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10/24/2017

不良G1は1番人気を狙え

先週は大型台風の襲来により、開催も危ぶまれるほどの悪天候となったが、なんとか3場全レースを消化。その代償はもちろん極悪馬場。特に日曜は酷く、3場全レースが「雨」、東京と京都の全レースが「不良」で行なわれた。
86年以降、複数場で全レースが不良馬場となった日は、以下の11日。JRAの馬場管理技術が向上したおかげか、21世紀になってからは3日しかいない。3場全レースが不良だった89年2月18日のような日は、もう二度と来ないかもしれない。

86年03月23日 阪神12レース 小倉12レース 中山7レース
87年03月14日 阪神12レース 中京12レース 中山4レース
87年05月23日 東京12レース 阪神12レース 2場開催
89年02月18日 東京12レース 京都12レース 小倉12レース
89年02月25日 中山12レース 阪神12レース 2場開催
91年03月23日 中山12レース 京都12レース 2場開催
92年03月21日 中山12レース 中京12レース 阪神1レース
98年10月17日 東京12レース 京都12レース 福島10レース
02年01月27日 東京12レース 小倉12レース 京都8レース
11年05月29日 東京12レース 京都12レース 新潟2レース
17年10月22日 東京12レース 京都12レース 新潟3レース

上記11日のうちG1が開催されたのは、先週の日曜だけ。結果は典型的なヒモ荒れで、掲示板5頭は1→10→13→11→4番人気。この馬場だと、人気薄の好走より1番人気の快勝の方が意外に思えたファンは、穴党ならずとも少なくないだろう。しかし、86年以降、JRA芝G1における「馬場状態別1番人気成績」は以下のとおり。

良  勝率32.7% 連対率51.6% 複勝率64.7%
稍重 勝率34.6% 連対率53.8% 複勝率63.5%
重  勝率36.8% 連対率57.9% 複勝率68.4%
不良 勝率53.8% 連対率61.5% 複勝率69.2%

なんと、ほぼすべての数字が馬場悪化とともに向上している。芝の頂上決戦では、馬場状態が悪くなればなるほど、1番人気の信頼性が増すのだ。その極みである「不良G1」は以下の13レース。

89年皐月賞   サクラホクトオー 19着 3番人気ドクタースパート1着
91年天皇賞秋  メジロマックイーン1→18降着 3番人気プレクラスニー1着
93年マイルCS シンコウラブリイ 1着
97年桜花賞   キョウエイマーチ 1着
98年安田記念  タイキシャトル  1着
04年スプリンターズS サニングデール  9着 5番人気カルストンライトオ1着
07年スプリンターズS サンアディユ   2着 3番人気アストンマーチャン1着
09年ダービー  アンライバルド  12着 2番人気ロジユニヴァース1着
11年ダービー  オルフェーヴル  1着
13年菊花賞   エピファネイア  1着
14年高松宮記念 ストレイトガール 3着 3番人気コパノリチャード1着
14年安田記念  ジャスタウェイ  1着
17年菊花賞   キセキ      1着

斜行しなくても楽勝していたであろうメジロマックイーンを含めると、なんと8勝、勝率61.5%、複勝率76.9%。キセキの快勝は意外でもなんでもない。今年の菊花賞は、4.5倍もついた同馬の単勝こそが、最もシンプルな勝負馬券だったのである。

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10/18/2017

ディープ牝馬ノーメダル

ファーストクロップが3歳になった2011年の桜花賞から今年の秋華賞まで、ディープインパクトは牡牝3冠全レースに産駒を送り込んでいる。それだけでも凄いことだが、ここまでなんと17勝、6世代目で全6冠制覇。あのサンデーサイレンスが通算25勝、9世代目で全6冠制覇だから、父をも凌ぐクラシック血統と言っていいだろう。
そんな怪物サイアーも、今年の3歳牝馬はどうやら“谷間”。初めて無冠に終わったばかりか、3冠すべて3着以内に入れなかった。対して牡馬はここまで、無冠が3世代、全冠メダルなしが1世代。一覧は以下のとおりだ。

    桜花賞 オークス 秋華賞 皐月賞 ダービー 菊花賞
2011年             ③        ③
2012年 ②  ②   ②  ②③  
2013年 ②  ②③   ②           ②
2014年    ②    
2015年 ②③  ③      ②   ②    ②
2016年 ②   ③      ②③ ②③  
2017年                 ③    ?

年度別の詳細は以下のとおり。

2011年
桜花賞 1着マルセリーナ
皐月賞 3着ダノンバラード
菊花賞 3着トーセンラー

2012年
桜花賞  1着ジェンティルドンナ 2着ヴィルシーナ
オークス 1着ジェンティルドンナ 2着ヴィルシーナ
秋華賞  1着ジェンティルドンナ 2着ヴィルシーナ
皐月賞  2着ワールドエース   3着ディープブリランテ
ダービー 1着ディープブリランテ 3着トーセンホマレボシ

2013年
桜花賞  1着アユサン     2着レッドオーヴァル
オークス 2着エバーブロッサム 3着デニムアンドルビー
秋華賞  2着スマートレイアー
ダービー 1着キズナ
菊花賞  2着サトノノブレス

2014年
桜花賞  1着ハープスター
オークス 2着ハープスター
秋華賞  1着ショウナンパンドラ

2015年
桜花賞  2着クルミナル    3着コンテッサトゥーレ
オークス 1着ミッキークイーン 3着クルミナル
秋華賞  1着ミッキークイーン
皐月賞  2着リアルスティール
ダービー 2着サトノサーゼン
菊花賞  2着リアルスティール

2016年
桜花賞  2着シンハライト
オークス 1着シンハライト    3着ビッシュ
秋華賞  1着ヴィブロス
皐月賞  1着ディーマジェスティ 2着マカヒキ 3着サトノダイヤモンド
ダービー 1着マカヒキ 2着サトノダイヤモンド 3着ディーマジェスティ
菊花賞  1着サトノダイヤモンド

2017年
皐月賞  1着アルアイン
ダービー 3着アドミラブル
菊花賞  ?

牡馬がノーメダルに終わった14年、牝馬がノーメダルに終わった今年の1~3着馬とその父は以下のとおり。

2014年皐月賞
1着イスラボニータ  (フジキセキ)
2着トゥザワールド  (キングカメハメハ)
3着ウインフルブルーム(ハーツクライ)

2014年ダービー
1着ワンアンドオンリー(ハーツクライ)
2着イスラボニータ  (フジキセキ)
3着マイネルフロスト (ブラックタイド)

2014年菊花賞
1着トーホウジャッカル(スペシャルウィーク)
2着サウンズオブアース(ネオユニヴァース)
3着ゴールドアクター (スクリーンヒーロー)

2017年桜花賞
1着レーヌミノル   (ダイワメジャー)
2着リスグラシュー  (ハーツクライ)
3着ソウルスターリング(Frankel)

2017年オークス
1着ソウルスターリング(Frankel)
2着モズカッチャン  (ハービンジャー)
3着アドマイヤミヤビ (ハーツクライ)

2017年秋華賞
1着ディアドラ  (ハービンジャー)
2着リスグラシュー(ハーツクライ)
3着モズカッチャン(ハービンジャー)

今年の牡馬3冠目に登録しているディープインパクト産駒は4頭。メイショウテンシャは7分の1の抽選、前走1000万条件1着のポポカテペトルは人気薄、神戸新聞杯3着のサトノアーサーは伏兵、ダービー5着の皐月賞馬アルアインは上位人気。父にまた一歩近づく「V18」はなるか…。

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10/11/2017

3歳牝馬と7歳牝馬

秋の東京&京都開幕週を飾る古馬重賞、毎日王冠と京都大賞典。今年この2つの格高G2で主役を務めたのは牝馬だった。前者は1番人気が3歳牝馬、後者は勝ったのが7歳牝馬。どちらも大したものである。
86年以降、ハンデ戦を除く古馬牡牝混合重賞で1番人気に支持された日本の3歳牝馬は、以下ののべ16頭。1800m以上のG2以上に限ると、赤字の7頭しかいない。

ダイナファアリー  86年ダービー卿CT 11着
コスモドリーム   88年京都大賞典   2着
シンコウラブリイ  92年マイルCS   2着
ケイウーマン    93年セントウルS  2着
メジロドーベル   97年オールカマー  1着
ユウキャラット   02年中日新聞杯   6着
ファインモーション 02年有馬記念    5着
ウオッカ      07年宝塚記念    8着
アストンマーチャン 07年スワンS    14着
エイムアットビップ 08年アイビスSD  16着
グランプリエンゼル 09年函館SS    1着
グランプリエンゼル 09年キーンランドC 4着
ブエナビスタ    09年札幌記念    2着
ブエナビスタ    09年有馬記念    2着
ビウイッチアス   12年アイビスSD  10着
ソウルスターリング 17年毎日王冠    8着

大物たちが名を連ねるが、人気先行傾向は否めない。16頭のうち、馬券になったのは7頭、勝ったのはメジロドーベルとグランプリエンゼルのみ。ソウルスターリングの8着を悲観する必要はあるまい。

3歳馬の毎日王冠1番人気は大方の予想どおり。しかし、7歳馬が京都大賞典を勝ち切ったのは、4番人気とはいえ、個人的には想定外に近かった。
86年以降、7歳以上で牡牝混合重賞を勝った牝馬は以下の3頭のみ。芝重賞制覇はスマートレイアーが初である。

ブロードアピール 01年プロキオンS  01年シリウスS   02年ガーネットS
コウエイトライ  08年阪神ジャンプS 10年新潟ジャンプS 10年阪神ジャンプS
スマートレイアー 17年京都大賞典

ハンデ戦を除く牡牝混合芝重賞を勝つのは、6歳牝馬にとっても至難の業。86年以降、外国馬ホーリックスを除くと15頭、1600m以上戦では以下の5頭しかいない。

トウカイローマン  87年京都大賞典
ドウカンジョー   90年中日新聞杯
フミノイマージン  12年札幌記念
ホエールキャプチャ 14年東京新聞杯
スマートレイアー  16年東京新聞杯

6歳と7歳で勝っているスマートレイアーは異次元の晩成牝馬。今後はエリザベス女王杯から香港カップor香港ヴァーズとのこと。香港はさすがに相手が強いだろうが、ストレイトガールに次ぐ史上2頭目の「7歳牝馬によるJRA・G1V」にはリーチをかけたと言えそうだ。

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10/06/2017

9歳馬4着の快挙

下半期G1第1弾はなんと9着までが0.3秒内にひしめく大激戦となったが、勝ったのは順当に1番人気。レッドファルクスが、サクラバクシンオー、ロードカナロアに次ぐ史上3頭目の連覇を達成した。しかし、個人的にはそれ以上のビッグニュースだったのが、9歳馬の大激走。後方最内でジッと脚を溜め、内埒沿いからロスなく直線一気。3年前の覇者スノードラゴンが、レッドファルクスと0.1秒差、3着ワンスインナムーンと同タイムの4着まで押し上げた。
86年以降、JRA平地G1に出走した9歳以上馬はのべ43頭。うち40頭は二桁人気、28頭は二桁着順。掲示板に載ったのは以下の3頭だけで、スノードラゴンの4着はレコードである。

リミットレスビッド 08年フェブラリーS  5着
トウカイトリック  11年天皇賞春     5着
スノードラゴン   17年スプリンターズS 4着

スノードラゴンは今春の高松宮記念にも出走し、11番人気で7着。86年以降、JRA平地G1に2回以上出走した9歳以上馬は同馬が10頭目。ひと桁着順2回は、トウカイトリック、ワンダーアキュートに次いで3頭目である。

<3回>
トウカイトリック  11年天皇賞春5着 12年天皇賞春8着 13年天皇賞春11着

<2回>
ドージマムテキ   99年フェブラリーS 16着 99年高松宮記念    16着
ノボトゥルー    05年フェブラリーS 14着 08年フェブラリーS  14着
リミットレスビッド 08年フェブラリーS 5着 08年高松宮記念    11着
トーセンブライト  10年フェブラリーS 8着 10年JCダート    13着
サンダルフォン   12年高松宮記念   16着 12年スプリンターズS 13着
ネヴァブション   12年天皇賞秋    14着 12年有馬記念     15着
ジャガーメイル   13年天皇賞春    6着 14年天皇賞春     16着
ワンダーアキュート 15年フェブラリーS 9着 15年チャンピオンズC 6着
スノードラゴン   17年高松宮記念   7着 17年スプリンターズS 4着

かの岡田繁幸氏の実弟である岡田牧雄オーナーは、マツリダゴッホ、スマートファルコン、サウンドトゥルーなどを生産した岡田スタッドの代表にして、個人名義、家族名義、共同所有、一口クラブなどで100頭以上を保有している大馬主。黒字だと公言するその馬主業のモットーは「安く仕入れて、長く、多く走らせる」。募集価格が1,200万円(レックスオーナーズクラブPRO)で通算51戦、総獲得賞金3億7千万円以上というスノードラゴンは、同オーナーを象徴する出世頭だ。
次走は、昨年大敗したマイルチャンピオンシップではなく、12月10日の中山ダート1200mG3、カペラステークスとのこと。トウカイトリックに並ぶ“3回目”は、来年の高松宮記念か。アサカディフィート(08年小倉大賞典)、トウカイトリック(12年ステイヤーズS)に次ぐ「10歳馬のJRA平地重賞V」と合わせて期待したい。

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