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11/24/2016

エルコン級マイル王

2年前の3歳マイルチャンピオンだが、その後は1200~1400mを主戦場とし、高松宮記念を3、2着、スプリンターズステークスを4、2着。掲示板を外した香港カップも、日本馬の中では最先着。対して、ここまで古馬マイルG1は16、13、15着とまったくいいところなし。そんなミッキーアイルが5歳秋のマイルG1を“曲がりなりにも”勝ちきれたのは、「マイルG1馬」の肩書がものを言う低調な顔ぶれだったから。2年前の覇者が8歳にして14番人気で4着に来たのも同じ理由だろう。
4頭もの馬に被害を与えた斜行は残念だが、それがなくても勝っていたと見なされたのだから、1着それ自体を過小評価する必要はない。そしてこの勝利は、NHKマイルカップの勝ち馬としてはエポックメイキングなものである。過去の同レース優勝馬とその後の勝ち星は以下のとおり。

96年タイキフォーチュン
97年シーキングザパール →98年シルクロードS・98年モーリスドギース賞
98年エルコンドルパサー →98年ジャパンC・99年サンクルー大賞・99年フォワ賞
99年シンボリインディ  →00年京成杯AH
00年イーグルカフェ   →02年七夕賞・02年ジャパンCダート
01年クロフネ      →01年武蔵野S・01年ジャパンCダート
02年テレグノシス    →03年京王杯SC・04年毎日王冠
03年ウインクリューガー →07年障害未勝利
04年キングカメハメハ  →04年ダービー・04年神戸新聞杯
05年ラインクラフト   →06年阪神牝馬S
06年ロジック
07年ピンクカメオ
08年ディープスカイ   →08年ダービー・08年神戸新聞杯
09年ジョーカプチーノ  →10年ラピスラズリS(OP特別)・11年シルクロードS
10年ダノンシャンティ
11年グランプリボス   →12年スワンS・13年マイラーズC
12年カレンブラックヒル →12年毎日王冠・14年ダービー卿CT・15年小倉大賞典
13年マイネルホウオウ
14年ミッキーアイル   →14年スワンS・16年阪急杯・16年マイルCS
15年クラリティスカイ
16年メジャーエンブレム

3歳マイルチャンピオンとなったあと、さらに重賞を制した馬は13頭を数えるが、3勝となるとエルコンドルパサー、カレンブラックヒル、ミッキーアイルのわずか3頭。さらにG1を制した馬は7頭を数えるが、JRA古馬芝G1制覇となるとエルコンドルパサー、ミッキーアイルの2頭しかいない。
今後は“二刀流”の道を歩むマイルチャンピオンが次に目指すは、もちろんスプリントG1制覇。“6度目の正直”はスッキリと決めてもらいたい。

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11/18/2016

キャリア6戦3歳馬の健闘

3歳以上戦に変更された96年以降、エリザベス女王杯に参戦した3歳馬は110頭を数える。今年は12年(ヴィルシーナ1番人気2着・ラシンテランテ8番人気9着)と並んで最少タイの2頭。デンコウアンジュは9番人気で11着と完敗したが、パールコードは5番人気で4着。よくよく調べてみると、後者のこの好走は特筆すべきものであった。
パールコードのここまでの成績は「2-2-1-1」。秋華賞2着は光るがオープンは勝っておらず、キャリアはわずか6戦。前記110頭のうち、キャリア6戦以下でエリザベス女王杯に挑んだ馬と当該女王杯の成績は以下のとおり。

<3戦>
14年オメガハートロック 17番人気17着

<4戦>
11年レーヴディソール 3番人気11着
08年ポルトフィーノ  3番人気競走中止

<5戦>
97年サイクロンジェーン 14番人気15着
98年ケープリズバーン  9番人気13着
02年ファインモーション 1番人気1着
06年カワカミプリンセス 1番人気1位入線→12着降着
09年シャラナヤ[外]   3番人気4着
13年ラキシス      6番人気2着
15年ルージュバック   3番人気4着

<6戦>
98年エリモエクセル   3番人気5着
03年メイショウバトラー 12番人気12着
10年サンテミリオン   5番人気9着
11年オールザットジャズ 16番人気15着
11年グルヴェイグ    10番人気14着
11年アヴェンチュラ   2番人気2着
13年ディアデラマドレ  8番人気9着
14年サングレアル    12番人気14着
16年パールコード    5番人気4着

19頭中、掲示板に載ったのは、降着のカワカミプリンセスを含め8頭。そのうち6頭は重賞勝ち、5頭はG1勝ちの実績があった。

ファインモーション ローズS 秋華賞
カワカミプリンセス オークス 秋華賞
シャラナヤ[外]   オペラ賞(仏)
ラキシス
ルージュバック   きさらぎ賞
エリモエクセル   オークス
アヴェンチュラ   クイーンS 秋華賞
パールコード

パールコードと同じくオープンも勝っていなかったラキシスは、翌年のエリザベス女王杯を制し、翌々年は産経大阪杯でキズナ、スピルバーグ、ロゴタイプらを撃破した。
デビュー以来1800m以上を使われ続け、2戦目のつばき賞はナムラシングン、ミッキーロケットに次ぐ3着、3戦目のミモザ賞はオークス4着馬ジェラシーを完封、フローラステークスはオークス同タイム2着馬チェッキーノの2着、馬券にならなかったのは休み明けで不利もあった紫苑ステークスだけ。そんなパールコードが来年以降、ラキシス級の活躍をする可能性はかなり高いとみるが、はたして…。

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11/11/2016

今や貴重な重ハンデV

近10年、6頭の連対馬(アドマイヤジュピタ・スクリーンヒーロー・ジャガーメイル・アーネストリー・トーセンジョーダン・ゴールドアクター)がその後G1を制している出世レース、アルゼンチン共和国杯。今年は、トップハンデ58キロを背負った2番人気の4歳馬、シュヴァルグランが制覇。この実績はなかなかのものである。
グレード制導入以降、ハンデ戦のG2は、目黒記念、アルゼンチン共和国杯、日経新春杯(94年~)、京都記念(~93年)、鳴尾記念(~96年)の計112レースが行なわれた。そのうち58キロ以上のトップハンデ馬が勝ったのは、以下の14レース。

86年京都記念   スダホーク     58.5㎏
88年京都記念   カシマウイング   58.5㎏
88年AR共和国杯 レジェンドテイオー 58.5㎏
88年鳴尾記念   ヤエノムテキ    58㎏
89年鳴尾記念   ミスターシクレノン 59㎏
91年目黒記念   カリブソング    60.5㎏
94年目黒記念   ナリタタイシン   58.5㎏
99年日経新春杯  メジロブライト   59.5㎏
99年目黒記念   ローゼンカバリー  58㎏
00年目黒記念   ステイゴールド   58㎏
01年日経新春杯  ステイゴールド   58.5㎏
07年目黒記念   ポップロック    58.5㎏
12年日経新春杯  トゥザグローリー  58.5㎏
16年AR共和国杯 シュヴァルグラン  58㎏

しかし、目を引く実績ではあるものの、上記の勝ち馬のうち、その後JRA・G1を制したのはヤエノムテキ(90年天皇賞秋)だけである。同馬はそれ以前にもG1を勝っており(88年皐月賞)、58キロで鳴尾記念を制したのは、なんと3歳時。それほどの大物でないと、その後のG1勝ちは期待できないということか。ちなみに、86年以降、JRA古馬平地重賞で58キロ以上背負った3歳馬は、以下のわずか3頭。芝ではヤエノムテキしかいない。

88年鳴尾記念 ヤエノムテキ 58㎏ 1番人気1着
09年武蔵野S テスタマッタ 58㎏ 4番人気11着
15年武蔵野S ノンコノユメ 58㎏ 2番人気1着

オールドファンならピンとくるだろうが、近年のハンデ戦は、格上実績馬の参戦を促すためだろう、酷量を課すことが珍しくなっている。G1での最重量58キロ(天皇賞春秋・安田記念・宝塚記念)を超える58.5キロ以上を平地ハンデ戦で課された馬の「年代別頭数」は以下のとおり。

86~95年 243頭(重賞98頭)
96~05年  89頭(重賞47頭)
06~15年  81頭(重賞40頭)

今年ここまで平地ハンデ重賞で58.5キロ以上を背負った馬は、フェイムゲーム(ダイヤモンドS2着・58.5㎏)、スノードラゴン(CBC賞6着・58.5㎏)の2頭。残る平地ハンデ重賞は3レースで、今週の福島記念のトップハンデはマイネルラクリマの57.5キロ。ターコイズステークスとチャレンジカップで酷量を背負う馬は、はたして現れるか…。

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11/04/2016

57キロでVの快挙

先週で今年の全日程を終了した新潟開催だが、その最終日、ある快挙が人知れず(?)達成された。2001年夏の開催からスタートした直線競馬のオープンで、初めて斤量56.5キロ以上の馬が勝ったのだ。

12年の邁進特別(1000万)が1位同着だったため(ビラゴーティアラ・ナスザン)、通算“直線ウィナー”はのべ431頭。その斤量内訳は以下のとおり。「上限」は57キロで、57.5キロ以上背負った馬は「0-1-2-8」といまだ勝っていない。

49㎏  3頭
50㎏  6頭
51㎏  18頭
52㎏  45頭
53㎏  50頭
54㎏ 137頭
55㎏  97頭
56㎏  33頭
57㎏  42頭

オープン24レースに限ると、斤量別成績は以下のとおり。

48㎏  0-0-0-3
49㎏  0-0-0-3
50㎏  0-0-0-6
51㎏  2-2-1-7
52㎏  0-0-1-4
53㎏  4-1-3-21
54㎏  8-5-6-75
55㎏  3-3-3-23
55.5㎏ 0-1-0-0
56㎏  6-9-7-115
56.5㎏ 0-1-0-0
57㎏  1-1-3-13
57.5㎏ 0-1-0-0
58㎏  0-0-0-5
59㎏  0-0-0-3

56.5キロ以上で3着以内に来た馬は以下のとおり。

02年駿風S     ジョンカラノテガミ 56.5㎏ 2着
08年アイビスSD  シンボリグラン   57㎏  2着
11年ルミエールS  シャウトライン   57㎏  3着
14年韋駄天S    アースソニック   57㎏  3着
15年韋駄天S    アースソニック   57㎏  3着
16年韋駄天S    ネロ        57.5㎏ 2着
16年ルミエールAD ラインスピリット  57㎏  1着

昔から斤量に関する格言はいくつかあるが、「短距離戦は斤量差が効く、長距離戦は効かない」もそのひとつ。JRA最短距離のレースはこれが如実に当てはまり、「重斤量馬不利=軽斤量馬有利」と言えるだろう。
直線競馬とは来年春までしばしお別れ。しかしこの格言、高松宮記念路線でも肝に銘じておいて損はなさそうだ。

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