快挙の2着は限界の2着
ゴールドシップの阪神大賞典3連覇は大したものだが、一瞬同馬に肉薄したデニムアンドルビーの2着も見逃せない快挙である。
86年以降、芝3000m以上の重賞に出走した牝馬は73頭。そのうち3着以内に来たのは以下の8頭しかいない。
86年ステイヤーズS シーナンレディ 6番人気1着
88年ダイヤモンドS ダイナブリーズ 4番人気1着
93年阪神大賞典 タケノベルベット 2番人気2着
97年ステイヤーズS アドマイヤラピス 3番人気2着
05年ステイヤーズS エルノヴァ 4番人気2着
06年ダイヤモンドS メジロトンキニーズ 7番人気2着
10年阪神大賞典 メイショウベルーガ 1番人気3着
15年阪神大賞典 デニムアンドルビー 7番人気2着
上記3重賞の中で最も格が高いのは、もちろん阪神大賞典。前年グランプリ連勝馬メジロパーマーの2着に来たタケノベルベットと、G1V5馬ゴールドシップの2着に来たデニムアンドルビーの実績は、8頭の中でも際立っている。
とはいえ、デニムアンドルビーがさらに相手の強くなる天皇賞春で着順をもうひとつ上げるのは、さすがに無理だろう。88年のダイナブリーズを最後に、牝馬が芝3000m以上重賞を勝ったことは一度もなし。加えてデニムアンドルビーはディープインパクト産駒。自身は菊花賞、天皇賞春、阪神大賞典を勝ったディープも、父としてはここまで芝3000m以上戦では「0-7-4-23」。連対率は2割を、3着内率は3割を超えるが、勝ちきれていない。ファンも心得たもので、34戦のうち1番人気に支持したのは、昨年の天皇賞春のキズナだけだ。
今回の阪神大賞典を含め、ディープインパクト産駒の芝3000m以上重賞での2、3着は以下のとおり。
11年菊花賞 トーセンラー 3番人気3着
11年ステイヤーズS イグアス 6番人気2着
12年ダイヤモンドS スマートロビン 2番人気3着
12年ステイヤーズS ファタモルガーナ 4番人気2着
13年天皇賞春 トーセンラー 3番人気2着
13年菊花賞 サトノノブレス 5番人気2着
14年ステイヤーズS ファタモルガーナ 4番人気2着
15年ダイヤモンドS ファタモルガーナ 2番人気2着
15年阪神大賞典 デニムアンドルビー 7番人気2着
15年阪神大賞典 ラストインパクト 2番人気3着
今週は毎日杯に5頭、高松宮記念に1頭、ディープインパクト産駒が出走する。前者は「2-2-3-6」と好相性のレースだが、芝1200mの重賞は「0-2-5-12」でいまだ勝てていない。短距離重賞と長距離重賞。ディープ産駒が片目を開けるのは、はたしてどちらが先か…。
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