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12/22/2016

幻の古馬王道

今年の香港国際競走には、計11頭もの日本馬が全4レースに参戦し、サトノクラウンが「ヴァーズ」を、モーリスが「カップ」を制覇。日本で馬券を買えるようになったこともあり、ファンは大いに楽しんだことだろう。
しかし、ひとたび国内の古馬中長距離路線に目を向けると、喜んでばかりもいられない。近10年の天皇賞秋出走馬のうち、同年のジャパンカップ出走馬、有馬記念出走馬、香港G1出走馬の頭数と、それぞれ3着以内に来た馬は以下のとおりである。

2007年
ジャパンC 7頭(アドマイヤムーン1着・ポップロック2着・メイショウサムソン3着)
有馬記念  7頭(マツリダゴッホ1着・ダイワメジャー3着)
香港カップ 1頭

2008年
ジャパンC 7頭(ディープスカイ2着・ウオッカ3着)
有馬記念  5頭(ダイワスカーレット1着・アドマイヤモナーク2着・エアシェイディ3着)

2009年
ジャパンC 8頭(ウオッカ1着・オウケンブルースリ2着)
有馬記念  4頭(ドリームジャーニー1着・エアシェイディ3着)

2010年
ジャパンC  4頭(ブエナビスタ2着)
有馬記念   3頭(ブエナビスタ2着)
香港ヴァーズ 1頭

2011年
ジャパンC 7頭(ブエナビスタ1着・トーセンジョーダン2着・ジャガーメイル3着)
有馬記念  7頭(エイシンフラッシュ2着・トゥザグローリー3着)

2012年
ジャパンC  6頭(ルーラーシップ3着)
有馬記念   8頭(ルーラーシップ3着)
香港ヴァーズ 1頭(ジャガーメイル2着)
香港マイル  1頭

2013年
ジャパンC 6頭(ジェンティルドンナ1着・トーセンジョーダン3着)
有馬記念  4頭
香港カップ 1頭(トウケイヘイロー2着)

2014年
ジャパンC 8頭(エピファネイア1着・スピルバーグ3着)
有馬記念  6頭(ジェンティルドンナ1着)

2015年
ジャパンC 8頭(ショウナンパンドラ1着・ラストインパクト2着・ラブリーデイ3着)
有馬記念  5頭

2016年
ジャパンC  2頭
有馬記念   3頭
香港ヴァーズ 1頭(サトノクラウン1着)
香港カップ  4頭(モーリス1着・ステファノス3着)
香港マイル  1頭

今年は、ジャパンカップ出走馬がわずか2頭、有馬記念出走予定馬も3頭にすぎず、計5頭は最少。対して、香港国際競走には「JC+有馬」を上回る6頭が出走。これは由々しき事態だろう。特に、天皇賞秋の1、3着馬がそのまま1、3着に来た「カップ」は、今後“2000mのジャパンカップ”と化すおそれあり、だ。
モーリスの勝利が象徴するように、天皇賞秋はいまや“マイル寄り”のレース。JRAが「3冠ボーナス」まで提供している「天皇賞秋→JC→有馬記念」の3連戦は、明らかに“王道”とは呼べなくなってきている。国際招待競走のジャパンカップはともかく、ドメスティックなグランプリが今後も1年総決算の祭典であり続けるためには、距離短縮が避けられないのではなかろうか…。

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12/15/2016

東西ともガチガチ決着

先週土曜のチャレンジカップは、ハンデ戦らしい大波乱。1~4番人気が馬券圏外に飛び、9番人気マイネルハニー→5番人気ベルーフ→11番人気ケイティープライドの決着で、3連複は7万馬券、3連単は47万馬券。9番人気馬の優勝は、「朝日チャレンジカップ」時代を含めても、ダイニカツフジの10番人気V(1953年)に次ぐ、史上2位の大金星だ。
しかし翌日曜の重賞は、一転、ガチガチ決着。東のカペラステークスも、西の阪神ジュベナイルフィリーズも、上位人気3頭が上位を独占した。86年以降、同日に行なわれたJRA平地重賞2レースの1~3着馬がどちらも1~3番人気だったのは、5年ぶり9例目。ダート戦が絡むのも、G1が絡むのも、これが初めてである。

87年4月5日
サンケイ大阪杯 3番人気ニシノライデン→1番人気クシロキング→2番人気タケノコマヨシ
日経賞     1番人気ミホシンザン→3番人気ジュサブロー→2番人気ダイナガリバー

88年9月25日
セントライト記念 2番人気ダイゴウシュール→3番人気キクカロイヤル→1番人気コクサイトリプル
函館3歳S    3番人気サザンビーナス→2番人気ライトカラー→1番人気クラシックブリッジ

89年10月8日
京都大賞典 1番人気スーパークリーク→2番人気ミスターシクレノン→3番人気ハツシバエース
毎日王冠  1番人気オグリキャップ→3番人気イナリワン→2番人気メジロアルダン

92年5月10日
京都4歳特別 1番人気ヒシマサル→3番人気ホクセツギンガ→2番人気ファンタジースズカ
NHK杯   1番人気ナリタタイセイ→3番人気マチカネタンホイザ→2番人気サクラセカイオー

99年4月4日
産経大阪杯  1番人気サイレントハンター→2番人気マチカネフクキタル→3番人気ミッドナイトベット
クリスタルC 2番人気タイキダイヤ→1番人気エターナルビート→3番人気タイキトレジャー

99年9月19日
神戸新聞杯  1番人気オースミブライト→3番人気フロンタルアタック→2番人気ラスカルスズカ
オールカマー 3番人気ホッカイルソー→2番人気ダイワオーシュウ→1番人気ダイワテキサス

07年2月17日
京都記念  2番人気アドマイヤムーン→1番人気ポップロック→3番人気トウショウナイト
クイーンS 3番人気イクスキューズ→1番人気カタマチボタン→2番人気ハロースピード

11年7月3日
ラジオNIKKEI賞 2番人気フレールジャック→3番人気マイネルラクリマ→1番人気カフナ
函館スプリントS 1番人気カレンチャン→3番人気テイエムオオタカ→2番人気アンシェルブルー

16年12月11日
阪神JF 1番人気ソウルスターリング→2番人気リスグラシュー→3番人気レーヌミノル
カペラS 3番人気ノボバカラ→2番人気ニシケンモノノフ→1番人気コーリンベリー

東西の2歳G1が、牡牝のチャンピオン決定戦に替わった91年以降、1~3番人気馬の上位独占はまだ4例しかない。

91年阪神3歳牝馬S
1番人気ニシノフラワー→3番人気サンエイサンキュー→2番人気シンコウラブリイ

99年阪神3歳牝馬S
1番人気ヤマカツスズラン→3番人気ゲイリーファンキー→2番人気マヤノメイビー

04年朝日杯FS
2番人気マイネルレコルト→3番人気ストーミーカフェ→1番人気ペールギュント

16年阪神JF
1番人気ソウルスターリング→2番人気リスグラシュー→3番人気レーヌミノル

過去3例の中では、91年のメンバーが飛び抜けてハイレベル。ニシノフラワーはその後、桜花賞とスプリンターズステークスを勝ち、サンエイサンキューはオークス2着、シンコウラブリイはマイルチャンピオンシップを制覇。今年の3頭も相当の器とみるが、はたして…。

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12/09/2016

連覇よりすごい2着3回

いまや完全に“ニッチ分野”となった長距離重賞は、毎度毎度似たような顔ぶれになるからだろう、近5年でなんと5頭もの連覇達成馬が誕生している。

天皇賞春    フェノーメノ (13~14年)
阪神大賞典   ゴールドシップ(13~15年・3連覇)
ダイヤモンドS フェイムゲーム(14~15年)
ステイヤーズS デスペラード (13~14年)
ステイヤーズS アルバート  (15~16年)

ステイヤーズステークスに至っては、目下4年、2頭連続。しかしそれ以上に今年の同レースで驚かされたのが、ファタモルガーナの「1年置き3回目の2着」。86年以降、同一JRA重賞で3回2着に来た馬は5頭いるが、1年置きで果たしたのは同馬しかいない。

ヤマニンフォックス 愛知杯     93年(5歳)・94年(6歳)・95年(7歳)
ロサード      北九州記念   00年(4歳)・01年(5歳)・02年(6歳)
トウショウナイト  日経賞     05年(4歳)・07年(6歳)・08年(7歳)
ワンダーアキュート JCダート   11年(5歳)・12年(6歳)・13年(7歳)
ファタモルガーナ  ステイヤーズS 12年(4歳)・14年(6歳)・16年(8歳)

ほかにもファタモルガーナは、いくつかの怪記録を保持している。
同馬は昨年のダイヤモンドステークスも2着に来ており、JRA芝3000m以上重賞の2着が通算4回。これは86年以降最多で、ほかには2着3回の馬もいないから(2着2回は22頭)、自身のレコードを更新ということになる。さらに同馬は、今年のダイヤモンドステークスで3着に来ており、JRA芝3000m以上重賞の2~3着が通算5回。これは86年以降、トウカイトリックの7回に次いで単独2位だ。
ディープインパクト産駒が長距離重賞を勝てないというジンクスは、サトノダイヤモンドの菊花賞制覇でついに破れ、通算「1-9-5-38」となった。そのうちなんと「0-4-1-3」がフォタモルガーナで、同馬の通算8戦は、サトノノブレス、ラストインパクトの4戦をダブルスコアで離すダントツ。中長距離の王道を歩むエリート産駒にはなし得ない芸当である。

去勢やら屈腱炎やらがあったため、8歳ながらキャリアはまだ24戦にすぎない、オールドタイプの晩成ステイヤー。12歳まで走り、通算63戦でJRA芝3000m以上重賞「3-2-5-17」のトウカイトリックにどこまで近づけるか、要注目だ。

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12/02/2016

希代の銀メダリスト

通算13戦でG1を3勝、G2を3勝。馬券にならなかったのはダービーだけ。4歳で総獲得賞金は早くも9億円を突破。今年のジャパンカップは、ついに誰もがキタサンブラックを超一流馬と認めざるを得なくなったレースと言えるのではなかろうか。
一方、同レースでそのキャラを誰もが再認識させられたであろう馬が、サウンズオブアース。5歳馬ながらまだ通算19戦で、なんと7回目の重賞2着。86年以降、JRA重賞で7回以上2着がある“シルバーコレクター”と、7回目達成時の重賞、勝利数は以下のとおり。

<8回>
ニッポーテイオー 88年京王杯SC(5歳) 19戦7勝
エアシェイディ  09年AJC杯(8歳)  30戦7勝

<7回>
ミスターシクレノン 91年鳴尾記念(6歳)  30戦4勝
カリブソング    93年金杯(東)(7歳)  35戦10勝
タイキブリザード  96年安田記念(5歳)  16戦4勝
ダンスパートナー  97年エリ女杯(5歳)  25戦4勝
エイシンバーリン  98年CBC賞(6歳)  27戦6勝
メジロブライト   99年京都大賞典(5歳) 22戦8勝
ステイゴールド   00年日経賞(6歳)   36戦3勝
ローレルゲレイロ  09年阪急杯(5歳)   22戦3勝
ブエナビスタ    11年宝塚記念(5歳)  20戦8勝
ウインバリアシオン 15年日経賞(7歳)   22戦4勝
サウンズオブアース 16年ジャパンC(5歳) 19戦2勝

サウンズオブアースよりも早い時期に7回目を達成した馬は、ニッポーテイオー、タイキブリザード、ダンスパートナー、メジロブライト、ローレルゲレイロ、ブエナビスタと6頭もいるが、サウンズオブアースより少ないキャリアで達成したのはタイキブリザードだけ。同馬の「16戦で重賞2着7回」は、おいそれと破れる記録ではあるまい。

サウンズオブアースが際立っているのは、上記13頭のうち唯一の2勝馬であること。「重賞未勝利で重賞2着7回」ならほかにステイゴールドもいるが、「通算2勝で重賞2着7回」は不滅の記録になるのではなかろうか。しかもこのレコード、まだ更新される可能性がある。次走は、昨年2着の有馬記念。2年連続8回目か、悲願の3勝目か、それとも…。

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