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12/24/2018

価値ある古馬重賞2勝

2週前の当コラムは現3歳世代の活躍をテーマにし、有馬記念はブラストワンピースにかかる期待が大きい、と締め括ったところ、同馬はその期待にキッチリ応えてくれた(笑)。
これでますます興味深くなってきたのが、JRA賞「最優秀3歳牡馬」の行方。個人的にはルヴァンスレーヴが一推しだが、芝偏重ならエポカドーロ、ワグネリアン、ステルヴィオ、ブラストワンピースの争い。中では、グランプリホースが一歩リードとみるべきだろう。
というのも同馬は、クラシック2戦を5、4着に敗れたものの、有馬記念に加えてもうひとつ古馬重賞を勝っているからだ。86年以降、JRA3歳以上平地重賞を2勝以上した3歳馬は以下の15頭。

<3勝>
オグリキャップ 88年高松宮杯(芝2000m)・毎日王冠(芝1800m)・有馬記念(芝2500m
タイキシャトル 97年スワンS(芝1400m)・マイルCS(芝1600m)・スプリンターズS(芝1200m)

<2勝>
ニッポーテイオー  86年函館記念(芝2000m)・スワンS(芝1400m)
サッカーボーイ   88年函館記念(芝2000m)・マイルCS(芝1600m)
ナイスネイチャ   91年小倉記念(芝2000m)・鳴尾記念(芝2500m
ノースフライト   93年府中牝馬S(芝1600m)・阪神牝馬特別(芝2000m
ヒシアケボノ    95年スワンS(芝1400m)・スプリンターズS(芝1200m)
ヒシナタリー    96年小倉記念(芝2000m)・阪神牝馬特別(芝1600m)
シルクジャスティス 97年京都大賞典(芝2400m)・有馬記念(芝2500m
マイネルラヴ    98年セントウルS(芝1400m)・スプリンターズS(芝1200m)
クロフネ      01年武蔵野S(ダ1600m)・JCダート(ダ2100m
サニングデール   02年函館スプリントS(芝1200m)・CBC賞(芝1200m)
シンボリクリスエス 02年天皇賞秋(芝2000m)・有馬記念(芝2500m
ワンダーアキュート 09年シリウスS(ダ2000m)・武蔵野S(ダ1600m)
ブラストワンピース 18年新潟記念(芝2000m)・有馬記念(芝2500m

上記15頭による計32勝のうち15勝はマイル以下でマーク。2000m以上で2勝したのは、オグリキャップ、ナイスネイチャ、シルクジャスティス、シンボリクリスエス、ブラストワンピースの5頭のみ。オグリキャップとシンボリクリスエスは歴史に残る名馬に、ナイスネイチャはG1善戦マンの代名詞に、シルクジャスティスは3歳の有馬記念が最後の勝ち星になったが、ブラストワンピースははたして…。

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12/19/2018

牝馬Vならずも4戦4勝の快挙

2歳マイルG1が実質的に牡馬と牝馬のチャンピオン決定戦に変更された91年以降、牝馬による初の朝日杯制覇に挑んだグランアレグリア。単勝なんと1.5倍という大本命は、しかし、まさかの3着完敗を喫してしまった。
86年以降、JRA牡牝混合重賞で1番人気に支持された牝馬はのべ408頭。G1に限ると58頭。G1で単勝1倍台となると以下の8頭しかおらず、連を外したのはグランアレグリアが初となった。

アイドルマリー  88年阪神3歳S 1.5倍 2着
ダイイチルビー  91年マイルCS 1.8倍 2着
ノースフライト  94年マイルCS 1.7倍 1着
ウオッカ     09年安田記念  1.8倍 1着
ブエナビスタ   10年ジャパンC 1.9倍 1→2位降着
ブエナビスタ   10年有馬記念  1.7倍 2着
アーモンドアイ  18年ジャパンC 1.4倍 1着
グランアレグリア 18年朝日杯FS 1.5倍 3着

女傑候補を真向勝負で負かしたのは、新馬からマイルで3連勝を果たしながら2番人気に甘んじた牡馬。「牝馬V」の快挙はならなかったが、このアドマイヤマーズの「4戦無敗V」も並外れた実績だ。86年以降、2歳戦で4勝をあげた馬は17頭(5勝以上はゼロ)。4戦4勝となると以下の4頭だけである。

ニシノフラワー   新馬→札幌3歳S→デイリー杯3歳S→阪神3歳S
グラスワンダー   新馬→アイビーS→京成杯3歳S  →朝日杯3歳S
ピースオブワールド 新馬→かえで賞 →ファンタジーS →阪神JF
アドマイヤマーズ  新馬→中京2歳S→デイリー杯2歳S→朝日杯FS

4頭すべて4戦目でG1を制覇。ピースオブワールドは翌年2月に骨折し、その後は2歳時の輝きを取り戻せなかったが、ニシノフラワーとグラスワンダーは3歳以降もG1を勝った。アドマイヤマーズも無事なら前途は洋々だろう。
しかし、このパーフェクト実績をもってしても確実視できないのが「最優秀2歳牡馬」のタイトル。オーラスのG1ホープフルステークスをサートゥルナーリアが圧勝するか、ニシノデイジーが勝って重賞3連勝を果たせば、どう転ぶから分からない。前者の場合、デムーロの“選択”にも注目だ。

ちなみに、2歳5戦5勝を逃した馬は2頭いる。キタサンヒボタン(新馬→500万→すずらん賞→ファンタジーS→阪神JF4着)と、メイショウボーラー(新馬→フェニックス賞→小倉2歳S→デイリー杯2歳S→朝日杯FS2着)だ。特に、全5戦1番人気に支持され、朝日杯FSはコスモサンビームとクビ差だった後者は、惜しいとしか言いようがない。

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12/13/2018

3歳世代大爆発

先週のG1は2歳牝馬戦だったが、それ以外のオープン競走5レースは3歳以上戦。そのすべてを3歳馬が勝ってしまった。これはすごい。
86年以降、3歳馬が古馬オープンを4勝以上した週は、以下の4週のみ。5勝は初の快挙である。

1988年12月24日・25日
クリスマスS トウショウマリオ
六甲S    ディクターランド
有馬記念   オグリキャップ
阪神牝馬特別 リキアイノーザン

1994年12月10日・11日
ステイヤーズS   エアダブリン
鳴尾記念      スターマン
愛知杯       テンザンユタカ
ポートアイランドS フィールドボンバー

2001年11月24日・25日
ジャパンカップダート クロフネ
京阪杯        テンザンセイザ
ジャパンカップ    ジャングルポケット
アンドロメダS    テンシノキセキ

2018年12月8日・9日
師走S   テーオーエナジー
障害OP  ハルキストン
中日新聞杯 ギベオン
リゲルS  パクスアメリカーナ
カペラS  コパノキッキング

先週の5レースのうち4レースは土曜日のレース。これもすごい。
86年以降、3歳馬が古馬オープンを2勝以上した日は42日もあるが、3勝以上は以下の3日のみ。4勝は初の快挙である。

2002年11月10日
秋風S      サーガノヴェル
ドンカスターS  マイネルアンブル
エリザベス女王杯 ファインモーション

2018年11月25日
ジャパンカップ  アーモンドアイ
オータムリーフC コパノキッキング
京阪杯      ダノンスマッシュ

2018年12月8日
師走S   テーオーエナジー
障害OP  ハルキストン
中日新聞杯 ギベオン
リゲルS  パクスアメリカーナ

さらに驚くべきは、4勝した12月8日のわずか2週前、11月25日に3勝していること。すなわち、現3歳世代がここにきて大暴れしているのだ。86年以降、3歳時に3歳以上オープンを16勝以上した世代は、これが5世代目となる。

21勝 91年産(現27歳)世代(ダービー馬:ナリタブライアン)
20勝 09年産(現9歳)世代(ダービー馬:ディープブリランテ)
18勝 83年産(現35歳)世代(ダービー馬:ダイナガリバー)
18勝 94年産(現24歳)世代(ダービー馬:サニーブライアン)
16勝 15年産(現3歳)世代(ダービー馬:ワグネリアン)

91年産世代はナリタブライアン、09年産世代はゴールドシップ、83年世代はダイナガリバー、94年産世代はシルクジャスティスが、同年の有馬記念を勝っている。今年のグランプリに登録している3歳馬は2頭しかおらず、しかも1頭はジャパンカップ7着の地方馬ハッピーグリン。ダービー5着、新潟記念1着、菊花賞4着のブラストワンピースにかかる期待は大きいが、はたして…。

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12/05/2018

まさかのスウェプトオーヴァーボード

3冠牝馬に続いて3歳ダート王も、古馬G1で怪物ぶりをいかんなく発揮した。対照的に、牡馬クラシック好走馬は軒並み、古馬秋3冠に不出走。「最優秀3歳牡馬」は、ワグネリアンか、エポカドーロか、ステルヴィオか、はたまたルヴァンスレーヴか…。

さて先週は、順当勝ちのルヴァンスレーヴよりも、その前日の重賞勝ち馬に驚かされた。師走中山のマラソンレース、ステイヤーズステークスを制したリッジマン。前走、札幌の長距離オープン特別、丹頂ステークスを52キロで勝った馬が、一気の4キロ増で別定G2を完勝してのけたのだから、アッパレと言うほかない。
86年以降、オープン競走を勝ったあと、斤量4キロ増(5キロ以上増はゼロ)でJRA平地重賞を勝った馬(アラブを除く)は以下の9頭。リッジマンがステイヤーズステークスでつけた2馬身半差は、ホクトベガがフェブラリーステークスでつけた3馬身半差に次ぎ、芝では最大着差となった。

リキアイノーザン
88/12/25阪神牝馬特別(50㎏)→89/1/29京都牝馬特別(54㎏)

ナイスネイチャ
91/8/25小倉記念(52㎏)→91/10/13京都新聞杯(57㎏)

ディクターガール
92/10/10オパールS(51㎏)→92/10/31スワンS(55㎏)

ゴーゴーゼット
95/1/28日経新春杯(52㎏)→95/3/4中日新聞杯(56㎏)

ホクトベガ
96/1/24川崎記念(53㎏)→96/2/17フェブラリーS(57㎏)

パーソナルラッシュ
05/3/16ダイオライト記念(55㎏)→05/9/3エルムS(59㎏)

イングランディーレ
03/2/16ダイヤモンドS(52㎏)→03/3/29日経賞(56㎏)

スクリーンヒーロー
08/11/9アルゼンチン共和国杯(53㎏)→08/11/30ジャパンカップ(57㎏)

リッジマン
18/9/2丹頂S(52㎏)→18/12/1ステイヤーズS(56㎏)

リッジマンに関してさらにたまげたのは、父がスウェプトオーヴァーボードであること。レッドファルクス、パドトロワ、アーバンストリートらを代表産駒とする同馬は、バリバリの短距離サイアー。リッジマンがステイヤーに出た理由は血統の専門家に任すとして、ここでは、今回の勝利が歴史的快挙であることを指摘しておく。すなわち、スウェプトオーヴァーボードは、現行平地重賞の最短距離と最長距離の両方を制した初のサイアーとなったのである。
01年の創設以降、アイビスサマーダッシュを勝った種牡馬は以下の14頭。スウェプトオーヴァーボードのほかに芝2000m超の重賞も勝ったのは、ウォーニング、フレンチデピュティ、キングヘイローの3頭だけ。リッジマン以前の最長距離V馬は、天皇賞春を制したフレンチデピュティ産駒アドマイヤジュピタだった。

サクラバクシンオー
ウォーニング
ロイヤルアカデミー2
メイショウボーラー
フレンチデピュティ
ファルブラヴ
タイキシャトル
スキャン
スウェプトオーヴァーボード
クロフネ
キングヘイロー
カリスタグローリ
アドマイヤムーン
グリーンデザート

過去、JRA芝G1で3着以内に来たスウェプトオーヴァーボード産駒は、のべ6頭。芝1200m戦以外では、レッドファルクスの17年安田記念3着のみ。今週は、ファンタジーステークス2着のベルスールが阪神ジュベナイルフィリーズに挑むが、2頭目の快挙はなるか…。

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