリッキー
25,750円 00年スプリンターズS ダイタクヤマト
19,390円 00年日経賞      レオリュウホウ
16,710円 12年日経賞      ネコパンチ
16,620円 13年京都大賞典    ヒットザターゲット
15,960円 12年天皇賞春     ビートブラック
14,040円 95年産経大阪杯    インターマイウェイ
13,790円 91年有馬記念     ダイユウサク
10,220円 08年東海S      ヤマトマリオン
9,870円 93年鳴尾記念     ルーブルアクト
9,070円 19年京都大賞典    ドレッドノータス

ドレッドノータスは6歳のセン馬。86年以降、JRA平地重賞を勝ったセン馬はのべ71頭にのぼるが、芝2400m以上戦を勝った日本馬は以下の8頭しかいない。

ノースシャトル   91年ダイヤモンドS
レガシーワールド  93年ジャパンC
マーベラスクラウン 94年京都大賞典   94年ジャパンC
ホットシークレット 00年ステイヤーズS 01年目黒記念  02年ステイヤーズS
マキハタサイボーグ 07年ステイヤーズS
エアジパング    08年ステイヤーズS
フェイムゲーム   17年目黒記念    18年ダイヤモンドS
ドレッドノータス  19年京都大賞典

ドレッドノータスの母は、重賞3勝、G1・3着3回のディアデラノビア。今のところキングカメハメハ産駒2頭、ハービンジャー産駒2頭がオープンまで行き、ディアデラマドレとドレッドノータスが重賞ウィナーに。そして、現3歳のキンカメ産駒、カウディーリョは札幌で古馬相手に2勝クラスを勝ち、菊花賞に登録。血の勢いと、鞍上(デムーロ)のアシストで、さらなる“一発”はあるか…。

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10/03/2019

まだまだ元気

秋G1第1弾を制したのはタワーオブロンドン。今夏よりスプリント路線に転じるや、函館スプリントステークス3着→キーンランドカップ2着→セントウルステークス1着の“ホップステップジャンプ”でサマースプリントシリーズチャンピオンに輝いた新星が、一気にG1ホースまで上り詰めた。
サマースプリントシリーズ優勝馬による同年スプリンターズステークス制覇は史上初。それどころか、サマーシリーズ優勝馬によるG1制覇もこれが初。歴史的勝利と言っていいだろう。

06年 シーイズトウショウ →8着
07年 サンアディユ    →2着
08年 カノヤザクラ    →7着
09年 カノヤザクラ    →3着
10年 ワンカラット    →5着
11年 エーシンヴァーゴウ →3着
12年 パドトロワ     →8着
13年 ハクサンムーン   →2着
14年 リトルゲルダ    →不出走
15年 ベルカント     →13着
16年 ベルカント     →10着
17年 ラインミーティア  →13着
18年 アレスバローズ   →14着
19年 タワーオブロンドン →1着

データマニアなら、5着に来た7歳牝馬レッツゴードンキにも要注目。桜花賞優勝後はしばらくG1で歯が立たず、いかにも早熟っぽかった馬が、5歳からまさかの“第2次成長”。勝ち星こそ京都牝馬ステークスの1勝にとどまるが、G1は12戦中7戦で掲示板を確保している。
86年以降、JRA主催の古馬G1で6回以上掲示板に載った牝馬は以下の8頭。このうち1着がないのはレッツゴードンキだけである。

11回 ブエナビスタ    3-6-1-1
9回 ウオッカ      5-1-2-1
8回 スイープトウショウ 2-2-1-3
7回 エアグルーヴ    1-2-3-1
   ダンスインザムード 1-3-1-2
   ジェンティルドンナ 3-2-1-1
   レッツゴードンキ  0-3-0-4
6回 ストレイトガール  3-1-2-0

5歳以上で4回以上掲示板に載った牝馬となると、レッツゴードンキが単独トップで、ストレイトガールが2位。レッツゴードンキの「1着なし7回掲示板」もすごいが、ストレイトガールの「5歳以上で3着以内6回」も破格の記録だ。

7回 レッツゴードンキ  0-3-0-4
6回 ストレイトガール  3-1-2-0
4回 エアグルーヴ    0-1-2-1
   トゥザヴィクトリー 1-0-2-1
   ウオッカ      3-0-1-0
   ブエナビスタ    1-2-0-1

7歳以上牝馬による「JRA・G1掲示板」は、86年以降では以下の4頭が達成。牡馬相手に果たしたのは、レッツゴードンキが初である。

ジョリーダンス  09年ヴィクトリアマイル 5着
ストレイトガール 16年ヴィクトリアマイル 1着
スマートレイアー 17年ヴィクトリアマイル 4着
レッツゴードンキ 19年スプリンターズS  5着

次走はどうやらJBCレディスクラシック。今年はJRA主催ではないので、マニアとしてはマイルチャンピオンシップで“8回目”を目指してほしいのだが(笑)…。

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09/24/2019

圧倒的パフォーマンス

終わってみればサートゥルナーリアの「1強」だった神戸新聞杯。4角先頭の競馬で「32.3秒」という鬼脚を繰り出し、ノーステッキで3馬身差の大楽勝。鞍上が「スーパーホース」と評したのも当然だろう。

86年以降、勝ち馬の上がり3ハロンが「33秒」を切ったレースは計440鞍にのぼるが(もちろんすべて芝)、その7割強の314鞍は、01年に超高速馬場へとリニューアルした新潟のレース。重賞に限ると計66鞍で、そのちょうど半数が新潟、20鞍が東京のレース。この“高速2場”で8割を占め、残る13鞍の重賞は以下のとおりだ。

05年京都牝馬S  (京都芝1600m)アズマサンダース  32.9秒
06年京都大賞典  (京都芝2400m)スイープトウショウ 32.8秒
11年シルクロードS(京都芝1200m)ジョーカプチーノ  32.6秒
11年神戸新聞杯  (阪神芝2400m)オルフェーヴル   32.8秒
14年京都牝馬S  (京都芝1600m)ウリウリ      32.9秒
14年桜花賞    (阪神芝1600m)ハープスター    32.9秒
15年マイラーズC (阪神芝1600m)レッドアリオン   32.9秒
15年京都大賞典  (京都芝2400m)ラブリーデイ    32.3秒
16年毎日杯    (阪神芝1800m)スマートオーディン 32.7秒
16年CBC賞   (中京芝1200m)レッドファルクス  32.7秒
17年マイラーズC (京都芝1600m)イスラボニータ   32.9秒
19年マイラーズC (京都芝1600m)ダノンプレミアム  32.2秒
19年神戸新聞杯  (阪神芝2400m)サートゥルナーリア 32.3秒

勝ち馬の上がり3ハロンが「32.5秒」を切ったレースとなると計114鞍で、うち102鞍が新潟のレース。重賞に限ると計24鞍で、うち19鞍が新潟のレース。残る5鞍の重賞は以下のとおり。

15年京都大賞典 (京都芝2400m)ラブリーデイ    32.3秒
16年京王杯SC (東京芝1400m)サトノアラジン   32.4秒
18年府中牝馬S (東京芝1800m)ディアドラ     32.3秒
19年マイラーズC(京都芝1600m)ダノンプレミアム  32.2秒
19年神戸新聞杯 (阪神芝2400m)サートゥルナーリア 32.3秒

サートゥルナーリアの「32.3秒」は、3歳馬が重賞勝利時にマークしたものとしては、05年アイビスサマーダッシュのテイエムチュラサンと並んで最速タイ。新潟以外ではダントツ。さらに驚くべきは、この上がりを4角先頭の競馬で叩き出していること。86年以降、4角先頭の馬が33秒未満の上がりで勝ったレースは(コーナーがない新潟1000m戦を除く)、以下の7鞍しかない。

10年1000万特別(新潟芝1800m)リクエストソング  32.7秒
10年1000万特別(新潟芝1800m)スマートシルエット 32.6秒
14年1000万特別(阪神芝1800m)エイシンヒカリ   32.8秒
17年東京新聞杯(東京芝1600m)ブラックスピネル  32.7秒
17年1000万特別(阪神芝1600m)ラプソディーア   32.7秒
17年1600万特別(阪神芝1800m)ジョルジュサンク  32.8秒
19年神戸新聞杯(阪神芝2400m)サートゥルナーリア 32.3秒

サートゥルナーリアの「32.3秒」はぶっちぎりで最速。しかも重賞、ノーステッキ、ダービー3着馬に3馬身差。こんな怪物でも負けてしまったのだから、ダービーというレースにはやはり魔物が棲んでいるのか…。

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09/19/2019

W制覇と巻き返し

JRAの障害競走にグレード制が導入されたのは99年。現在は6競馬場で以下の10レースが組まれている。福島と中京では重賞が、北海道2場では障害競走自体が施行されていない。

J・G1 中山グランドジャンプ・中山大障害
J・G2 阪神スプリングジャンプ・京都ハイジャンプ・東京ハイジャンプ
J・G3 東京ジャンプS・小倉サマーJ・新潟ジャンプS・阪神ジャンプS・京都ジャンプS

中央4場では春と秋に1レースずつ組まれており、先週は阪神でJ・G2。勝ったメドウラークは8歳になった今年から障害に転向し、1、4、4、1、4、1着と、順調に“セカンドキャリア”を築いている。
同馬は4歳時に4連勝でオープンに上がったがそこから伸びあぐね、21連敗を経てようやく昨年、七夕賞で重賞初勝利をあげた。99年以降、JRAの平地重賞と障害重賞を制した馬は以下の5頭。すべて平地重賞制覇後に障害重賞を勝っており、その逆はまだない。オジュウチョウサンが果たせば歴史的快挙となるが、はたして…。

カネトシガバナー
98年 神戸新聞杯(G2)
98年 愛知杯(G3)
01年 東京ハイジャンプ(J・G2)
03年 阪神スプリングジャンプ(J・G2)

エーシンホワイティ
10年 ファルコンステークス(G3)
14年 新潟ジャンプステークス(J・G3)

ケイアイドウソジン
12年 ダイヤモンドステークス(G3)
14年 阪神スプリングジャンプ(J・G2)

ソロル
14年 マーチステークス(G3)
17年 小倉サマージャンプ(J・G3)

メドウラーク
18年 七夕賞(G3)
19年 阪神ジャンプステークス(J・G3)

3日開催の最終日は、中山でセントライト記念が行なわれ、ダービー15着のリオンリオンが勝ち、同17着のサトノルークスが2着。京都新聞杯が春に移った00年以降、前走がダービー二桁着順だった馬による菊花賞トライアルの連対例は以下のとおり。レベルの低いセントライト記念の方が断然多いのは当然だろう。

01年 シンコウカリド ダービー7番人気12着→セントライト記念5番人気1着

11年 フェイトフルウォー ダービー13番人気13着→セントライト記念6番人気1着
   トーセンラー    ダービー7番人気11着→セントライト記念3番人気2着

14年 サウンズオブアース ダービー11番人気11着→神戸新聞杯8番人気2着

15年 キタサンブラック ダービー6番人気14着→セントライト記念6番人気1着 
   ミュゼエイリアン ダービー10番人気10着→セントライト記念9番人気2着

18年 ジェネラーレウーノ ダービー8番人気16着セントライト記念4番人気1着

19年 リオンリオン  ダービー6番人気15着→セントライト記念1番人気1着
   サトノルークス ダービー8番人気17着→セントライト記念8番人気2着

過去7頭のうち本番でも連対を果たしたのは、サウンズオブアース(2着)とキタサンブラック(1着)。トーセンラーも掲示板を確保した(3着)。確率的には大活躍と言えるが、今年の2頭ははたして…。

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09/11/2019

1200&1400&1600制圧

マイルは2年連続4回目、2000は初。史上初めて2つのシリーズが「該当馬なし」となった2019年サマーシリーズ。悪夢のような「全3シリーズ該当馬なし」は、タワーオブロンドンのセントウルステークス圧勝で免れた。
同馬の重賞タイトルはこれが4つ目。注目すべきは、この4勝が1600m以下の3つの距離カテゴリーであげられていること。すなわち、1400mで2勝、1600mで1勝、そして今回1200mで初勝利。
距離適性以上に早熟性がものを言うと思われる2歳戦を除くと、86年以降、この3つの距離で牡牝混合芝重賞を勝った馬は以下の11頭しかいない。

バンブーメモリー
1200m 90年スプリンターズS(中山)
1400m 89年スワンS(京都)
1600m 89年安田記念(東京)

ダイイチルビー
1200m 91年スプリンターズS(中山)
1400m 91年京王杯SC(東京)
1600m 91年安田記念(東京)

スギノハヤカゼ
1200m 96年中日スポーツ杯4歳S(中京)・97年CBC賞(中京)
1400m 96年スワンS(京都)
1600m 96年アーリントンC(阪神)

タイキシャトル
1200m 97年スプリンターズS(中山)
1400m 97年スワンS(京都)・98年京王杯SC(東京)
1600m 97年マイルCS(京都)・98年安田記念(東京)・98年マイルCS(京都)

シーキングザパール
1200m 98年シルクロードS(京都)
1400m 97年NZトロフィー(東京)
1600m 97年シンザン記念(京都)・97年NHKマイルC(東京)

ブラックホーク
1200m 99年スプリンターズS(中山)・00年阪急杯(阪神)
1400m 99年スワンS(京都)
1600m 98年ダービー卿CT(中山)・01年安田記念(東京)

スズカフェニックス
1200m 07年高松宮記念(中京)
1400m 07年阪神カップ(阪神)
1600m 07年東京新聞杯(東京)

ローレルゲレイロ
1200m 09年高松宮記念(中京)・09年スプリンターズS(中山)
1400m 08年阪急杯(阪神)
1600m 08年東京新聞杯(東京)

ロードカナロア
1200m 11年京阪杯(京都)・12年シルクロードS(京都)・12年スプリンターズS(中山)・13年高松宮記念(中京)・13年スプリンターズS(中山)
1400m 13年阪急杯(阪神)
1600m 13年安田記念(東京)

コパノリチャード
1200m 14年高松宮記念(中京)
1400m 13年スワンS(京都)・14年阪急杯(阪神)
1600m 13年アーリントンC(阪神)

タワーオブロンドン
1200m 19年セントウルS(阪神)
1400m 19年京王杯SC(東京)
1600m 18年アーリントンC(阪神)

スギノハヤカゼとタワーオブロンドン以外はすべてG1ウィナー。スギノハヤカゼは1400mがベストという距離適性に泣いた感もあるが、タワーオブロンドンはスプリンター適性が高く、スプリンターズステークスで初戴冠の可能性十分。かつての藤沢厩舎にゴマンといた「マイル以下主体の大物マル外」に育ちそうだ。

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09/06/2019

洋芝長距離V3牝馬

札幌&函館の洋芝コースに設定されている最長距離は2600メートル。先週、このタフな条件で行なわれるオープン特別、丹頂ステークスを勝ったのはポンデザール。なんと紅一点の4歳牝馬だった。
北海道洋芝2600m戦はこれまで347レースが行なわれ(すべて牡牝混合戦)、牡馬295勝に対し、牝馬は52勝。オープンに限ると、牡馬33勝、牝馬5勝。牡馬を蹴散らした5頭の牝馬は以下のとおりだ。

ヴィクトリーバンク 99年道新杯    (札幌/5歳/3番人気)
ビエンナーレ    08年札幌日経OP  (札幌/5歳/5番人気)
クィーンスプマンテ 09年みなみ北海道S(札幌/5歳/6番人気)
メーヴェ      12年丹頂S    (札幌/4歳/6番人気)
ポンデザール    19年丹頂S    (札幌/4歳/2番人気)

ポンデザールはこれでデビュー4戦目の未勝利戦から芝2400m以上で4連勝。そのうち3勝が北海道洋芝2600m戦。父ハーツクライ、半兄サトノクラウンという晩成ステイヤー血統が“適所”で一気に開花したのだろう。
これまで北海道洋芝2600mで3勝した馬は以下の8頭。牝馬はポンデザールとシンコウベルデ、3勝目が4歳時だったのはポンデザールとメイショウカチドキだけである。

クラシックエース  未勝利(函館)→ 500万(函館)→1000万(函館)
ポンデザール    未勝利(札幌)→1000万(函館)→OP特別(札幌)
シンコウベルデ    500万(札幌)→ 500万(札幌)→1000万(札幌)
テイエムジェネラス  500万(函館)→ 500万(札幌)→1000万(函館)
メイショウカチドキ  500万(函館)→1000万(札幌)→1000万(札幌)
ゴールデンハインド  500万(函館)→1000万(札幌)→OP特別(札幌)
リッジマン      500万(函館)→1000万(札幌)→OP特別(札幌)
ハッピールック   1000万(函館)→OP特別(函館)→OP特別(札幌)

ハッピールックのほかに北海道洋芝2600mのオープンを2勝した馬は、トウカイメロディー(10年みなみ北海道S・10年札幌日経OP)とモンドインテロ(16年&17年札幌日経OP)しかいない。
まだキャリアわずか7戦のポンデザールには、史上初の「北海道洋芝2600m戦V4」、史上4頭目の「北海道洋芝2600mオープンV2」を大いに期待したくなる。

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08/27/2019

頓挫後の重賞V

キーンランドカップには、禁止薬物問題の影響により競走除外となった4頭を含む、13頭の函館スプリントステークス組が参戦。1着馬カイザーメランジェは(アイビスSD7着を挟んで)12着、2着馬アスターペガサスは16着とパッとしなかったが、3着馬タワーオブロンドンが2着に入り、除外馬4頭のうち3頭が掲示板を確保した。
勝ったのは、1番人気のダノンスマッシュ。86年以降、「出走取消」または「競走除外」の直後にJRA重賞を制した馬は、同馬を含め8頭いる。

レッツゴーターキン
1500万下(91/1/12)出走取消→小倉大賞典(91/2/17)1着

マチカネタンホイザ
有馬記念(94/12/25)出走取消 →高松宮杯(95/7/9)1着

メイショウトウコン
ブリーダーズGC(07/8/16)競走除外→エルムS(07/9/17)1着

ヴァーミリアン
川崎記念(08/1/30)出走取消→フェブラリーS(08/2/24)1着

スイートサルサ
中山牝馬S(15/3/15)出走取消→福島牝馬S(15/4/25)1着

ベルカント
CBC賞(15/7/5)出走取消→アイビスSD(15/8/2)1着

ディーマジェスティ
ホープフルS(15/12/27)出走取消→共同通信杯(16/2/14)1着

ダノンスマッシュ
函館SS(19/6/16)競走除外→キーンランドC(19/8/25)1着

出走取消と競走除外の判断基準は主催者によって異なり、JRAの場合、装鞍所に入る前に出走を取りやめるのが前者で、入った後に取りやめるのが後者。となると、今年6月のケースは出走取消が妥当と思われるのだが、競走除外。なぜだかは調べがつかない。

ゲートは出たけれどゴールできなかった場合は「競走中止」。86年以降、平地のレースで競走中止となった直後にJRA重賞を勝った馬は3頭しかいない。

ポットテスコレディ
カシオペアS(87/10/24)競走中止→スワンS(87/11/1)1着

ヤマノタンポポ
1500万下(90/3/3)競走中止→ダービー卿CT(90/3/18)1着

ニホンピロプリンス
東京新聞杯(96/2/4)競走中止→マイラーズC(96/3/3)1着

「失格」直後の重賞を勝った馬は2頭。いずれも武豊のお手馬だ。

スーパークリーク
有馬記念(88/12/25)失格→京都大賞典(89/10/8)1着

ディープインパクト
凱旋門賞(06/10/1) 失格→ジャパンC(06/11/26)1着

今年、準オープン以上で競走除外または出走取消となり、その後まだレースを使っていない現役馬は以下のとおり。

フレッチア     1600万下(3/31) 出走取消
アンクルテイオー  NZT(4/6)   競走除外
ソウルスターリング エプソムC(6/9) 出走取消
マンバー      函館2歳S(7/21)競走除外
ファストアプローチ 関屋記念(8/11) 出走取消
メイショウアリソン 1600万下(8/17) 出走取消

この6頭の中から“9頭目”は現れるか…。

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08/22/2019

例年以上に混沌

サマー2000シリーズ全5戦の中で明らかに浮いているのが、札幌記念。他の4戦が「1着賞金4,100万円のハンデG3」であるのに対し「1着賞金7,000万円の定量G2」なのだから、まさに別格。実績上位の一線級がピンポイントで参戦してくるため、シリーズの行方を左右することはほとんどない。過去13頭のシリーズ優勝馬が出走したレースの「頭数別内訳」は以下のとおりだ(括弧内は1着馬の頭数)。

七夕賞  7頭(4頭)
函館記念 3頭(3頭)
小倉記念 8頭(3頭)
札幌記念 2頭(1頭)
新潟記念 10頭(6頭)

そして、優勝馬13頭の「出走レースパターン」は以下のとおり。

七夕賞→小倉記念→新潟記念
08年ミヤビランベリ   1着→5着→9着
09年ホッコーパドゥシャ 3着→2着→1着
17年タツゴウゲキ    6着→1着1着
18年メドウラーク    1着→11着→5着

七夕賞→小倉記念
11年イタリアンレッド 1着1着

七夕賞→新潟記念
07年ユメノシルシ   3着→1着
16年アルバートドック 1着→2着

函館記念→新潟記念
12年トランスワープ 1着1着

函館記念→札幌記念
13年トウケイヘイロー 1着1着
15年ダービーフィズ  1着→3着

小倉記念→新潟記念
06年スウィフトカレント 1着→4着
10年ナリタクリスタル  4着→1着

札幌記念を使った優勝馬は2頭だけで、勝った馬はトウケイヘイローのみ。今年の札幌記念上位馬が新潟記念に出走する可能性は皆無であるため、今年のシリーズ優勝馬も札幌記念不出走馬となるのは必至だ。

札幌記念に次いで少ないのが函館記念。3頭すべて1着馬だが、同レースを使われた優勝馬が少ないことにも、はっきりした理由がある。レース間隔だ。12年以降、シリーズ5戦は以下のような日程で組まれている。

七夕賞(連闘)函館記念(中2週)小倉記念(中1週)札幌記念(中1週)新潟記念

この日程では、七夕賞を使った馬が連闘で函館記念に挑むことはまずない。函館記念から始動した場合、中1週&超長距離輸送の小倉記念は非現実的で、札幌記念は相手が強すぎる。シリーズ制覇を狙うなら、七夕賞から中3週で小倉記念、さらに中3週で新潟記念を使われるのが、最も無理のない“王道”だろう。実際、このローテーションで優勝した馬が最も多い。
しかし今年は、七夕賞の勝ち馬ミッキースワローも、小倉記念の勝ち馬メールドグラースも、さらには函館記念の勝ち馬マイスタイルも、最終第5戦の新潟記念には向かわない見込み。そして目下「1勝以上かつ13ポイント以上」という優勝条件を満たす馬はゼロ。シリーズ史上初めて「該当馬なし」となる可能性も十分とみるが、はたして…。

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