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05/07/2010

薄らぐ最高峰の格

今年もまたその存在意義が問われる結果となった天皇賞春。1着ジャガーメイル、2着マイネルキッツという決着は、この長距離G1が直面している課題をいくつも露呈した。

重賞未勝利馬のV
80年のニチドウタローを最後にまったくお呼びでなかった重賞未勝利馬が、なんと2年連続で優勝。かつてはG1の中でも特に実績がものを言うレースだったが、この2年の顔ぶれと結果は、万葉ステークスに毛が生えたようなもの。ドリームジャーニー、ロジユニヴァース、オウケンブルースリ、アサクサキングスらが出走していても、万葉ステークスがせいぜいステイヤーズステークスになる程度だ。

6歳馬のV
これも2年連続で、これまた異常事態。全71回の勝ち馬を年齢別にみると、4歳馬45勝、5歳馬20勝、6歳馬6勝、7歳以上馬0勝。マイネルキッツ以前の6歳優勝馬は95年のライスシャワーで、その前は84年のモンテファストまで遡る。4~5歳馬の圧倒的優位がここにきて崩れたのは、高齢馬の頑張りというより、4~5歳の大物ステイヤーが姿を消していることの表れだろう。

ジャングルポケット産駒のV
トニービン産駒は大物でも長距離は勝ちきれない。芝3000m以上のレースを唯一勝っているエアダブリンも、菊花賞、天皇賞春では連に絡めなかった。ジャガーメイルの父は、トニービンの代表産駒、ジャングルポケット。史上初めて同年のダービーとJCを制したこの名馬も、3000m以上では4、2、2着。しかし父となってからは、自身の勝てなかった菊花賞と天皇賞春を早々に制した。ステイヤー種牡馬とは考えづらいジャングルポケットを父にもち、母系もステイヤー血統とは言い難いオウケンブルースリとジャガーメイルの長距離G1勝ちは、現在の長距離界にステイヤー血脈が不要であることを如実に示している。

前年人気薄優勝馬の好走
86年以降、二桁人気で古馬G1を勝った馬は20頭。そのうち翌年も同じレースに出走したのは以下の8頭である。

メジロデュレン(有馬記念)     87年10番人気1着→88年7番人気5着
バンブーメモリー(安田記念)    89年10番人気1着→90年3番人気6着
ヤマニンゼファー(安田記念)    92年11番人気1着→93年2番人気1着
メジロパーマー(有馬記念)     92年15番人気1着→93年9番人気6着
フェアリーキングプローン(安田記念)00年10番人気1着→01年1番人気9着
ダイタクヤマト(スプリンターズS) 00年16番人気1着→01年2番人気3着
ユウフヨウホウ(中山大障害)    01年10番人気1着→02年7番人気7着
マイネルキッツ(天皇賞春)     09年12番人気1着→10年4番人気2着

翌年も馬券圏内にきたのは、ヤマニンゼファー、ダイタクヤマト、マイネルキッツの3頭。唯一連覇をはたしたヤマニンゼファーは4歳での初優勝時が上がり馬状態で、その後一気に本格化。最初の年は完全に人気の盲点となっていた。
一方、ダイタクヤマトとマイネルキッツは、キャリア豊富な6歳でのG1初制覇。7歳でも好走できたのは、この間、同路線に生きのいい若手が現れず、路線全体が低調だったおかげとみるべきだろう。

短距離戦にはない魅力がある長距離戦は、決して不要な存在ではない。G1があってもいい。しかし、3200mのレースがもはや「古馬最高峰」としてほとんど機能していないことは、論を待たない事実。天皇賞春は2400mに短縮、再来年新装予定の中京で行なわれる金鯱賞は長距離G1に格上げ、ハンデ重賞目黒記念は2000mに短縮すれば、春の古馬中長距離路線の「商品力」は格段に向上すると思うのだが…。

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