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06/27/2018

大幅減より大幅増

上半期総決算レースは「7→10→12」番人気という大波乱決着。「よくわからん混戦だから、よくわからん外国馬から手広く流す」という大雑把な穴狙いが正解だったか(笑)。
しかしこの外国馬ワーザーを狙っていた穴党も、当日の馬体重を見たときはさぞビビッたことだろう。前走、香港でのG3からなんと「27キロ減」。その前走は前々走から「2キロ減」なので、増えていたのが絞れたわけでもなし。南半球時代の馬体重は不明だが、香港に移籍してからはぶっちぎりの自己最低馬体重だった。

JRA平地重賞においては、一般的に「大幅減」より「大幅増」の方が走る傾向にある。00年以降の同重賞連対馬(前走がデビュー戦だった馬を除く)のうち、「前走から20キロ以上減」の馬(前走が前々走から10キロ以上増だった馬を除く)と、「前走から20キロ以上増」の馬(前走が前々走から10キロ以上減だった馬を除く)は以下のとおり。

20キロ以上減
ティコティコタック 00年秋華賞(1着)   20キロ減
ダイワテキサス   01年金鯱賞(2着)   24キロ減
メイショウカイドウ 05年北九州記念(1着) 20キロ減
ヤマニンキングリー 09年札幌記念(1着)  20キロ減
ミッキークイーン  15年クイーンC(2着) 20キロ減
クイーンズリング  15年フィリーズR(1着)20キロ減
ワーザー      18年宝塚記念(2着)  27キロ減

20キロ以上増
トロットスター   01年スプリンターズS(1着)24キロ増
テイエムオーシャン 02年札幌記念(1着)    38キロ増
カフェボストニアン 02年CBC賞(2着)    22キロ増
バランスオブゲーム 03年中山記念(2着)    24キロ増
クラフトワーク   04年東京新聞杯(2着)   20キロ増
マイネヌーヴェル  04年福島牝馬S(2着)   22キロ増
ヴァーミリアン   06年平安S(2着)     20キロ増
アドマイヤフジ   08年京都記念(2着)    20キロ増
スリープレスナイト 09年セントウルS(2着)  22キロ増
ワイルドラズベリー 10年ローズS(2着)    20キロ増
ローズキングダム  10年神戸新聞杯(1着)   22キロ増
オウケンブルースリ 10年京都大賞典(2着)   22キロ増
アイムユアーズ   12年クイーンS(1着)   24キロ増
サトノノブレス   14年日経新春杯(1着)   20キロ増
コーリンベリー   14年ユニコーンS(2着)  20キロ増
バウンスシャッセ  16年愛知杯(1着)     22キロ増
ブランボヌール   16年キーンランドC(1着) 20キロ増
ヤマカツエース   16年金鯱賞(1着)     20キロ増
プロディガルサン  17年東京新聞杯(2着)   22キロ増
エポワス      17年キーンランドC(1着) 20キロ増

「大幅減<大幅増」の原因はいろいろ考えられるが、つまるところ、“アスリート”の体重は減るより増えた方がいい、ということだろう。人間の場合、運動不足による体重増は往々にして「不健康」に直結するが、トレーニングを積みながらの体重増は「パワーアップ」とみなされる。競走馬にも同様のことが言えるのではないだろうか。もちろん馬のタイプにもよるが、大幅増の馬をハナから軽視するのは得策ではない。

結論、異国の地で27キロも減りながら2着に来たワイザーは大したものである。

今週は、ラジオNIKKEI賞に出走予定のエイムアンドエンドに注目。「8キロ減で3着に来た共同通信杯以来、4か月半以上の休み明け」という臨戦過程は、大幅増で好走の可能性を大いに感じさせるが、はたして…。

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06/21/2018

前走障害の平地オープンウィナー

17日の重賞は、ルヴァンスレーヴが圧勝したユニコーンステークスと、セイウンコウセイが復活Vを果たした函館スプリントステークス。どちらも“見出しになる”決着だったが、個人的には阪神のメインレースの方がはるかに印象に残った。
芝1600mの古馬オープン特別、米子ステークス。キャリア初の逃げを打ったベステンダンクが、阪神芝1600mのタイレコードで5馬身差V。これほど圧倒的な勝ち方をした馬の前走は、なんと障害戦だった。ぶったまげないわけにはいかない。86年以降、いわゆる“障害帰り”のJRA平地オープン勝ち馬は以下の3頭だけである。

テンジンショウグン
98/3/14阪神障害ステークス(春)9着→98/3/29日経賞1着(12頭立て12番人気)

サクラアルディート
15/5/31障害未勝利10着→15/7/26福島テレビオープン1着(12頭立て10番人気)

ベステンダンク
18/3/17障害未勝利4着→18/6/17米子ステークス1着(12頭立て9番人気)

テンジンショウグンは平地でオープン入り後、21連敗を喫し、7歳夏に障害転向。わずか4戦でオープンに上がったが、重賞を競走中止、9着と連敗したところで平地に戻った。中1週、シンガリ人気で勝った日経賞は、奇しくも、その2年前もシンガリ人気で穴を開けた(3着)レース。8歳で歴史的大金星をあげたあとは、4戦連続二桁着順で引退した。

サクラアルディートはサクラチヨノオーの甥、サクラプレジデントの半弟、父ディープインパクトという良血だ。4歳の暮れに平地でオープン入り後、16連敗を喫し、7歳春に障害転向。しかし初戦を10着に大敗するとすぐに平地へ再転向。唯一の障害戦は、オープン初勝利への叩き台として使った可能性が高い。続く札幌記念を10着に敗れるとあっさり引退した。

ベステンダンクの平地オープン初戦は奇しくも昨年の米子ステークスで、10頭立ての8着。その後、暮れまでの3戦をすべて二桁着順に敗れると、障害転向。今年2月と3月の未勝利戦は連続4着とまずまずだったが、これでまた色気が出たか、平地にカムバック。その初戦でまさかの圧勝劇を見せつけた。「1分31秒9」の勝ちタイムは、これまた奇しくも、昨年の米子ステークスに並ぶタイレコード。まだ6歳の同馬にはぜひ、メジロパーマー、テンジンショウグンに続く「障害帰りの平地重賞ウィナー」を目指してもらいたい。

今週の障害重賞、東京ジャンプステークスに参戦するタイセイドリームは、平地→障害→平地→障害という、ユニークなキャリア。もっとも、シンガリ16着に敗れた平地準オープンの前走は、屈腱炎明けの足ならし。サクラアルディートと逆パターンで、2つ目の障害重賞タイトルを獲りにきた、とみるがはたして…。

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06/13/2018

1.1倍と6.0倍

6月10日、阪神芝1600mの新馬戦を勝ったのは、ロードカナロア×シーザリオの評判馬、サートゥルナーリア。血統、馬体、調教の三拍子が揃った同馬の単勝オッズは、なんと1.1倍だった。
86年以降、2歳新馬戦(デビュー戦のみ・02年までの「折り返しの新馬戦」を除く)を単勝1.0~1.1倍で勝った馬は、同馬が26頭目。うち以下の9頭がその後JRA重賞を、うち赤字の5頭がJRA・G1を制している。奇しくも、6月10日のエプソムカップで重賞初勝利をあげたサトノアーサーは、サートゥルナーリアの直前に2歳新馬戦を1.1倍で勝った“25頭目”である。

87/08/08 函館芝1000m サクラチヨノオー  1.0倍
92/10/17 東京ダ1400m ダンツシアトル   1.1倍
97/07/06 函館芝1200m マイネルラヴ    1.1倍
97/07/20 新潟芝1200m アイアムザプリンス 1.1倍
98/10/10 東京芝1400m メジロダーリング  1.1倍
01/12/01 阪神芝2000m ファインモーション 1.1倍
04/12/19 阪神芝2000m ディープインパクト 1.1倍
05/09/11 阪神芝2000m マルカシェンク   1.1倍
16/10/01 阪神芝2000m サトノアーサー   1.1倍

サートゥルナーリア以前の25頭のうち9頭が重賞ウィナー、5頭がG1ウィナー、2頭がダービー馬というのは、確率的にはなかなかのもの。まだキャリア11戦のサトノアーサー、大物感満点のサートゥルナーリアが、6頭目、7頭目のG1ウィナーとなる可能性も十分だ。

先週の日曜は、もうひとつ驚くべき数字に出くわした。阪神のメインレース、マーメイドステークスの単勝1番人気オッズが、なんと6.0倍! 86年以降、単勝1番人気のオッズが6倍以上だったJRA重賞は以下の9レース。当然と言うべきか、すべてハンデ戦だが、牝馬限定戦はこれが初である。

94年中京記念    ワンモアラブウエイ 6.0倍 9着
97年中京記念    ザフォリア     6.0倍 12着
02年函館記念    メイショウラムセス 6.0倍 6着
07年新潟大賞典   サイレントプライド 6.0倍 2着
09年ダービー卿CT タケミカヅチ    6.7倍 1着
09年新潟記念    アルコセニョーラ  6.3倍 5着
10年七夕賞     サイライズベガ   6.3倍 3着
15年新潟記念    ミュゼスルタン   6.1倍 16着
18年マーメイドS  レイホーロマンス  6.0倍 6着

マーメイドステークスは、個人的には難解すぎて馬券対象外のレースだったが、レイホーロマンスの単勝オッズからは目が離せなかった。締め切り直前は5.8倍くらいだったので諦めかけていたところ、最後の最後で盛り返し(?)、きっちり6倍で確定。マニア心は満たされた。万歳!

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06/07/2018

同一世代掲示板独占

一昨年は8番人気、昨年は7番人気、そして今年は9番人気が制した安田記念。3年連続のこの波乱は歴史的と言っていい。JRA史上、同一G1を7番人気以下が3連勝したのは、以下の4例だけである。

皐月賞
16年 ロゴタイプ  8番人気
17年 アルアイン  9番人気
18年 エポカドーロ 7番人気

天皇賞春
03年 ヒシミラクル    7番人気
04年 イングランディーレ 10番人気
05年 スズカマンボ    13番人気

安田記念
00年 フェアリーキングプローン 10番人気
01年 ブラックホーク      9番人気
02年 アドマイヤコジーン    7番人気

16年 ロゴタイプ   8番人気
17年 サトノアラジン 7番人気
18年 モズアスコット 9番人気

4例中2例は今年達成されたもの。気は早いが、来年、史上単独最長の「4年連続」はなるか、要注目だ。

今年の安田記念ではもうひとつマニアックな記録が達成された。掲示板5頭がなんとすべて4歳馬。グレード制導入以降、1~5着を同一世代(外国馬を除く)が独占したJRA古馬G1は、以下の4レースだけである。

89年天皇賞秋
1着 4歳スーパークリーク 2番人気
2着 4歳オグリキャップ  1番人気
3着 4歳メジロアルダン  3番人気
4着 4歳ヤエノムテキ   6番人気
5着 4歳キリパワー    13番人気

07年ジャパンカップダート
1着 5歳ヴァーミリアン   1番人気
2着 5歳フィールドルージュ 6番人気
3着 5歳サンライズバッカス 7番人気
4着 5歳メイショウトウコン 4番人気
5着 5歳ワイルドワンダー  8番人気

13年安田記念
1着 5歳ロードカナロア   1番人気
2着 5歳ショウナンマイティ 3番人気
3着 5歳ダノンシャーク   12番人気
4着 5歳マイネイサベル   15番人気
5着 5歳サクラゴスペル   16番人気

18年安田記念
1着 4歳モズアスコット   9番人気
2着 4歳アエロリット    5番人気
3着 4歳スワーヴリチャード 1番人気
4着 4歳サトノアレス    7番人気
5着 4歳サングレーザー   3番人気

当然と言えば当然だが、上記4例はすべて4歳世代か5歳世代で果たされている。来たる宝塚記念は大物が続々と回避を表明しているため、掲示板独占の可能性があるのは、サトノダイヤモンド、ヴィブロス、ミッキーロケット、ストロングタイタン、ノーブルマーズあたりが出走予定の5歳世代のみ。他の世代ではキセキ、ダンビュライト、サトノクラウン、パフォーマプロミスあたりが有力視されそうだが、はたして…。

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06/01/2018

1~3番人気全滅ダービー

平成最後の日本ダービーは、5→4→16番人気で3連単2,856,300円、という大波乱。福永の初戴冠と合わせ、まさに歴史的な結果となった。
86年以降、1~3番人気がすべて4着以下に敗れた3歳3冠は17レース。うち10レースは牝馬3冠。牡馬3冠の7レースは以下のとおりである。

87年ダービー
1番人気マティリアル →18着  1着4番人気メリーナイス
2番人気ゴールドシチー→4着  2着22番人気サニースワロー
3番人気ダイゴアルファ→20着  3着5番人気ニホンピロマーチ

97年皐月賞
1番人気メジロブライト →4着  1着11番人気サニーブライアン
2番人気ランニングゲイル→6着  2着10番人気シルクライトニング
3番人気ヒダカブライアン→13着  3着12番人気フジヤマビザン

04年菊花賞
1番人気ハーツクライ →7着  1着8番人気デルタブルース
2番人気コスモバルク →4着  2着4番人気ホオキパウェーブ
3番人気ハイアーゲーム→11着  3着6番人気オペラシチー

09年菊花賞
1番人気リーチザクラウン→5着  1着8番人気スリーロールス
2番人気イコピコ    →4着  2着7番人気フォゲッタブル
3番人気アンライバルド →15着  3着6番人気セイウンワンダー

17年皐月賞
1番人気ファンディーナ  →7着  1着9番人気アルアイン
2番人気スワーヴリチャード→6着  2着4番人気ペルシアンナイト
3番人気カデナ      →9着  3着12番人気ダンビュライト

18年皐月賞
1番人気ワグネリアン   →7着  1着7番人気エポカドーロ
2番人気ステルヴィオ   →4着  2着9番人気サンリヴァル
3番人気キタノコマンドール→5着  3着8番人気ジェネラーレウーノ

18年ダービー
1番人気ダノンプレミアム →6着  1着5番人気ワグネリアン
2番人気ブラストワンピース→5着  2着4番人気エポカドーロ
3番人気キタノコマンドール→12着  3着16番人気コズミックフォース

7レースのうち3レースは近2年であることに要注目。皐月賞は2年連続、今年は2冠連続。穴党にとっては歓迎すべき傾向だろう。

今年の大波乱決着は、いくつもの「人気の盲点」が重なった結果だ。すなわち、休み明けが1番人気、キャリア3戦馬が2、3番人気、皐月賞2馬身差快勝馬が4番人気、皐月賞1番人気馬が5番人気、トライアル1番人気V馬が16番人気。
中でも、大方のファンの“死角”に入っていたのが、コズミックフォース。本番と相性が悪いトライアルの勝ち馬とはいえ、結果的に3着に来た馬が「単勝223.7倍の16番人気」というのは、いくらなんでも人気なさすぎた。
86年以降、ダービー本番で単勝万馬券だったトライアルウィナーは以下の4頭のみ。コズミックフォースは唯一トライアルを1番人気で勝ちながら、人気・単勝オッズとも最低記録を更新したのだから、首を傾げるほかない。

エイシンニーザン
05年プリンシパルS9番人気1着→ダービー15番人気(138.1倍)7着

ヴィクトリーラン
06年プリンシパルS5番人気1着→ダービー12番人気(100.7倍)競走中止

アジュールローズ
16年プリンシパルS7番人気1着→ダービー13番人気(159.4倍)12着

コズミックフォース
18年プリンシパルS1番人気1着→ダービー16番人気(223.7倍)3着

JRA・G1で単勝200倍以上の馬が馬券になることも、異例の事態だ。86年以降では以下の7レースのみ。フルゲートが18頭となって以降の3歳3冠では、初のことである。

87年ダービー     2着サニースワロー   225.4倍(24頭立て22番人気)
89年エリザベス女王杯 1着サンドピアリス   430.6倍(20頭立て20番人気)
94年スプリンターズS 3着キョウエイキーマン 247.5倍(14頭立て13番人気)
00年スプリンターズS 1着ダイタクヤマト   257.5倍(16頭立て16番人気)
14年フェブラリーS  1着コパノリッキー   272.1倍(16頭立て16番人気)
15年ヴィクトリアM  3着ミナレット     291.8倍(18頭立て18番人気)
18年ダービー     3着コズミックフォース 223.7倍(18頭立て16番人気)

サニースワローがダービーで大穴を開けた87年は、菊花賞も波乱決着。休み明けの皐月賞馬サクラスターオーが9番人気で2冠を達成し、皐月賞2着・ダービー4着の2番人気ゴールドシチーが2着、皐月賞9着・ダービー不出走の11番人気ユーワジェームスが3着。単枠指定(!)のダービー馬メリーナイスは1番人気で9着に完敗した。
ワグネリアンが回避濃厚とされる今年の菊花賞も、皐月賞馬に要注意か…。

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