« January 2019 | Main | March 2019 »

02/28/2019

復活スマート 本格化ウイン

単勝1番人気が4倍ちょうど、3連複1番人気が23.5倍、3連単1番人気が89.8倍という大混戦の阪急杯を制したのは、スマートオーディン。16年のダービーで6着に来たあと屈腱炎に見舞われ、昨夏ようやく復帰を果たしたが、以降4戦は12、15、9、10着と惨敗続きだった6歳馬だ。
ダービー出走にこだわったトレーナーとNHKマイルカップを望んだオーナーとの間に生じた確執がダービー後の転厩に繋がった、という噂は、復帰後の出走距離(1800m→1600m→1600m→1600m)を見る限りおそらく事実だろう。今回はさらに短縮して1400m。もちろんキャリア初の挑戦。そのことと、復帰後の成績があいまって11番人気という低評価になったわけだが、終わってみれば大外直線一気の快勝だった。
この1400mという距離は、大方のスプリンターにもマイラーにもこなせるが、どちらかと言えばスプリンター寄り。マイラーが距離短縮を試みるケースより、スプリンターが距離延長に挑むケースの方がより一般的だ。86年以降、1400m以下未経験でJRA古馬芝1400m重賞を勝った馬は以下の13頭。このうちスマートオーディンのみ、1600m戦の勝ち鞍さえなかった。さらに同馬のみ、2000m超のレース、それも重賞(京都新聞杯)を勝っていた。阪急杯を使った陣営も、勝った馬も大したものである。

ニッポーテイオー  86年スワンS
ダイイチルビー   91年京王杯SC
スティンガー    00年京王杯SC
フサイチリシャール 06年阪神カップ
リディル      11年スワンS
サダムパテック   12年京王杯SC
ダイワマッジョーレ 13年京王杯SC
スマートレイアー  14年阪神牝馬S
ミッキーアイル   14年スワンS
サトノアラジン   16年京王杯SC
ミスパンテール   18年京都牝馬S
ムーンクエイク   18年京王杯SC
スマートオーディン 19年阪急杯

一方、東の中山記念は、11頭中5頭がG1馬というハイレベルの混戦だったが、勝ったのはG1未勝利の中山巧者、ウインブライト。この馬の実績も実に個性的で興味深い。
86年以降、JRA芝1800~2000m重賞を5勝以上した馬は以下の6頭。ウインブライト以外の非G1ウィナーはメイショウカイドウのみ。こちらは“小倉の鬼”である。

<6勝>
カンパニー 京阪杯 産経大阪杯 中山記念2勝 毎日王冠 天皇賞秋

<5勝>
メイショウカイドウ 小倉記念2勝 小倉大賞典 北九州記念 七夕賞
オグリキャップ   毎日杯 京都4歳特別 高松宮杯 毎日王冠2勝
ネーハイシーザー  中日スポーツ賞4歳S 産経大阪杯 京阪杯 毎日王冠 
天皇賞秋
エアグルーヴ    マーメイドS 札幌記念2勝 天皇賞秋 産経大阪杯
ウインブライト   スプリングS 福島記念 中山記念2勝 中山金杯

86年以降、中山芝重賞を4勝以上した馬は以下の7頭。ウインブライト以外の非G1ウィナーはバランスオブゲームだけである。

<6勝>
マツリダゴッボ AJC杯 オールカマー3勝 有馬記念 日経賞

<4勝>
バランスオブゲーム 弥生賞 セントライト記念 中山記念2勝
ナリタブライアン  朝日杯3歳S スプリングS 皐月賞 有馬記念
サクラローレル   金杯 中山記念 オールカマー 有馬記念
サクラバクシンオー クリスタルC スプリンターズS2勝 ダービー卿CT
ヴィクトワールピサ 弥生賞 皐月賞 有馬記念 中山記念
ウインブライト   スプリングS 中山記念2勝 中山金杯

新境地で復活したスマートオーディンは、高松宮記念をパスして安田記念が目標。5歳で完全本格化したウインブライトは、次走大阪杯。遅れてきた実力馬2頭の頂点奪取は、はたしてなるか…。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

02/21/2019

驚異の32キロ増V

1~3番人気がすべて馬券圏外に飛んだ京都牝馬ステークスは、9→7→12番人気の大波乱決着。激走した3頭のうち特にたまげたのは、デアレガーロ。前走からなんと32キロ増での優勝は、アンビリーバブル!としか言いようがない。
86年以降、前走から20キロ以上増でJRA重賞を制した馬は18頭。その中には、前走で減りすぎていたのが戻った馬もいるので、「前々走から20キロ以上」に限ると以下の7頭となる。

トウカイテイオー
91/04/14 皐月賞  (1着) 456㎏
91/05/26 ダービー (1着) 460㎏ +4㎏
92/04/05 産経大阪杯(1着) 480㎏ +20㎏

トロットスター
01/03/25 高松宮記念   (1着) 436㎏
01/06/03 安田記念    (14着) 432㎏ -4㎏
01/09/30 スプリンターズS(1着) 456㎏ +24㎏

テイエムオーシャン
01/11/11 エリザベス女王杯(5着) 446㎏
01/12/23 有馬記念    (6着) 440㎏ -6㎏
02/08/18 札幌記念    (1着) 478㎏ +38㎏

テイエムドラゴン
06/03/11 阪神スプリントJ(1着) 500㎏
06/04/15 中山グランドJ (2着) 478㎏ -22㎏
07/11/10 京都ハイJ   (1着) 524㎏ +46㎏

ローズキングダム
10/04/18 皐月賞  (4着) 438㎏
10/05/30 ダービー (2着) 440㎏ +2㎏
10/09/26 神戸新聞杯(1着) 462㎏ +22㎏

サトノノブレス
13/09/22 神戸新聞杯(3着) 488㎏
13/10/20 菊花賞  (2着) 494㎏ +6㎏
14/01/19 日経新春杯(1着) 514㎏ +20㎏

デアレガーロ
18/08/26 キーンランドC(8着) 462㎏
18/10/27 スワンS   (6着) 454㎏ -8㎏
19/02/16 京都牝馬S  (1着) 486㎏ +32㎏

唯一、テイエムオーシャンが、前々走から30キロ以上増でV。これはすごい。その札幌記念は、2走後マイルチャンピオンシップ優勝のトウカイポイントが2着、2走後有馬記念3着のコイントスが3着、次走菊花賞4着のアドマイヤドンが4着だから、相手が弱かったわけじゃない。そして、次走天皇賞秋は20キロ減だから、38キロ増は明らかに太りすぎ。勝った馬も、2番人気に支持したファンも、アッパレ!である。

今年の皐月賞は、サートゥルナーリアが朝日杯から、ダノンチェイサーがきさらぎ賞から、ダノンキングリー&アドマイヤマーズが共同通信杯から直行する。中でも、3か月半ぶりとなるサートゥルナーリアはいかほどの“成長”をしているか、要注目だ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

02/12/2019

キングリーVよりマーズ2着

先週取り上げたばかりの絶好調「ダノン軍団」がまたやった。過去7年の勝ち馬のうち5頭がその後G1ホースとなっている出世レース、共同通信杯をダノンキングリーが制覇。きさらぎ賞を快勝したダノンチェイサーに続く、牡馬クラシック候補の誕生だ。
この2頭はいずれもディープインパクト産駒。昨年はロードカナロア産駒に牝馬3冠を勝たれ、ダノンプレミアム不在の牡馬1冠目も不発に終わったが、残る牡馬2冠はきっちり確保。今年のクラシック路線でも順当に“最大派閥”を形成するだろう。
3歳世代の強さと言えば、父サンデーサイレンスも相当なものだったが、息子はその上を行く。それぞれの、JRA重賞およびJRA・G1における「3歳世代の勝利数割合」は以下のとおり。

サンデーサイレンス
JRA重賞  3歳世代114勝/通算311勝 .367
JRA・G1 3歳世代 29勝/通算 71勝 .408

ディープインパクト
JRA重賞  3歳世代82勝/通算192勝 .427
JRA・G1 3歳世代24勝/通算 46勝 .522

見方を変えれば、4歳以降のディープインパクト産駒は3歳時ほど当てにできない、ということ。3歳の評判馬は素直に有力視し、4歳以上の人気馬は疑ってかかるのが、対ディープ産駒の正攻法と言えそうだ。

しかし、大方のファンにとって今年の共同通信杯は、「ダノンキングリーが勝ったレース」ではなく、「アドマイヤマーズが負けたレース」ではなかろうか。無敗の2歳王者が単勝1.7倍で喫した初黒星は、それほど衝撃的なものだった。
もっともこの敗北は、統計的には不思議でもなんでもない。阪神の2歳G1が牝馬限定戦になった91年以降、朝日杯ウィナーが3歳初戦(春G1前)であげた実績は以下のとおり。

91年ミホノブルボン   →スプリングS 1着(1番人気)
93年ナリタブライアン  →共同通信杯  1着(1番人気)
94年フジキセキ     →弥生賞    1着(1番人気)
95年バブルガムフェロー →スプリングS 1着(1番人気)
99年エイシンプレストン →きさらぎ賞  9着(1番人気)
01年アドマイヤドン   →若葉S    3着(1番人気)
02年エイシンチャンプ  →弥生賞    1着(2番人気)
03年コスモサンビーム  →スプリングS 5着(1番人気)
04年マイネルレコルト  →弥生賞    3着(2番人気)
05年フサイチリシャール →共同通信杯  2着(1番人気)
06年ドリームジャーニー →弥生賞    3着(2番人気)
07年ゴスホークケン   →NZトロフィー 12着(1番人気)
08年セイウンワンダー  →弥生賞    8着(2番人気)
09年ローズキングダム  →スプリングS 3着(1番人気)
10年グランプリボス   →スプリングS 4着(5番人気)
11年アルフレード    →スプリングS 12着(2番人気)
12年ロゴタイプ     →スプリングS 1着(1番人気)
13年アジアエクスプレス →スプリングS 2着(1番人気)
14年ダノンプラチナ   →スプリングS 3着(2番人気)
15年リオンディーズ   →弥生賞    2着(1番人気)
16年サトノアレス    →スプリングS 4着(1番人気)
17年ダノンプレミアム  →弥生賞    1着(1番人気)
18年アドマイヤマーズ  →共同通信杯  2着(1番人気)

最初の4頭はすべて勝ったが、エイシンプレストン以降は19頭でわずか3勝と“死屍累々”。トライアルと違って他馬より重い斤量を背負い、3着馬を4馬身離したアドマイヤマーズは、むしろ健闘した方だろう。
サトノアレスまでの敗退馬15頭のうち、3歳春G1を勝ったのはグランプリボスのみ。マーズの巻き返しも至難の業と思えるが、はたして…。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

02/05/2019

悲願へ着々 ダノン軍団

独立系システムインテグレーターの大手、株式会社オービックの代表取締役である野田順弘氏は、「ダノン」冠で知られる大馬主(名義は株式会社ダノックス)。毎年のように良血馬、高額馬を買いまくって好成績をあげ、POG界でも個人馬主としては屈指の注目を集める。
しかしなぜか、一流馬の実績はマイル以下に偏り、クラシックとは未だ縁がない。JRA重賞21勝の距離別内訳と、1800m以上で勝った6頭は以下のとおり。芝2000m以上となると、ダノンバラードとダノンプレミアムの2頭だけである。

1200m 4勝
1400m 1勝
1600m 10勝
1800m 2勝
2000m 3勝
2200m 1勝

ダノンシャンティ 10年毎日杯     阪神芝1800m
ダノンバラード  10年ラジオNIKKEI杯 阪神芝2000m
ナイスミーチュー 12年シリウスS   阪神ダ2000m
ダノンバラード  13年アメリカJCC 中山芝2200m
ダノンプレミアム 18年弥生賞     中山芝2000m
ダノンチェイサー 19年きさらぎ賞   京都芝1800m

G1ウィナーは以下の5頭。すべて芝マイルで勝っている。

ダノンシャンティ  10年NHKマイルC 東京芝1600m
ダノンシャーク   14年マイルCS   京都芝1600m
ダノンプラチナ   14年朝日杯FS   阪神芝1600m
ダノンプレミアム  17年朝日杯FS   阪神芝1600m
ダノンファンタジー 18年阪神JF    東京芝1600m

キングカメハメハと同じ“松国ローテ”でダービーに挑んだダノンシャンティは、大一番前日に骨折が判明して出走取消。父ディープインパクトに重賞初タイトルを贈ったダノンバラードは、皐月賞3着、ダービー不出走。2歳王者ダノンプラチナは、皐月賞11着、ダービー不出走。デビューから4戦連続圧勝のダノンプレミアムは、挫石で皐月賞を回避し、ダービー6着。
2歳女王のダノンファンタジー、きさらぎ賞快勝のダノンチェイサーは、軍団悲願のクラシック初制覇を果たせるか…。そして、長期休養から復帰する大物ダノンプレミアムは、芝2000mの大阪杯でG1V2を果たせるか…。

ちなみに、「ミッキー」冠で知られる夫人、野田みづきオーナーは、重賞14勝のうち6勝を芝2000m以上であげており、G1は芝マイルで2勝、芝2000m以上で3勝。クラシックはミッキークイーンで勝っている。夫としても、そろそろ面目を施したいところだろう(笑)。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« January 2019 | Main | March 2019 »