なるかサードクロップ重賞初制覇
空前にしておそらく絶後の記録をいくつも打ち立てたスーパーサイヤー、サンデーサイレンスも、不思議と「年度代表馬」とは縁遠い。その栄誉に浴した産駒は、ゼンノロブロイ(04年)と、ディープインパクト(05~06年)のわずか2頭。しかし最良後継種牡馬ディープインパクトは、サイヤーデビュー3年目で早くも年度代表馬を送り出し、初のJRAリーディングサイヤーに輝いた。さらに同種牡馬は、デビューから3年連続でJRA2歳リーディングサイヤーの座も獲得。これは偉大な父もなし得なかった快記録だ。
ところが現3歳(2010年産)のサードクロップは、いまだ重賞を勝っていない。札幌2歳ステークスから京成杯までの重賞に出走した産駒とその成績は以下のとおりである。
札幌2歳S ラウンドワールド 1番人気2着
デイリー杯 タイセイドリーム 8番人気6着
アルテミスS アユサン 4番人気2着
バリローチェ 2番人気17着
ファンタジーS ディアマイベイビー 3番人気9着
京王杯 タイセイドリーム 12番人気4着
東スポ杯 サトノノブレス 2番人気6着
阪神JF アユサン 4番人気7着
ディアマイベイビー 8番人気9着
ラジオNIKKEI杯 キズナ 2番人気3着
京成杯 マイネルストラーノ 6番人気8着
のべ11頭のうち7頭が馬券圏外に沈み、馬券圏内はわずか3頭。1番人気に支持されたのはラウンドワールドしかいない。
現5歳(08年産)のファーストクロップと、現4歳(09年産)のセカンドクロップの2~3歳重賞ウィナーは以下のとおり。
2008年産駒
ダノンバラード ラジオNIKKEI杯
トーセンラー きさらぎ賞
マルセリーナ 桜花賞
フレールジャック ラジオNIKKEI賞
ボレアス レパードS
2009年産駒
ジェンティルドンナ シンザン記念 桜花賞 オークス ローズS 秋華賞
ディープブリランテ 東スポ杯 ダービー
ワールドエース きさらぎ賞
ベストディール 京成杯
ファイナルフォーム ラジオNIKKEI賞
ヒストリカル 毎日杯
トーセンホマレボシ 京都新聞杯
ジョワドヴィーヴル 阪神JF
ヴィルシーナ クイーンC
アダムスピーク ラジオNIKKEI杯
こうして並べてみると、セカンドクロップのレベルの高さが際立っている。種牡馬ディープインパクトは、セカンドクロップから完全本格化したのか、それとも、09年はたまたま「豊作」の年だったのか。現3歳世代の今後の走りに要注目だ。
まずは、有力3頭が出走する今週のきさらぎ賞。インパラトール、ラストインパクト、リグヴェーダのいずれかが先頭でゴールすれば、ファーストクロップからの3連覇を達成し、牡馬クラシック有力候補が誕生することになりそうだが、はたして…。
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