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03/24/2016

消えた牧場 繋がった血

昨秋、惜しまれつつ閉鎖した日高の名門、トウショウ牧場。馬主としても(名義は「トウショウ産業」)現1歳が最終世代となるため、トウショウの冠名も、「海老、黄ダイヤモンド、紫袖」の勝負服も、見られるのはあとわずか。そんな状況下で、トウショウ冠馬が10年ぶりに重賞を勝ったことは、なんとも感慨深い。3歳馬トウショウドラフタによるファルコンステークス制覇である。
この重賞勝ちは、消えゆく名門だけでなく、生産界にとっても貴重な勝利となった。同馬の父はアンライバルド、その父はサンデーサイレンス直仔ネオユニヴァース。トウショウドラフタは、SSの曾孫としては5頭目、フジキセキ以外を祖父にもつSS4世としては初のJRA重賞ウィナーとなったのである。

ブライティアパルス 10年マーメイドS
SS~フジキセキ~ダイタクリーヴァ

ルールプロスパー 14~15年京都ハイJ
SS~フジキセキ~ダイタクリーヴァ

シュウジ 15年小倉2歳S
SS~フジキセキ~キンシャサノキセキ

スマートオーディン 15年東スポ杯
SS~フジキセキ~ダノンシャンティ

トウショウドラフタ 16年ファルコンS
SS~ネオユニヴァース~アンライバルド

これまで日本で登録されたSS系の種牡馬は200頭を優に超えるため、SS4世の重賞ウィナーはもっといてもよさそうなものだが、サイヤーラインというのは、そう易々と繋がるものではない。ダンスインザダーク、スペシャルウィーク、アグネスタキオンといった優秀なSS2世種牡馬でさえ後継には恵まれていないのだから、今後期待が持てるのは、ステイゴールド(~オルフェーヴルほか)、ハーツクライ(~ジャスタウェイほか)、ディープインパクト(~キズナほか)くらいではなかろうか。

SSのサイヤーラインが伸び悩む原因は、やはり“血の飽和”にあるのだろう。昨年日本で共用された254頭の種牡馬のうち、SSの直仔は39頭、SSの孫は41頭。SS系種牡馬が全体に占める割合は、3年連続で30%を超えた。この割合はようやく上げ止まった感があるが、30%超というのはどう考えても異常。「頭数」に反比例して「遺伝力」が低下しても不思議ではあるまい。
SSが世界レベルの大種牡馬なら、今後は海外でその血が勢いを増す可能性はある。これまで海外で繋養された主な日本産SS系種牡馬(シャトル種牡馬を除く)とその繋養国は以下のとおり。

ファイングレイン  フランス
サマーサスピション ニュージーランド
サンデーウェル   韓国
アグネスカミカゼ  フランス
ジンガロ      フィリピン
ローゼンカバリー  フランス
ペインテドブラック ニュージーランド
ディヴァインライト フランス→トルコ
アグネスゴールド  ブラジル
ボーンキング    フランス
シックスセンス   アイルランド
キングオブサンデー オーストラリア
タイガーカフェ   チェコ
グレイトジャーニー フランス
ハットトリック   アメリカ
ヴィータローザ   イギリス→イタリア
ペールギュント   フランス
アドマイヤメイン  南アフリカ
ウインレジェンド  インド
リミットレスビッド 韓国
エアシェイディ   韓国
キングストレイル  アイルランド

なんと世界中、全大陸にSSの血はもたらされている。ほかにも、日本で走っていないSS系外国馬が海外で種牡馬入りした例は少なくない。どこまで伸びるか、日本競馬史上最高の血脈。そのポテンシャルは、ノーザンダンサー系やミスタープロスペクター系にも負けないと思うのだが、はたして…。

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