« January 2017 | Main | March 2017 »

02/23/2017

ハンデ差7キロのワンツー

長距離ハンデ重賞ダイヤモンドステークスを制したのは、単独最多3勝目を狙ったフェイムゲーム(3番人気6着)と並ぶトップハンデ、58キロを課された1番人気アルバート。2着は、サイモントルナーレ(13番人気14着)に次いで軽い51キロを背負った6番人気ラブラドライト。2頭のハンデ差はなんと7キロもあった。
“全頭横一線”のゴールを目指すハンディキャッパーにとって、この「重ハンデ馬と軽ハンデ馬のワンツー」は会心の決着に違いない。86年以降、7キロ以上の差がある2頭で決まったJRA平地ハンデ重賞は以下のとおり。赤字はトップハンデ、青字は最軽量ハンデでである。

<10㎏差>
00年新潟記念 1番人気ダイワテキサス(59kg)→9番人気モンレーブ(49キロ

<8㎏差>
86年新潟記念 3番人気ブラックスキー(57㎏)→12番人気ウメノフリート(49㎏
92年中京記念 2番人気ムービースター(57㎏)→7番人気ブレスレット(49㎏

<7.5㎏差>
91年目黒記念    3番人気カリブソング(60.5㎏)→9番人気トーワタケシバ(53㎏)
00年カブトヤマ記念 9番人気ヘッドシップ(50㎏)→1番人気ゴーイングスズカ(57.5㎏
07年目黒記念    1番人気ポップロック(58.5㎏)→4番人気ココナッツパンチ(51㎏)

<7㎏差>
88年目黒記念    6番人気メジロフルマー(52㎏)→1番人気メリーナイス(59㎏
89年ステイヤーズS 1番人気スルーオダイナ(59㎏)→7番人気シャイニングスター(52㎏)
90年ダイヤモンドS 1番人気スルーオダイナ(61㎏)→3番人気オンワードフォコン(54㎏)
91年金杯(東)   5番人気カリブソング(59㎏)→8番人気ハッピーシャトー(52㎏)
92年カブトヤマ記念 7番人気ワンモアラブウエイ(50㎏)→3番人気ハシノケンシロウ(57㎏
01年京都金杯    1番人気ダイタクリーヴァ(58㎏)→8番人気エリモセントラル(51㎏
03年中山金杯    1番人気トーホウシデン(57㎏)→12番人気トーアメイウン(50㎏
03年京成杯AH   6番人気ブレイクタイム(58㎏)→8番人気シベリアンホーク(51㎏)
09年日経新春杯   11番人気テイエムプリキュア(49㎏)3番人気ナムラマース(56㎏)
17年ダイヤモンドS 1番人気アルバート(58㎏)→6番人気ラブラドライト(51㎏)

昨今は、有力馬の参戦を促すため、いわゆる“酷量”が明らかに減っている。そのため、こうしたワンツーは珍しくなっており、今回の事例は09年の日経新春杯以来、実に8年ぶりのこと。00年新潟記念の「10キロ差ワンツー」などというのは、今や夢のまた夢(?)だろう。
別定G2を2勝、天皇賞春6着、有馬記念7着。そんな格上馬なら、ひと昔前は59キロというところではあるまいか…。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

02/17/2017

前途洋々アドマイヤミヤビ

好メンバーが顔を揃えたクイーンカップは、期待に違わぬハイレベル決着となった。アドマイヤミヤビの勝ちタイム「1分33秒2」は、昨年のメジャーエンブレムの「1分32秒5」に次いで歴代2位。指数化するとほぼ同等。ソウルスターリングとリスグラシューの2強ムードに待ったをかけるクラシック候補の誕生だ。
JRAで最も“能力検定”に相応しいコース、東京芝1600mの世代限定オープンを「1分33秒5」以下で勝った馬は、86年以降、のべ17頭を数えるが、そのうち14頭はNHKマイルカップの勝ち馬。他のレースでは以下の3頭だけである。

14/10/11 いちょうS クラリティスカイ  1分33秒5
16/02/13 クイーンC メジャーエンブレム 1分32秒5
17/02/11 クイーンC アドマイヤミヤビ  1分33秒2

クラリティスカイもメジャーエンブレムもその後NHKマイルカップを制した。距離延長歓迎のアドマイヤミヤビは、桜花賞のあとは東京芝2400mのG1へ向かうに違いない。もちろん有力候補として。

同馬の実績でもうひとつ目を引くのは、前走、2歳500万条件の百日草特別1着だ。00年以降、新馬と未勝利を除く2歳牡牝混合芝2000m戦を勝った牝馬は、以下の6頭しかいない。

02/12/07 エリカ賞  (阪神芝2000m)アドマイヤグルーヴ
02/12/22 ホープフルS(中山芝2000m)マイネヌーヴェル
07/12/08 エリカ賞  (阪神芝2000m)アルスノヴァ
11/12/11 エリカ賞  (阪神芝2000m)ヴィルシーナ
14/11/09 百日草特別 (東京芝2000m)ルージュバック
16/11/06 百日草特別 (東京芝2000m)アドマイヤミヤビ

当該レースがラストランとなったアルスノヴァ以外の5頭は、すべて翌年重賞ウィナーに。今後も、この「2歳牡牝混合500万条件以上芝2000m戦V」いうハードルをクリアした牝馬には要注意である。
ただし、残念ながらエリカ賞は現在行なわれていない。タヤスツヨシ、アドマイヤベガ、キングカメハメハ、エイシンフラッシュなども送り出した出世レースだが、ラジオNIKKEI杯が移行する形でG2に昇格した中山のホープフルステークスに有力馬を集めるため、15年から“休止”ということになっている。それに替わる阪神芝2000mの500万平場を制したのは、15年がサトノダイヤモンド、16年がダノンディスタンス。いずれこのレースを勝つ牝馬も現れるだろう。
14年から2000m戦になった百日草特別は、1800m戦の時代もしばしば大物を輩出していたが、牝馬の勝ち馬は2000m戦になってから。その1頭ルージュバックは、牝馬どうしのレースは5戦5敗なのに、重賞3勝含む全5勝を牡馬相手にあげている。牝馬相手にあっさり重賞初制覇を果たしたアドマイヤミヤビが女傑となる日も遠くないか…。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

02/09/2017

大本命馬共倒れ

86年以降、単勝1倍台の馬が敗退したJRA平地重賞は、計435レース。そのうち215レースは99年までの14年、残る220レースは00年以降の17年とひと月で発生しているから、昨今の大本命馬はひと昔前の大本命馬より信頼度は上と言えるだろう。それだけに、先週日曜のようなことは滅多にあるものではない。なんと単勝1倍台の馬が東西揃って敗退。本命党には悪夢のような日である。
86年以降、複数のJRA平地重賞で単勝1倍台の馬が敗退した日は、計21日。86年~99年が12日で、00年以降が9日だから、やはり昨今の方がひと昔前より少ない。その希少な9日は以下のとおりだ。

02年10月26日
武蔵野S ハギノハイグレイド 1.8倍6着 4番人気ダブルハピネス1着
スワンS モノポライザー   1.7倍5着 2番人気ショウナンカンプ1着

04年3月27日
日経賞 ゼンノロブロイ 1.1倍2着 2番人気ウインジェネラーレ1着
毎日杯 シェルゲーム  1.7倍2着 2番人気キングカメハメハ1着

05年12月18日
フェアリーS エイシンアモーレ 1.6倍8着 6番人気ダイワパッション1着
阪神牝馬S  ラインクラフト  1.6倍4着 2番人気アドマイヤグルーヴ1着

09年2月21日
クイーンC ミクロコスモス   1.7倍4着 4番人気ディアジーナ1着
京都記念  サクラメガワンダー 1.8倍2着 3番人気アサクサキングス1着

14年6月22日
函館SS   ストレイトガール  1.6倍11着 8番人気ガルボ1着
ユニコーンS アジアエクスプレス 1.3倍12着 3番人気レッドアルヴィス1着

15年2月15日
共同通信杯 ドゥラメンテ 1.8倍2着 3番人気リアルスティール1着
京都記念  ハープスター 1.8倍5着 3番人気ラブリーデイ1着

15年11月14日
武蔵野S     モーニン 1.7倍3着 2番人気ノンコノユメ1着
デイリー杯2歳S シュウジ 1.7倍2着 2番人気エアスピネル1着

16年8月21日
札幌記念  モーリス  1.6倍2着 5番人気ネオリアリズム1着
北九州記念 ベルカント 1.5倍2着 8番人気バクシンテイオー1着

17年2月5日
東京新聞杯 エアスピネル  1.8倍3着 3番人気ブラックスピネル1着
きさらぎ賞 サトノアーサー 1.4倍2着 6番人気アメリカズカップ1着

今週の重賞にも有力馬が参戦するが、どうやら3鞍とも「1強」ではなく「三つ巴」になりそう。クイーンカップはアドマイヤミヤビ&フローレスマジック&レーヌミノル、共同通信杯はエアウィンザー&スワーヴリチャード&ムーヴザワールド、京都記念はサトノクラウン&マカヒキ&ミッキーロケット。今週はさすがに3鞍とも伏兵が勝利するとは考えづらいが、はたして…。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

02/02/2017

砂の剃刀馬

芝と違ってダートはヨーイドンの瞬発力勝負になりづらい。86年以降、33秒台の上がりを繰り出した馬は以下の3頭だけだ。

33.7秒 ナガラオリオン  16年オータムリーフS(京都ダ1200m不)2着
33.8秒 マルカベンチャー 12年天保山S    (阪神ダ1200m稍)2着
33.9秒 トウカイチャーム 14年500万下平場   (函館ダ1000m重)9着

しかしこの3頭はすべて当該レースを負けている。しかも道悪。「1着時」に限ると最速馬は以下のとおり。

34.0秒 クリノビリオネア 09年1000万特別(札幌ダ1000m良)

驚くべきことに、このレースは良馬場。すなわち、クリノビリオネアがマークした「34.0秒」は、86年以降のダート勝ち馬による最速上がり3ハロン。その反動もあったか、同馬はこれが最後の勝ち星となり、準オープンでは掲示板すらなかったが、人知れず(?)歴史に名を留めているのである。
先週は重賞で、この「ダート超高速上がりV」を見ることができた。根岸ステークスを直線一気で制したカフジテイクの上がりは、なんと「34.5秒」。オープンクラスを高速上がりで勝ちきるのは当然、至難の業であり、34秒台の上がりで勝った馬は86年以降、31頭。良馬場に限ると、同馬がまだ13頭目だ。

34.3秒 ブロードアピール  00年根岸S     東京ダ1200m
    ブロードアピール  02年ガーネットS  東京ダ1200m

34.5秒 エスケーカントリー 08年ブリリアントS 東京ダ2100m
    カフジテイク    17年根岸S     東京ダ1400m

34.6秒 メイショウマシュウ 13年根岸S     東京ダ1400m

34.7秒 ノンコノユメ    15年青竜S     東京ダ1600m

34.8秒 ミリオンセンプー  90年白樺賞     札幌ダ1000m

34.9秒 エーコートランス  90年根岸S     東京ダ1200m
    ワールドワイド   11年天王山S    阪神ダ1200m
    シルクフォーチュン 11年プロキオンS  京都ダ1400m
    シルクフォーチュン 12年根岸S     東京ダ1400m
    ヴォーグトルネード 14年ブリリアントS 東京ダ2100m
    レーザーバレット  15年京葉S     中山ダ1200m

唯一の牝馬ブロードアピールは、最速の「34.3秒」をなんと2回もマーク。それも6歳時と8歳時。G1はJBCスプリント2着が最高だが、通算13勝、6歳以降に重賞6勝。歴史に残る名牝と言っていいだろう。
同馬にあと0.2秒まで迫ったカフジテイクの次走は、もちろんフェブラリーステークス。1ハロン延長のG1で再度「超高速上がりV」をやってのけたら途轍もない快挙だが、はたして…。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« January 2017 | Main | March 2017 »