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09/28/2017

またまた牡馬相手V

秋の古馬中長距離王道第1弾、オールカマーを制したのは、5歳牝馬ルージュバック。これで同馬は、牡牝混合戦で「6-0-0-4」、牝馬限定戦で「0-2-0-4」。牡馬相手にあげた6勝はすべて芝1800m以上戦。86年以降、芝1800m以上の牡牝混合戦で6勝以上あげた牝馬は、8勝のワコーチカコを筆頭に9頭を数えるが、それらの勝ち星がキャリアを通じての全勝ち星だった馬は3頭。そのうち重賞を勝っているのはルージュバックだけである。
同馬が獲得した重賞タイトルは、これが4つ目。もちろんすべて牡馬相手の芝1800m以上戦。86年以降、同条件の重賞(黒字はG3、青字はG2、赤字はG1)を3勝以上した牝馬は以下の10頭しかおらず、4勝は最多タイだ。

<4勝>
イクノディクタス 91年京阪杯 92年金鯱賞 92年小倉記念 92年オールカマー

ワコーチカコ   94年エプソムC 94年函館記念 95年金杯(西) 95年京都記念

エアグルーヴ   97年札幌記念 97年天皇賞秋 98年産経大阪杯 98年札幌記念

ルージュバック  15年きさらぎ賞 16年エプソムC 16年毎日王冠 17年オールカマー

<3勝>
ダイナファアリー  87年エプソムC 87年新潟記念 87年オールカマー

メジロモントレー  90年金杯(東) 90年アルゼンチン共和国杯 91年AJC杯

ヌエボトウショウ  91年朝日チャレンジC 92年北九州記念 92年愛知杯

ウオッカ      07年ダービー 08年天皇賞秋 09年ジャパンC

ブエナビスタ    10年京都記念 10年天皇賞秋 11年ジャパンC

ジェンティルドンナ 12年ジャパンC 13年ジャパンC 14年有馬記念

G1を勝った4頭はすべてクラシックホース。逆に、クラシックホース4頭のみG1を勝っている。ルージュバックが今後、天皇賞秋やJC、有馬記念を勝つのは正直、至難の業だが、実績を見るかぎり、次走に予定しているエリザベス女王杯よりチャンスはあるのではないか。
牡馬相手だと大いに燃え、牝馬同士だとやる気を出さない、ある意味“真の女傑”。こんな牝馬は二度と現れまい。

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09/21/2017

驚異の同一コース6勝

今年ここまで、3歳以上ダートオープンに参戦した3歳馬はわずか4頭。その4頭目、先週日曜の中山メイン、ラジオ日本賞に参戦したサンライズソアは、なみいる古馬を差し置いて1番人気に支持され、3着を確保した。他の3頭が、10番人気13着、5番人気4着、3番人気13着だから、サンライズソアの実績は抜けている。大物候補と言っていいだろう。
しかし、それ以上に目を引いたのが、勝った5歳馬センチュリオンの実績だ。同馬はこれで、中山ダート1800mでは「6-2-1-3」、他のコースでは「0-3-1-4」。ここまで極端な“スペシャリスト”も珍しい。ダートは芝よりコース数がはるかに少ないため、同一コースばかり使われる馬は少なくないが、6勝となると、86年以降では以下の5頭のみ。7勝以上した馬はまだいない。

京都ダート1800m
タマモルビーキング(未勝利→500→900→1600→1600→OP特別)
キクノグリッター (新馬→500→900→900→900→1000)

東京ダート1400m
トウショウギア(500→1000→1000→OP特別→OP特別→OP特別)

京都ダート1200m
マルカバッケン(未勝利→500→500→1000→1600→OP特別)

中山ダート1800m
センチュリオン(新馬→500→1000→1600→1600→OP特別)

一方、芝の同一コースで6勝した馬は2頭のみ。もちろん7勝以上した馬はいない。

小倉芝1800m
メイショウカイドウ(未勝利→500→1000→1600→G3→G3)

中山芝1200m
サクラバクシンオー(500→G3→OP特別→G1→G3→G1)

ハードルを5勝に下げると、以下の10頭が該当する。

小倉芝1200m
キョウワマグナム(未勝利→500→1000→1000→1600)
マンデームスメ (未勝利→500→1000→1600→OP特別)

東京芝1400m
トウショウリープ(未勝利→500→1000→1000→1600)
サクラゴスペル (新馬→1000→1600→1600→G2)

中山芝1600m
ミッドタウン(新馬→500→1000→OP特別→OP特別)

阪神芝2000m
イブキガバメント(900→900→1600→G3→G3)

函館芝1200m
ストレイトガール(500→500→1000→1600→OP特別)

中山芝2000m
ライズトゥフェイム(未勝利→500→1000→1000→1600)

福島芝2000m
ミスターブランディ(400→900→G3→OP特別→G3)

札幌芝1200m
ブリリアントグレイ(未勝利→500→500→1000→1000)

上記17頭のうち、なんとセンチュリオンだけが、新馬戦から全クラスを同一コースで勝っている。しかもこれが全勝ち星。もはや芸術的と言っていい離れ業だ。
残るは、中山ダート1800m唯一の重賞。来年も高松宮記念当日に行なわれるであろうマーチステークスに同馬が出走したら、個人的にはG1よりも注目度大。“画竜点睛”を期待したい。

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09/12/2017

大激戦トライアル

牡牝通じて最初の3歳3冠目トライアル、紫苑ステークスは、重賞に昇格した昨年から“切符”が1枚増えて、上位3頭に秋華賞優先出走権が与えられる。今年の上位3頭の「直前収得賞金」は、勝ち馬と3着馬が1500万、2着馬が900万。出走権だけでなく、2着馬にも加算される収得賞金もかけて、ハナ差+ハナ差の大激戦となった。
86年以降、1~3着が同タイムだった牝馬3冠トライアルと、3頭の本番成績は以下のとおり。

90年ローズS
7番人気1着カツノジョオー →エリザベス女王杯6番人気10着
10番人気2着イクノディクタス→エリザベス女王杯9番人気4着
5番人気3着トウショウアイ →エリザベス女王杯1番人気2着

97年4歳牝馬特別
1番人気1着オレンジピール  →オークス3番人気5着
3番人気2着ダイイチシガー  →オークス4番人気3着
7番人気3着グレースアドマイヤ→オークス不出走

00年紫苑S
4番人気1着メジロマリー   →秋華賞不出走
3番人気2着ジェミードレス  →秋華賞9番人気6着
5番人気3着サニーサイドアップ→秋華賞6番人気15着

08年チューリップ賞
5番人気1着エアパスカル→桜花賞7番人気9着
1番人気2着トールポピー→桜花賞1番人気8着
2番人気3着オディール →桜花賞3番人気12着

08年フィリーズレビュー
11番人気1着マイネレーツェル→桜花賞9番人気6着
7番人気2着ベストオブミー →桜花賞8番人気11着
4番人気3着レジネッタ   →桜花賞12番人気1着

10年フィリーズレビュー
9番人気1着サウンドバリアー →桜花賞14番人気16着
1番人気2着ラナンキュラス  →桜花賞7番人気17着
5番人気3着レディアルバローザ→桜花賞13番人気11着

11年フローラS
9番人気1着バウンシーチューン→オークス5番人気17着
15番人気2着マイネソルシエール→オークス16番人気12着
3番人気3着ピュアブリーゼ  →オークス8番人気2着

17年フローラS
12番人気1着モズカッチャン  →オークス6番人気2着
10番人気2着ヤマカツグレース →オークス10番人気18着
2番人気3着フローレスマジック→オークス5番人気6着

17年紫苑S
1番人気1着ディアドラ
6番人気2着カリビアンゴールド
4番人気3着ポールヴァンドル

権利取りで消耗したのだろう、今年のフローラステークスまでの1~3着馬で本番も馬券になったのは、22頭中5頭にすぎず、勝ったのはレジネッタだけ。ファンも心得たもので、22頭のうち本番で1~3番人気に支持されたのは4頭のみ。その4頭もすべて着順が人気を下回っている。今年の紫苑ステークス上位3頭も、秋華賞で有力視するのはリスクが高そうだ。
ちなみに牡馬の場合、「3冠トライアル同タイム1~3着馬」のうち2頭が本番でワンツーを果たしたケースが2例ある。

06年スプリングS
4番人気1着メイショウサムソン→皐月賞6番人気1着
1番人気2着フサイチリシャール→皐月賞3番人気5着
2番人気3着ドリームパスポート→皐月賞10番人気2着

14年神戸新聞杯
1番人気1着ワンアンドオンリー→菊花賞1番人気9着
8番人気2着サウンズオブアース→菊花賞4番人気2着
9番人気3着トーホウジャッカル→菊花賞3番人気1着

今週は阪神で、秋華賞トライアル第2弾、ローズステークス。今年も、関西の実績上位馬が多数参戦するため、「賞金不足馬」たちによる上位激戦となる可能性は低い。菊花賞トライアル第1弾のセントライト記念も、格下馬がアルアインとセダブリランテスの牙城を崩すのは難しそうだが、はたして…。

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09/07/2017

G1好走にリーチ

毎年のようにクラシック候補が誕生する世代最初の中距離重賞、札幌2歳ステークスを制したのは、ロックディスタウン。「1分51秒4」の勝ちタイムも「70-47」の決着指数も大したことはないが、牝馬が勝ったことには要注目。1200mから1800mに延長された97年以降では2頭目の快挙である。
しかも、13年のレッドリヴェールはマイネルフロスト(5着)に次ぐ2番人気だったが、ロックディスタウンは堂々1番人気。86年以降、2歳牡牝混合芝重賞を1番人気で勝った牝馬と、それらの2~3歳G1掲示板実績は以下のとおり。

アイドルマリー   88年デイリー杯3歳S→阪神3歳牝馬S3着
ニシノフラワー   91年デイリー杯3歳S→阪神3歳牝馬S1着・桜花賞1着
メローフルーツ   93年札幌3歳S   →桜花賞4着
プライムステージ  94年札幌3歳S   →桜花賞3着・オークス5着
シーキングザパール 96年デイリー杯3歳S→阪神3歳牝馬S4着・NHKマイルC1着
コウエイロマン   98年小倉3歳S
ゲイリーファンキー 99年新潟3歳S   →阪神3歳牝馬S2着
ステラリード    09年函館2歳S
シンメイフジ    09年新潟2歳S   →阪神JF5着
レーヴディソール  10年デイリー杯2歳S→阪神JF1着
クリスマス     13年函館2歳S   →阪神JF4着
ハープスター    13年新潟2歳S   →阪神JF2着・桜花賞1着・オークス2着
ブランボヌール   15年函館2歳S   →阪神JF3着
レーヌミノル    16年小倉2歳S   →阪神JF3着・桜花賞1着
ロックディスタウン 17年札幌2歳S

ロックディスタウン以前の14頭のうち、12頭がオークスまでのG1で掲示板に載り、9頭が3着以内、5頭が優勝。牡牝の力量差がまだ大きくない2歳時とはいえ、牝馬が牡馬相手に1番人気で重賞を勝つのは容易ではなく、それを果たした牝馬は地力上位と言っていい。ロックディスタウンが父オルフェーヴルに、重賞初タイトルに続いてG1初タイトルを贈っても驚けまい。

ロックディスタウンの目を引く実績はこれだけじゃない。同馬は前走、新潟芝1800mの新馬戦も1番人気で勝っている。86年以降、芝1800m以上で2勝した2歳牝馬は16頭を数えるが(3勝以上はゼロ)、1番人気でデビュー2連勝となると以下の4頭しかいない。

ネームヴァリュー  新馬戦(札幌芝1800m)→コスモス賞(札幌芝1800m)
アドマイヤグルーヴ 新馬戦(京都芝1800m)→エリカ賞 (阪神芝2000m)
ダイワスカーレット 新馬戦(京都芝2000m)→中京2歳S(中京芝1800m)
ロックディスタウン 新馬戦(新潟芝1800m)→札幌2歳S(札幌芝1800m)

ロックディスタウン以前の3頭はすべてG1ホース。やはりこの馬、大物の相があるようだ。

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