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02/29/2012

「出戻りマル地馬」東西重賞制覇

先週日曜の東西重賞は、いずれも地方出身馬、いわゆる「マル地馬」が制覇。これはグレード制導入以降、3回目の快挙である。もっとも、フェデラリストもマジンプロスパーも、近年よく見かける「出戻り組」。故障やデビューの遅れが原因で、3歳未勝利戦が終了する9月までに勝ち上がれなくなったため、一旦地方に転出し、そこで勝ってから中央に復帰した馬だ。当然、その手の馬の多くは、陣営の期待がもとより高い良血馬。「地方出身」といっても、ハイセイコーやオグリキャップとはまったく別物。古き良き「ロマン」が入り込む余地などまるでない。
オグリキャップ引退の翌年、1991年以降のJRA平地重賞を制したマル地馬は以下の26頭。赤字は出戻り組だ。

ショウリテンユウ  91年中日新聞杯
キリサンシー    91年日経賞
トモエリージェント 91年根岸S 92年ダービー卿CT 93年ダービー卿CT
ユキノビジン    93年クイーンS
シマノヤマヒメ   94年中京記念
オグリローマン   94年桜花賞
スガノオージ    95年毎日王冠
パルブライト    97年新潟記念 98年函館記念
ジョーディシラオキ 00年チューリップ賞
グランドシンザン  01年愛知杯
トウカイポイント  02年中山記念 02年マイルCS
アローキャリー   02年桜花賞
タカラシャーディー 03年毎日杯
プリサイスマシーン 03年中日新聞杯 04年中日新聞杯 06年スワンS 07年阪急杯
トーセンダンディ  04年オールカマー
メジロマントル   05年鳴尾記念
シーキングザベスト 06年武蔵野S
アグネスラズベリ  07年函館スプリントS
イナズマアマリリス 08年ファンタジーS
アーバニティ    09年オーシャンS
ダンスアジョイ   09年小倉記念
ミリオンディスク  09年カペラS
ゴルトブリッツ   11年アンタレスS
アドマイヤコスモス 11年福島記念
フェデラリスト   12年中山金杯 12年中山記念
マジンプロスパー  12年阪急杯

今や強いマル地馬はすべて出戻り組。地方競馬の衰退とともに、強い「純」地方馬は少なくなり、地方は中央の「2軍」と化しつつある。実際、地方所属のいわゆる「カク地馬」は、コスモバルク以降パッとせず、モエレジーニアスとハートオブクィーンが函館2歳ステークスを、ネイティヴハートがオーシャンステークスを勝ったのみだ。
最後にマル地馬が中央のG1を制したのは2002年。マル地の皮を被った良血好素質馬がこれだけ増えてくれば、そろそろ一発あっても不思議はない。さしずめその有力候補は、先週の勝ち馬2頭だろう。特に、父Empire Maker、母ダンスパートナーのフェデラリストは大物感たっぷりで、未対戦の一線級との手合わせが大いに楽しみになった。

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02/24/2012

G1大本命まさかの完敗

過去10年、1番人気が8勝しているフェブラリーステークス。負けたのは09年のカネヒキリと07年のシーキングザダイヤだけで、前者は勝ち馬と同タイムの僅差3着。9着惨敗の後者は、2番人気ブルーコンコルド(単勝4.0倍・2着)と差のない単勝3.9倍の、押し出されるようにして1番人気になった馬。G1昇格以降、04年のアドマイヤドンに次ぐ人気を集めたトランセンドが単勝1.5倍で掲示板を外したのは、「大事件」と言っていい。

そもそも単勝1.5倍以下の馬はどれほど堅いのか。86年以降のJRA全レースおける単勝1番人気89,275頭の成績と、単勝1.5倍以下の馬9,928頭の成績は以下のとおりである。

単勝1番人気  勝率33.9% 連対率53.5% 複勝率66.2%
単勝1.5倍以下 勝率57.1% 連対率77.5% 複勝率86.2%

一目瞭然。6割近くが勝ち、8割近くが連対している単勝1.5倍の馬は確かに堅い。
では重賞に限るとどうか。86年以降のJRA全重賞における単勝1番人気3,179頭の成績と、単勝1.5倍以下の馬370頭の成績は以下のとおり。

単勝1番人気  勝率32.1% 連対率49.7% 複勝率61.0%
単勝1.5倍以下 勝率50.8% 連対率70.8% 複勝率78.4%

なんと重賞の方が成績は下がってしまう。しかも「下落幅」は単勝1.5倍の馬の方が大きい。
ではG1に限るとどうか。86年以降のJRA全G1における単勝1番人気521頭の成績と、単勝1.5倍以下の馬72頭の成績は以下のとおり。

単勝1番人気  勝率34.0% 連対率53.4% 複勝率65.1%
単勝1.5倍以下 勝率55.6% 連対率79.2% 複勝率84.7%

単勝1番人気も単勝1.5倍以下も、全レースにおけるそれぞれの数字に近い。つまりG1の本命は、G2やG3の本命よりはるかに堅いということだ。86年以降のG1で4着以下に敗れた単勝1.5倍以下の馬は以下の11頭しかいない。

スダホーク     86年天皇賞春     7着
トウカイテイオー  92年天皇賞春     5着
ビワハヤヒデ    94年天皇賞秋     5着
シーキンザパール  96年阪神3歳牝馬S  4着
サイレンススズカ  98年天皇賞秋     競走中止
ショウナンカンプ  03年高松宮記念    7着
ダンスインザムード 04年オークス     4着
デュランダル    05年マイルCS    8着
マルカラスカル   08年中山大障害    5着
ロケットマン    11年スプリンターズS 4着
トランセンド    12年フェブラリーS  7着

競走中止のサイレンススズカを除けば、掲示板すら外したのはわずか4頭。ショウナンカンプとデュランダルはそのレースがラストランとなった。スダホークは翌々年の6歳まで走り続けたが、その後は1番人気に支持されたことすらなく、勝ち星は5歳時の阪神大賞典のみ。同じく現役続行のトランセンドは、今後どんな道を歩むのか、要注目だ。

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02/16/2012

単勝万馬券馬で7勝目

先週日曜の京都6レースは荒れに荒れた。前半1000mが58.5秒という、3歳500万条件としてはかなりのハイペースとなったため、絵に描いたようなズブズブ決着。好位を追走した単勝1.6倍のダイワミストレスは9着に沈み、単勝17,690円の13番人気コスモルーシーが1着。2着は4番人気で、3着はなんと6番人気と10番人気の同着。二通りの3連単は、1,326,960円と1,738,760円だった。
この単勝万馬券の勝ち馬に騎乗していたのは、秋山真一郎。デビュー2年目から昨年まで14年連続重賞勝利、中央8場で重賞勝利、同期最多の通算700勝という一流ジョッキーながら、実は「穴男」でもあり、単勝万馬券馬での勝利はこれが7回目。86年以降、単勝万馬券馬で7勝以上したジョッキーは、ほかには9人しかいない。

9勝 大野拓弥
8勝 大庭和弥 池添謙一 勝浦正樹 芹沢純一
7勝 古川吉洋 江田照男 菊沢隆徳 武士沢友治 秋山真一郎

単勝万馬券馬の勝利はクラスが上がれば上がるほど難しくなるが、秋山は重賞でも2回、単勝万馬券馬で勝っている。86年以降、単勝万馬券馬の重賞勝ちは19回あるが、2勝以上した騎手は、秋山のほかには、あの江田照男しかいない。

江田 98年日経賞(テンジンショウグン)
   00年スプリンターズS(ダイタクヤマト)

秋山 04年中京記念(メイショウキオウ)
   08年キーンランドC(タニノマティーニ)

この二人の2勝のすごいところは、すべて単勝万馬券だけでなくシンガリ人気でもあること。ほかに単勝万馬券馬で平地重賞を制した現役日本人ジョッキーは、熊沢重文(91年有馬記念・ダイユウサク)、内田博幸(06年オーシャンS・ネイティヴハート)、勝浦正樹(06年ファアリーS・アポロティアラ)、小林徹弥(08年東海S・ヤマトマリオン)の4人いるが、いずれもシンガリ人気では勝っていない。重賞をシンガリ人気の単勝万馬券馬で2勝するジョッキーなど、もう二度と出てこないのではなかろうか。
タニノマティーニによるキーンランドカップ制覇は、今のところ最後の単勝万馬券馬による重賞制覇。89年以降、これだけ間が開いたのは初めてだ。そろそろ大噴火があってもよさそうだが…。

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02/08/2012

驚異の第2世代

ディープインパクトのセカンドクロップが大爆発している。ファーストクロップはダービーまでに重賞3勝とやや期待外れだったが、現3歳はここまでのJRA2~3歳重賞15レースのうち6レースを、6頭の産駒で制覇。しかもその6レースはすべて秋以降の1600~2000m戦で、目下出走機会6連勝中。あのサンデーサイレンスも2003年の1度しか達成していない「牡牝春2冠制覇」に向けて、万全の態勢と言っていい。
現時点での重賞6勝がいかにすごいかは、偉大な父と比較してみるとよく分かる。サンデーサイレンス産駒全12世代のJRA2~3歳重賞勝利数は以下のとおり。

1992年産 13勝
1993年産 9勝
1994年産 4勝
1995年産 5勝
1996年産 12勝
1997年産 9勝
1998年産 13勝
1999年産 6勝
2000年産 18勝
2001年産 13勝
2002年産 15勝
2003年産 6勝

また、各世代のJRA2~3歳重賞ウィナーの頭数と、JRA2~3歳G1ウィナーは以下のとおり。

1992年産 9頭 フジキセキ・ジェニュイン・ダンスパートナー・タヤスツヨシ
1993年産 5頭 バブルガムフェロー・イシノサンデー・ダンスインザダーク
1994年産 2頭
1995年産 2頭 スペシャルウィーク
1996年産 8頭 スティンガー アドマイヤベガ
1997年産 7頭 エアシャカール アグネスフライト
1998年産 10頭 メジロベイリー アグネスタキオン マンハッタンカフェ
1999年産 5頭
2000年産 10頭 ピースオブワールド スティルインラブ ネオユニヴァース
2001年産 11頭 ダンスインザムード ダイワメジャー ダイワエルシエーロ
2002年産 9頭 ショウナンパントル ディープインパクト エアメサイア
2003年産 4頭

今年のJRA3歳重賞はまだあと27レースもある。現在の勢いをもってすれば、ディープインパクトがサンデーサイレンスの「18勝」「11頭」という大記録を破る可能性は小さくないだろう。
今週のクィーンカップには、前走、牡馬相手に2000mのエリカ賞を勝ったヴィルシーナが登録。共同通信杯には、新馬、東スポ杯を連続圧勝したディープブリランテ以下4頭が登録。ヴィルシーナが勝てば、世代7頭目の重賞ウィナーの誕生。ディープブリランテが順当に3連勝を果たせば、ディープ産駒初の重賞2勝馬誕生となるが、はたして…。

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02/02/2012

天皇賞2着馬の歴史的敗北

シルクロードステークスはロードカナロアが完勝し、破竹の5連勝で高松宮記念制覇に王手。白富士ステークスはペルーサが格下相手に取りこぼし、悲願のG1取りに向けて暗雲。先週土曜の東西メインは、単勝1.4倍のダントツ人気馬2頭が明暗を分ける結果となった。
記録的に興味深いのはペルーサの敗戦の方。ダービー以降、白富士ステークスはちょうど10戦目。この間勝ち星はなく、平均人気は2.9で、平均着順は5.3。着順が人気を下回ったのは、一昨年の天皇賞秋(4番人気2着)と昨年の天皇賞秋(6番人気3着)だけ。10戦中7戦で3番人気以内だったが、馬券圏内に来たのは日経賞2着と今回の2着だけ。今や現役屈指の人気先行オープン馬と言っていい。
それにしても、G1連対馬がオープン特別を負けるというのはいかがなものか。2000m戦となって以降の天皇賞秋で2着に来たあと、中央の芝オープン特別に出走した馬は、そもそも以下の6頭しかいない。

テュデナムキング(84年天皇賞秋2着)
→85年クリスマスステークス(5着・61キロ)

メジロアルダン(90年天皇賞秋2着)
→91年富士ステークス(6着・57キロ)

カリブソング(91年天皇賞秋2着)
→92年富士ステークス  (3着・57キロ)
→94年テレビ愛知オープン(3着・56キロ)
→94年BSNオープン  (4着・56キロ)

ムービースター(92年天皇賞秋2着)
→93年小倉日経オープン(1着・56キロ)
→93年六甲ステークス (7着・61キロ)

セキテイリュウオー(93年天皇賞秋2着)
→93年ディセンバーステークス(1着・59キロ)

ペルーサ(10年天皇賞秋2着)
→12年白富士ステークス(2着・57キロ)

ペルーサは21世紀第1号。天皇賞繰り上がり2着のカリブソングを除けば、57キロ以下で負けたのは、ほかにはメジロアルダンしかいない。過去の5頭はすべてG1未勝利で引退。未完の大器ペルーサもこのまま無冠で終わるのか…。

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