06/19/2019

希少な2勝と連勝

2強ムードのユニコーンステークスを制したのは、これが初のダート戦だった3番人気のワイドファラオ。2番人気デュープロセスの追い上げをアタマ差しのいで逃げ切った。ダート未経験馬の優勝はレース史上初である。
快挙はもうひとつ。新馬からNHKマイルカップまで一貫して芝のマイル戦を使われてきた同馬は、2走前にニュージーランドトロフィーを制覇。86年以降、芝とダートでJRAマイル重賞を勝った馬はメイショウボーラーを最後に絶えて久しく、実に14年ぶりの誕生となった。

タイキシャトル   97年ユニコーンS   97年&98年マイルCS 98年安田記念
エルコンドルパサー 98年共同通信杯    98年NHKマイルC
アグネスデジタル  00年マイルCS    02年フェブラリーS  03年安田記念
クロフネ      01年NHKマイルC  01年武蔵野S
アドマイヤドン   01年朝日杯FS    04年フェブラリーS
サイレントディール 03年シンザン記念   03年武蔵野S
メイショウボーラー 03年デイリー杯2歳S 05年フェブラリーS
ワイドファラオ   19年NZトロフィー  19年ユニコーンS

3歳春の時点で“W制覇”を果たしたのは、エルコンドルパサーとワイドファラオだけ。デビュー2戦をダートで連続圧勝した前者は、共同通信杯が降雪により芝で施行できなかったため、ダート1600mで重賞初制覇。クロフネのようにダート転向のチャンスがあったら、それはそれで、とてつもない実績を残していたに違いない。ワイドファラオの秋は、芝か、ダートか、それとも二刀流か…。

ユニコーンステークスと同じ日、阪神で行なわれた古馬の芝マイルオープン、米子ステークスを勝ったオールフォーラヴも、なかなか興味深い実績を残した。同馬は前走、8番人気という低評価で1600万条件を勝ったのだが、フロックとは思われず、オープン昇級初戦で1番人気に支持され、連勝してのけた。こんな馬はなかなかいない。86年以降、条件戦を6番人気以下、続く平地オープンを1番人気で勝った馬は以下のとおり。

レオプラザ     1500万6番人気 → 谷川岳S  
ブリザード     1500万6番人気 → ガーネットS
トウショウフリート 1500万6番人気 → パラダイスS
ファンドリショウリ  900万6番人気 → 中日新聞杯
タマモルビーキング 1600万6番人気 → トパーズS
ローレルベローチェ 1600万6番人気 → 淀短距離S
セレスハント    1600万7番人気 → ペルセウスS
オールフォーラヴ  1600万8番人気 → 米子S
ナチュラルナイン  1000万10番人気 → 札幌日経OP
ライオンボス    1000万15番人気 → 韋駄天S

条件戦をオールフォーラヴよりも低人気で勝った馬は2頭いるが、ナチュラルナインの前走は、昇級初戦で初の芝長距離戦だったから人気薄。それを大楽勝して、同コース、斤量2キロ減だったから、今走は1番人気。ライオンボスの前走は、3走前と2走前を連続大敗した上に、初の直線競馬だったから人気薄。それを大楽勝して、同じコース、引き続き53キロだったから、今走は1番人気。どちらも人気薄と1番人気にははっきりした理由があった。
それにひきかえオールフォーラヴは、前走がタイム差なしの辛勝で、斤量1キロ増。条件が特に好転したわけでもない。ファンの慧眼に脱帽である。

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06/13/2019

「全弟」久々の重賞制覇

関東中央場所で行なわれる上半期最後の芝重賞、エプソムカップを制したのは、ダービー馬レイデオロの全弟、レイエンダ。これは、単なる「良血馬の重賞初勝利」ではなく、歴史的にも重要な1勝となった。
グレード制導入以降、下がJRA重賞を勝ったダービー馬は以下の8頭。「レイデオロ&レイエンダ」は、実に「アグネスフライト&アグネスタキオン」以来、なんと21世紀初の例となったのである。

88年サクラチヨノオーサクラホクトオー(88年朝日杯3歳S・89年セントライト記念・90年AJC杯)

91年トウカイテイオートウカイオーザ(01年アルゼンチン共和国杯)

93年ウイニングチケットロイヤルタッチ(96年きさらぎ賞)

94年ナリタブライアンビワタケヒデ(98年ラジオたんぱ賞)

96年フサイチコンコルドボーンキング(01年京成杯)・アンライバルド(09年スプリングS・皐月賞)

99年アドマイヤベガアドマイヤボス(00年セントライト記念)・アドマイヤドン(01年朝日杯FS・03年エルムS・04年フェブラリーS)

00年アグネスフライトアグネスタキオン(00年ラジオたんぱ杯・01年弥生賞・皐月賞)

17年レイデオロレイエンダ(19年エプソムC)

G1を勝ったのは、サクラホクトオー、アンライバルド、アドマイヤドン、アグネスタキオンの4頭。クラシックホースは、アンライバルドとアグネスタキオンのみ。ダービーの長い歴史の中で、兄弟制覇は「33年カブトヤマ&35年ガヴアナー」「57年ヒカルメイジ&59年コマツヒカリ」の2例しかない。
ダービー馬の下は必ず注目を集めるが、実際は重賞を勝つことすら至難の業。久々の快挙を果たしたレイエンダも、トウカイオーザ、ビワタケヒデ、アドマイヤボスと同じくクラシックは出走すらしていない。繁殖牝馬にとって「ダービー馬を出す」ことは、かくも大きな反動を伴う“一大事業”ということだ。

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06/07/2019

2強では決まらない

確かにアーモンドアイもダノンプレミアムも大きな不利を受けたが、前者はそれ以前に出負けをしている。そのおかげで、ロジクライのタックルをほぼ真横から食らうことは避けられた。被害の程度は「アーモンド<ダノン」。天才肌のダノンプレミアムは、このアクシデントで気持が切れてしまったのだろう。ダービーに続くまさかの波乱決着に、競馬の難しさ(面白さ?)をあらためて思い知った次第である。

しかし、その後よくよく調べてみると、ビッグレースでの「2強崩壊」は珍しくもなんともないことが分かった。86年以降のJRA平地G1で、今回の安田記念のように「2番人気が単勝3.5倍以下、かつ、3番人気が単勝10倍以上」だったのは以下の21レース。このうち順当に2強の一騎討ちで決まったのは、わずか5レースしかない。

89年有馬記念 3.1倍スーパークリーク2着→1.8倍オグリキャップ5着

91年阪神3歳牝馬S 1.9倍ニシノフラワー1着→2.8倍シンコウラブリイ3着

92年天皇賞春 2.2倍メジロマックイーン1着→1.5倍トウカイテイオー5着

92年オークス 3.2倍キョウワホウセキ3着→3.0倍ニシノフラワー7着

93年宝塚記念 1.5倍メジロマックイーン1着→2.7倍メジロパーマー10着

93年菊花賞 2.4倍ビワハヤヒデ1着→2.8倍ウイニングチケット3着

94年マイルCS 1.7倍ノースフライト1着→3.3倍サクラバクシンオー2着

96年天皇賞春 1.7倍ナリタブライアン2着→2.8倍マヤノトップガン5着

98年天皇賞春 2.3倍メジロブライト1着→2.0倍シルクジャスティス4着

99年宝塚記念 2.8倍グラスワンダー1着→1.5倍スペシャルウィーク2着

00年菊花賞 2.8倍エアシャカール1着→1.9倍アグネスフライト5着

01年宝塚記念 3.4倍メイショウドトウ1着→1.5倍テイエムオペラオー2着

03年秋華賞 3.2倍スティルインラブ1着→2.5倍アドマイヤグルーヴ2着

05年宝塚記念 3.0倍ゼンノロブロイ3着→1.9倍タップダンスシチー7着

05年秋華賞 2.5倍エアメサイア1着→1.8倍ラインクラフト2着

09年秋華賞 3.2倍レッドディザイア1着→1.8倍ブエナビスタ2→3降着

11年オークス 3.0倍ホエールキャプチャ3着→2.2倍マルセリーナ4着

11年JCダート 2.0倍トランセンド1着→2.8倍エスポワールシチー3着

16年菊花賞 2.3倍サトノダイヤモンド1着→3.2倍ディーマジェスティ4着

18年スプリンターズS 2.8倍ファインニードル1着→3.4倍ナックビーナス7着

19年安田記念 1.7倍アーモドアイ3着→3.2倍ダノンプレミアム16着

宝塚記念は混戦ムード。次の2強G1は「ダービー3強」の動向次第とみるが、はたして…。

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05/29/2019

酷量克服ならず

大本命4着の衝撃がまだ残る東京最終レースで、さらにもうひとつ、驚きの敗退が。ブラストワンピースの目黒記念8着惨敗だ。
サートゥルナーリアの敗因は複合的だが、こちらは「59キロ」がほぼすべて。00年以降のハンデ重賞は、出走頭数を確保するためか、動物愛護の精神からか、そもそも一線級の参戦が少なくなったのか、いわゆる“酷量”が激減している。
86年以降のJRA芝ハンデ重賞で59キロ以上を課されたのべ83頭の「年代別内訳」は、以下のとおり(出走取消を除く)。

86~89年 18頭
90~99年 49頭
00~09年 10頭
10~19年 6頭

86~89年は4年間で18頭だから、単純計算で10年だと45頭。00年以降に比べるとやはり桁違いに多い。

83頭の成績は「12-12-9-50」「勝率.145・連対率.289・複勝率.398」とまずまず。勝ち馬12頭は以下のとおりだ。

88年京阪杯     トウショウレオ   1番人気 59.5㎏ 
89年鳴尾記念    ミスターシクレノン 1番人気 59㎏
89年ステイヤーズS スルーオダイナ   1番人気 59㎏
90年ダイヤモンドS スルーオダイナ   1番人気 61㎏
91年金杯(東)    カリブソング    5番人気 59㎏
91年目黒記念    カリブソング    3番人気 60.5㎏
92年ダイヤモンドS ミスターシクレノン 6番人気 59㎏
95年ダイヤモンドS エアダブリン    1番人気 59㎏
99年日経新春杯   メジロブライト   1番人気 59.5㎏
00年新潟記念    ダイワテキサス   1番人気 59㎏
03年新潟大賞典   ダンツフレーム   1番人気 59㎏
06年七夕賞     メイショウカイドウ 3番人気 59㎏

83頭中21頭の1番人気は、「8-1-3-9」「勝率.381・連対率.429・複勝率.571」。信頼度は抜群だが、以下の6頭が掲示板すら外している。

88年福島記念    スピードヒーロー  11着 59㎏
91年AR共和国杯  ホワイトストーン  15着 60㎏
92年福島記念    ホワイトストーン  9着 59.5㎏
02年シルクロードS トロットスター   6着 59.5㎏
06年小倉記念    メイショウカイドウ 6着 59.5㎏
19年目黒記念    ブラストワンピース 8着 59㎏

83頭のうち、当該ハンデ重賞の時点で古馬G1を勝っていたのは、以下の9頭。

94年日経新春杯   メジロパーマー   2番人気2着 60.5㎏
96年京阪杯     ネーハイシーザー  7番人気3着 59㎏
99年日経新春杯   メジロブライト   1番人気1着 59.5㎏
02年シルクロードS トロットスター   1番人気6着 59.5㎏
03年新潟大賞典   ダンツフレーム   1番人気1着 59㎏
04年京都金杯    イーグルカフェ   8番人気12着 59㎏
11年ダービー卿CT ショウワモダン   10番人気7着 59㎏
12年AR共和国杯  ビートブラック   7番人気4着 59㎏
19年目黒記念    ブラストワンピース 1番人気8着 59㎏

2番人気以下だった5頭はすべて敗退。トロットスターは1番人気だったが休み明け。大阪杯を叩いて臨んだ1番人気のグランプリホース、ブラストワンピースの8着は、いくらなんでも負けすぎだろう。
06年七夕賞のメイショウカイドウ以来、絶えて久しい“酷量V”。次の快挙はいつになることか…。

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05/22/2019

2冠目激走馬

桜花賞馬不在のオークスは、桜花賞不出走馬のワンツー。グレード制導入以降、桜花賞組が連に絡まなかったのは4回目。ウィクトーリアがクロノジェネシスを交わしていたら、初の“ワンツースリー”になるところだった。

85年 1着ノアノハコブネ   2着ナカミアンゼリカ
01年 1着レディパステル   2着ローズバド
11年 1着エリンコート    2着ピュアブリーゼ
19年 1着ラヴズオンリーユー 2着カレンブーケドール

85年のエリザベス女王杯と11年の秋華賞は、春2冠不出走馬のワンツー。01年の秋華賞は、オークス3着馬→2着馬→1着馬で決着。今年の3冠目ははたして…。

今年のオークスは人気がかなり割れたが、終わってみれば1番人気が勝ち、2番人気が3着。しかし、その間に割って入ったのは単勝94.1倍の12番人気。グレード制導入以降、二桁人気のオークス3着以内馬は以下のとおり。

85年 21番人気1着ノアノハコブネ
87年 10番人気2着クリロータリー
87年 11番人気3着タレンティドガール →エリザベス女王杯4番人気1着
88年 10番人気1着コスモドリーム
88年 11番人気2着マルシゲアトラス  →エリザベス女王杯3番人気8着
89年 10番人気1着ライトカラー
89年 11番人気3着ヤンゲストシチー  →エリザベス女王杯6番人気18着
97年 13番人気2着ナナヨーウイング  →秋華賞15番人気18着
00年 16番人気3着オリーブクラウン
02年 12番人気2着チャペルコンサート →秋華賞4番人気8着
03年 13番人気2着チューニー     →秋華賞10番人気13着
08年 13番人気2着エフティマイア   →秋華賞3番人気5着
19年 12番人気2着カレンブーケドール

3冠目で馬券になったのはタレンティドガールだけ。カレンブーケドールははたして…。一方、二桁人気のダービー3着以内馬は以下のとおり。

84年 20番人気2着スズマッハ     →菊花賞8番人気4着
86年 14番人気2着グランパズドリーム
87年 22番人気2着サニースワロー   →菊花賞7番人気5着
89年 11番人気3着サーペンアップ
90年 12番人気3着ホワイトストーン  →菊花賞2番人気2着
92年 16番人気2着ライスシャワー   →菊花賞2番人気1着
94年 10番人気3着ヤシマソブリン   →菊花賞2番人気2着
98年 14番人気2着ボールドエンペラー →菊花賞7番人気7着
98年 15番人気3着ダイワスペリアー  →菊花賞4番人気6着
01年 11番人気3着ダンシングカラー
07年 14番人気2着アサクサキングス  →菊花賞4番人気1着
08年 12番人気2着スマイルジャック  →菊花賞3番人気16着
11年 10番人気2着ウインバリアシオン →菊花賞2番人気2着
14年 12番人気3着マイネルフロスト  →菊花賞13番人気7着
18年 16番人気3着コズミックフォース →菊花賞14番人気15着

こちらの3冠目の成績は悪くない。菊花賞に挑んだ12頭のうち7頭が掲示板に載り、5頭が連対、ライスシャワーとアサクサキングスが菊花賞馬となっている。
今年のダービーは「1+2強」ムードだが、人気薄が割って入る余地ははたしてあるか…。

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05/16/2019

驚愕レコード

レーンもすごいが時計もすごい。現在の東京競馬場芝コースの高速化は恐るべき次元に達している。
先週土曜、10レースの2400m準オープンが「2'23"1」で決まったのを見て、メインの京王杯はどうなることやらと思っていたら、やはり「1'19"4」のレコード決着。ただしこれは従来のレコードをコンマ1秒縮めただけで、日本レコード(マグナーテンが02年に新潟で記録)にはコンマ4秒も及ばなかった。
震撼したのは翌日曜のヴィクトリアマイル。8レースの2000m1000万条件が「1'57"8」で決まったから、31秒台前半は出るだろうなと思っていたら、なんと「1'30"5」の日本レコード。これで、1600m、2000m、2400mの「3大根幹距離」における日本レコードは、すべて東京コースで達成されたことになる。

1600m 1'30"5 19年ヴィクトリアマイル ノームコア
2000m 1'56"1 11年天皇賞秋      トーセンジョーダン
2400m 2'20"6 18年ジャパンカップ   アーモンドアイ

昨秋以降に更新された2つのレコードのすさまじさは、それぞれの「シンガリ馬」のタイムからも実感できる。ジャパンカップ14着馬サウンズオブアース、ヴィクトリアマイル18着馬カンタービレの走破タイムと、それらに及ばないジャパンカップと安田記念の主な勝ちタイム(晴・良馬場)は以下のとおり。

18年14着サウンズオブアース 2'25"2
10年1着ローズキングダム  2'25"2
99年1着スペシャウィーク  2'25"5
08年1着スクリーンヒーロー 2'25"5
98年1着エルコンドルパサー 2'25"9
00年1着テイエムオペラオー 2'26"1
13年1着ジェンティルドンナ 2'26"1

19年18着カンタービレ    1'32"5
06年1着ブリッシュラック  1'32"6
08年1着ウオッカ      1'32"7
01年1着ブラックホーク   1'33"0
16年1着ロゴタイプ     1'33"0
02年1着アドマイヤコジーン 1'33"3
99年1着エアジハード    1'33"3

2000mのレコードはもう8年前のものだから“そろそろ”だろう。今秋の天皇賞がハイレベルメンバー&ハイペースの競馬になれば、いよいよ1分55秒台に突入するかもしれない。いやはや、とんでもない時代になったものである、是非はさておき…。

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05/07/2019

暗雲漂う激走馬

アグネスフライト、ハーツクライ、インティライミ、トーセンホマレボシ、キズナ、サトノラーゼンといったダービー好走馬を送り出している東上最終便、京都新聞杯。1番人気の単勝オッズが4倍を超えた大混戦の今年は、14頭立て11番人気のレッドジェニアルが制覇。菊花賞トライアルだった時代を含めても、史上2番目の波乱決着となった。
86年以降、1800m以上の牡馬3冠ステップレースを二桁人気で勝った馬と、本番での成績は以下のとおり。まさに死屍累々といった感がある。

マイネルグラウベン 88年NHK杯 (10人気)→ ダービー 20着(5人気)
トーワトリプル   89年NHK杯 (11人気)→ ダービー 4着(8人気)
ツジユートピアン  93年きさらぎ賞(10人気)→ 皐月賞  10着(5人気)
マルチマックス   93年スプリングS (10人気)→ 皐月賞  14着(11人気)
サムソンビッグ   94年きさらぎ賞(11人気)→ 皐月賞  17着(14人気)
レオリュウホウ   98年セントライト記念(10人気)→ 菊花賞  9着(12人気)
ヤマニンアクロ   99年共同通信杯(10人気)→ 皐月賞  10着(10人気)
ワンダーファング  99年スプリングS (11人気)→ 皐月賞  競走除外   
クリノキングオー  00年若葉S  (11人気)→ 皐月賞  16着(9人気)
マーブルチーフ   03年京都新聞杯(10人気)→ ダービー 12着(17人気)
トーセンシャナオー 06年セントライト記念(12人気)→ 菊花賞  16着(9人気)
ベンチャーナイン  08年プリンシパルS(10人気)→ ダービー 9着(13人気)
ダノンミル     11年若葉S  (12人気)→ 皐月賞  13着(6人気)
ショウナンラグーン 14年青葉賞  (10人気)→ ダービー 6着(9人気)
エメラルファイト  19年スプリングS (10人気)→ 皐月賞不出走・ダービー?
レッドジェニアル  19年京都新聞杯(11人気)→ ダービー?

本番も勝った馬どころか、その後重賞を勝ったのもトーワトリプル(日経新春杯)とレオリュウホウ(日経賞)だけ。牝馬を含めても、3冠ステップレースを二桁人気で勝った馬の本番最高着順は、モズカッチャンのオークス2着(17年フローラS12番人気V)。乾坤一擲の脚を使った反動はかくも大きいということだ。

スプリングステークスを10番人気で制したエメラルファイトが皐月賞を回避したため、今年のダービーはレッドジェニアルとの“2頭出し”となる。ひょっとしたら、1週スライドしたことで波乱ムードに拍車かかかったプリンシパルステークスから“3頭目”が現れるかも…。

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04/30/2019

ワンシーズン1走の名馬

平成から令和への節目に生まれた新たなトレンドが「G1ぶっつけ」。キャリア3戦、ラジオNIKKEI賞以来の休み明けで菊花賞を制したフィエールマンが、平成最後のG1もまたまたステップレースを使わず勝ち取った。
86年以降、キャリア3戦以下で3歳G1を勝った馬は、今年のグランアレグリアとサートゥルナーリアを含め、23頭を数える。レース別内訳は、桜花賞10頭、皐月賞9頭、NHKマイルカップ1頭、オークス1頭、ダービー1頭、そして菊花賞1頭。唯一、秋の3冠目をキャリア3戦で制したフィエールマンの記録は、実質ダントツと言っていい。
今回は、古馬G1をキャリア5戦で制覇。86年以降、キャリア6戦以下で勝った馬は以下の10頭で、5戦は最少タイである。

<キャリア6戦>
バブルガムフェロー
新馬3着→新馬1着→府中3歳S1着→朝日杯3歳S1着→スプリングS1着→毎日王冠3着→天皇賞秋1着

タイキシャトル
未勝利1着→500万1着→菖蒲S1着→菩提樹S2着→ユニコーンS1着→スワンS1着→マイルCS1着

エルコンドルパサー
新馬1着→500万1着→共同通信杯1着→NZトロフィー4歳S1着→NHKマイルC1着→毎日王冠2着→ジャパンC1着

グラスワンダー
新馬1着→アイビーS1着→京成杯3歳S1着→朝日杯3歳S1着→毎日王冠5着→アルゼンチン共和国杯6着→有馬記念1着

モーニン
未勝利1着→500万1着→1000万1着→1600万1着→武蔵野S3着→根岸S1着→フェブラリーS1着

アーモンドアイ
新馬2着→未勝利1着→シンザン記念1着→桜花賞1着→オークス1着→秋華賞1着→ジャパンC1着

ブラストワンピース
新馬1着→500万1着→毎日杯1着→ダービー5着→新潟記念1着→菊花賞4着→有馬記念1着

<キャリア5戦>
ファインモーション
新馬1着→500万1着→1000万1着→ローズS1着→秋華賞1着→エリザベス女王杯1着

リアルインパクト
新馬1着→京王杯2歳S2着→朝日杯FS2着→NZトロフィー11着→NHKマイルC3着→安田記念1着

フィエールマン
新馬1着→500万1着→ラジオNIKKEI賞2着→菊花賞1着→AJC杯2着→天皇賞春1着

この10頭のうち、当該G1を4歳で勝ったのはフィエールマンのみ。ここでも同馬の記録は際立っている。
種牡馬価値を高めるためには2000~2500mのG1も勝っておきたいところだが、デビュー以来ほぼ3か月に1走ペースなので、宝塚記念はおそらく回避。今後は「凱旋門賞」「札幌記念→ジャパンカップ」「オールカマー→有馬記念」の3択とみる。もちろん、アーモンドアイ、サートゥルナーリアとの兼ね合いで決まることではあるが…。

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04/23/2019

完全無欠の1冠目

桜花賞に続いて皐月賞も「3歳初戦馬」が制覇。“改元イヤー”に相応しいエポックメイキングな快挙だが、その陰に隠れて、もうひとつの偉業があまり注目されていないように感じる。サートゥルナーリアが達成した「オール1番人気&無敗で皐月賞V」だ。

中央競馬における無敗の皐月賞馬は、戦前、横浜競馬場で施行されていた「横浜農林省賞典4歳呼馬」の時代を除くと14頭。50年代に2頭、60年代に2頭、70年代に3頭、80年代に2頭、90年代に2頭、00年代に2頭、10年代に1頭だから、平均すると10年に2頭。そこそこの頻度に思えるが、サンデーサイレンスの血が注入されて以降は有力馬が増えたせいか、今回は史上最長の14年ぶりだった。
この14頭の、皐月賞までのキャリア数と2番人気以下の回数は以下のとおり。全戦1番人気に支持されたのは、ハイセイコー(地方6戦+中央3戦)、ミホシンザン、ディープインパクト、そしてサートゥルナーリアの4頭である。

51年トキノミノル    9戦 2番人気2回
54年ダイナナホウシュウ 11戦 2番人気4回
60年コダマ       6戦 2番人気1回
64年シンザン      6戦 2番人気1回・6番人気1回
73年ハイセイコー    9戦
74年キタノカチドキ   7戦 2番人気1回
76年トウショウボーイ  4戦 2番人気1回
84年シンボリルドルフ  5戦 2番人気1回
85年ミホシンザン    4戦
91年トウカイテイオー  5戦 3番人気1回
92年ミホノブルボン   5戦 2番人気1回
01年アグネスタキオン  4戦 2番人気1回・3番人気1回
05年ディープインパクト 4戦
19年サートゥルナーリア 4戦

4番人気以下を経験したのはシンザンしかおらず、スプリングステークスでまさかの6番人気。皐月賞で1番人気に支持されなかったのは、ダイナナホウシュウとトウショウボーイ。シンボリルドルフは弥生賞で2番人気、トウカイテイオーはシクラメンステークスで3番人気、ミホノブルボンはスプリングステークスで2番人気、アグネスタキオンは新馬戦で3番人気・ラジオたんぱ杯で2番人気。ちなみに、今年ダノンキングリーが勝っていたら、史上初の「全戦2番人気以下で無敗の皐月賞馬」が誕生しているところだった。

戦前のセントライト、アルバイトを含め、サートゥルナーリア以前の無敗の皐月賞馬はすべてその後もG1級レースを勝ち、ダービーは目下4連勝中。平成最後の皐月賞を休み明けで勝った怪物が令和最初のダービーも順当に勝てば、ディープインパクトに次ぐ史上2頭目の「オール1番人気&無敗で2冠V」となるが、はたして…。

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04/17/2019

セン馬の大野

終わってみると3強決着だった皐月賞。ダービーは、叩き2戦目のサートゥルナーリアが一歩抜け出した「1+2」強ムード。この3頭に、青葉賞、京都新聞杯の勝ち馬がどこまで迫れるか、というシンプルな図式になりそうだ。
一方、今回で評判がいよいよ地に落ちてしまった実績上位馬が、ニシノデイジー。札幌2歳ステークスではクラージュゲリエを、東スポ杯ではヴェロックスを下した馬が、その後はホープフルステークス3番人気3着、弥生賞1番人気4着ときて、皐月賞は6番人でなんとブービー17着。ダービーでの巻き返しは至難の業だろう。

しかし、高木師にとってこの日は「捨てる神あれば拾う神あり」。中山のG1は惨敗したが、阪神のG3はニシノデイジーと同じ6番人気のアナザートゥルースで制覇した。同馬は、厩舎の先輩でもある半兄サウンドトゥルーと同じく、セン馬。偉大な兄は、JRA平地G1を勝ったわずか5頭のセン馬のうちの1頭である。

レガシーワールド  93年ジャパンC   (河内洋)
マーベラスクラウン 94年ジャパンC   (南井克巳)
トウカイポイント  02年マイルCS   (蛯名正義)
サウンドトゥルー  16年チャンピオンズC(大野拓弥)
ノンコノユメ    18年フェブラリーS (内田博幸)

兄の手綱もとった大野拓弥は、これがJRA重賞9勝目。そのうち4勝をセン馬であげている。86年以降、JRA平地重賞をセン馬で3勝以上した騎手は以下の6人。4勝は岡部に次ぎ、ルメールと並んで2位タイだ。

岡部幸雄
01年関屋記念   (マグナーテン)
02年中山記念   (トウカイポイント)
02年関屋記念   (マグナーテン)
02年毎日王冠   (マグナーテン)
02年ステイヤーズS(ホットシークレット)

C・ルメール
17年目黒記念   (フェイムゲーム)
17年キーンランドC(エポワス)
18年ダイヤモンドS(フェイムゲーム)
18年京王杯SC  (ムーンクエイク)

大野拓弥
12年函館記念    (トランスワープ)
12年新潟記念    (トランスワープ)
16年チャンピオンズC(サウンドトゥルー)
19年アンタレスS  (アナザートゥルース)

土肥幸広
92年小倉大賞典(ワイドバトル)
92年福島記念 (アラシ)
93年中京記念 (アラシ)

南井克巳
94年金鯱賞  (マーベラスクラウン)
94年京都大賞典(マーベラスクラウン)
94年ジャパンC(マーベラスクラウン)

武豊
06年アンタレスS(フィフティーワナー)
13年小倉記念  (メイショウナルト)
18年小倉記念  (トリオンフ)

5歳で東京大賞典、6歳でチャンピオンズカップ、7歳でJBCクラシックを勝ち、9歳になった今年も南関東でいまだ健在のサウンドトゥルー。この晩成の兄と同じく、5歳でオープン入り&重賞初制覇を果たしたアナザートゥルースの主戦でありつづけるなら、岡部に並ぶ「5勝」の可能性は十分とみるが、はたして…。

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