2000m天皇賞初の1→2→3番人気決着
「11番人気→8番人気→16番人気」「1番人気→15番人気→9番人気」ときて「1番人気→2番人気→3番人気」。荒れに荒れた秋華賞と菊花賞の反動か、天皇賞秋はまれにみるガチガチ決着となり、穴党の溜め息を誘った。
グレード制導入以降、「1番人気→2番人気→3番人気」で決まったJRAのG1級レースと、1~3着馬の単勝オッズは以下のとおり。
89年 マイルCS
オグリキャップ(1.3倍)→バンブーメモリー(4倍)→ホクトヘリオス(15.9倍)
93年 ダービー
ウイニングチケット(3.6倍)→ビワハヤヒデ(3.9倍)→ナリタタイシン(4倍)
94年 天皇賞春
ビワハヤヒデ(1.3倍)→ナリタタイシン(6.5倍)→ムッシュシェクル(7.6倍)
94年 菊花賞
ナリタブライアン(1.7倍)→ヤシマソブリン(5.8倍)→エアダブリン(6.1倍)
94年 マイルCS
ノースフライト(1.7倍)→サクラバクシンオー(3.3倍)→フジノマッケンオー(11.4倍)
95年 スプリンターズS
ヒシアケボノ(2.3倍)→ビコーペガサス(4.2倍)→ソーファクチュアル(7.5倍)
01年 秋華賞
テイエムオーシャン(2.4倍)→ローズバド(4.2倍)→レディパステル(5.1倍)
03年 皐月賞
ネオユニヴァース(3.6倍)→サクラプレジデント(4.3倍)→エイシンチャンプ(6.1倍)
05年 オークス
シーザリオ(1.5倍)→エアメサイア(8.6倍)→ディアデラノビア(9倍)
05年 スプリンターズS
サイレントウィットネス(2倍)→デュランダル(3.8倍)→アドマイヤマックス(10.7倍)
08年 天皇賞秋
ウオッカ(2.7倍)→ダイワスカーレット(3.6倍)→ディープスカイ(4.1倍)
25年でたった11レースしかないのだから驚きである。このうち、4着以降も人気どおりだったのは、94年マイルCS(4着4番人気ホッカイセレス→5着5番人気ビコーペガサス)と、95年スプリンターズS(4着4番人気ニホンピロスタディ→5着5番人気ホクトフィーバス)。
特に前者は、1着からシンガリ14着までの人気が「1→2→3→4→5→7→8→9→6→12→11→10→14→13」と、にわかには信じがたい順当決着。ノースフライトとサクラバクシンオーに人気が集中し、7頭が単勝70倍以上、5頭が単勝万馬券というレースで、よくも3着以下がこれほど人気どおりに決まったものだ。
上記11レースのほとんどは「1強」「2強」「3強」のいずれかのパターンに当てはまる。今年の天皇賞秋はもちろん「3強」。93年のダービー、01年の秋華賞もそう。
このうち1~3番人気の単勝オッズが最も拮抗しているのは、93年のダービー。しかしこのときは4番人気マイシンザンが9倍、5番人気シクレノンシェリフが9.6倍だから、3強の突出度としては01年の秋華賞と今年の天皇賞秋の方が上。特に今年の天皇賞秋は、3番人気ディープスカイと4番人気ドリームジャーニーのオッズ差が「10.5」もあり、01年秋華賞の3番人気レディパステルと4番人気ムーライトタンゴとの差「8」を軽く上回った。
03年の皐月賞も一見「3強」だが、4番人気サイレントディールが6.4倍、5番人気ザッツザプレンティが6.6倍、6番人気スズノマーチが15.6倍だから、これは2強プラス3強、あるいは5強と言うべきだろう。
それにしても大きかったウオッカとダイワスカーレットの「2センチ」差。ダイワの「デビュー以来11戦連続連対」は確かに驚異的だが、同馬が未勝利の牡牝混合G1を、ウオッカはこれでなんと3勝目。しかも、1600m、2000m、2400mの最高峰タイトルだから恐れ入る。名牝2頭の間に力の差はまったく感じられないが、印象の差はこれでさらに開いてしまった。
ダイワスカーレットにとって有馬記念は、いよいよもって負けられない一戦になりそうだ。

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