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04/30/2019

ワンシーズン1走の名馬

平成から令和への節目に生まれた新たなトレンドが「G1ぶっつけ」。キャリア3戦、ラジオNIKKEI賞以来の休み明けで菊花賞を制したフィエールマンが、平成最後のG1もまたまたステップレースを使わず勝ち取った。
86年以降、キャリア3戦以下で3歳G1を勝った馬は、今年のグランアレグリアとサートゥルナーリアを含め、23頭を数える。レース別内訳は、桜花賞10頭、皐月賞9頭、NHKマイルカップ1頭、オークス1頭、ダービー1頭、そして菊花賞1頭。唯一、秋の3冠目をキャリア3戦で制したフィエールマンの記録は、実質ダントツと言っていい。
今回は、古馬G1をキャリア5戦で制覇。86年以降、キャリア6戦以下で勝った馬は以下の10頭で、5戦は最少タイである。

<キャリア6戦>
バブルガムフェロー
新馬3着→新馬1着→府中3歳S1着→朝日杯3歳S1着→スプリングS1着→毎日王冠3着→天皇賞秋1着

タイキシャトル
未勝利1着→500万1着→菖蒲S1着→菩提樹S2着→ユニコーンS1着→スワンS1着→マイルCS1着

エルコンドルパサー
新馬1着→500万1着→共同通信杯1着→NZトロフィー4歳S1着→NHKマイルC1着→毎日王冠2着→ジャパンC1着

グラスワンダー
新馬1着→アイビーS1着→京成杯3歳S1着→朝日杯3歳S1着→毎日王冠5着→アルゼンチン共和国杯6着→有馬記念1着

モーニン
未勝利1着→500万1着→1000万1着→1600万1着→武蔵野S3着→根岸S1着→フェブラリーS1着

アーモンドアイ
新馬2着→未勝利1着→シンザン記念1着→桜花賞1着→オークス1着→秋華賞1着→ジャパンC1着

ブラストワンピース
新馬1着→500万1着→毎日杯1着→ダービー5着→新潟記念1着→菊花賞4着→有馬記念1着

<キャリア5戦>
ファインモーション
新馬1着→500万1着→1000万1着→ローズS1着→秋華賞1着→エリザベス女王杯1着

リアルインパクト
新馬1着→京王杯2歳S2着→朝日杯FS2着→NZトロフィー11着→NHKマイルC3着→安田記念1着

フィエールマン
新馬1着→500万1着→ラジオNIKKEI賞2着→菊花賞1着→AJC杯2着→天皇賞春1着

この10頭のうち、当該G1を4歳で勝ったのはフィエールマンのみ。ここでも同馬の記録は際立っている。
種牡馬価値を高めるためには2000~2500mのG1も勝っておきたいところだが、デビュー以来ほぼ3か月に1走ペースなので、宝塚記念はおそらく回避。今後は「凱旋門賞」「札幌記念→ジャパンカップ」「オールカマー→有馬記念」の3択とみる。もちろん、アーモンドアイ、サートゥルナーリアとの兼ね合いで決まることではあるが…。

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04/23/2019

完全無欠の1冠目

桜花賞に続いて皐月賞も「3歳初戦馬」が制覇。“改元イヤー”に相応しいエポックメイキングな快挙だが、その陰に隠れて、もうひとつの偉業があまり注目されていないように感じる。サートゥルナーリアが達成した「オール1番人気&無敗で皐月賞V」だ。

中央競馬における無敗の皐月賞馬は、戦前、横浜競馬場で施行されていた「横浜農林省賞典4歳呼馬」の時代を除くと14頭。50年代に2頭、60年代に2頭、70年代に3頭、80年代に2頭、90年代に2頭、00年代に2頭、10年代に1頭だから、平均すると10年に2頭。そこそこの頻度に思えるが、サンデーサイレンスの血が注入されて以降は有力馬が増えたせいか、今回は史上最長の14年ぶりだった。
この14頭の、皐月賞までのキャリア数と2番人気以下の回数は以下のとおり。全戦1番人気に支持されたのは、ハイセイコー(地方6戦+中央3戦)、ミホシンザン、ディープインパクト、そしてサートゥルナーリアの4頭である。

51年トキノミノル    9戦 2番人気2回
54年ダイナナホウシュウ 11戦 2番人気4回
60年コダマ       6戦 2番人気1回
64年シンザン      6戦 2番人気1回・6番人気1回
73年ハイセイコー    9戦
74年キタノカチドキ   7戦 2番人気1回
76年トウショウボーイ  4戦 2番人気1回
84年シンボリルドルフ  5戦 2番人気1回
85年ミホシンザン    4戦
91年トウカイテイオー  5戦 3番人気1回
92年ミホノブルボン   5戦 2番人気1回
01年アグネスタキオン  4戦 2番人気1回・3番人気1回
05年ディープインパクト 4戦
19年サートゥルナーリア 4戦

4番人気以下を経験したのはシンザンしかおらず、スプリングステークスでまさかの6番人気。皐月賞で1番人気に支持されなかったのは、ダイナナホウシュウとトウショウボーイ。シンボリルドルフは弥生賞で2番人気、トウカイテイオーはシクラメンステークスで3番人気、ミホノブルボンはスプリングステークスで2番人気、アグネスタキオンは新馬戦で3番人気・ラジオたんぱ杯で2番人気。ちなみに、今年ダノンキングリーが勝っていたら、史上初の「全戦2番人気以下で無敗の皐月賞馬」が誕生しているところだった。

戦前のセントライト、アルバイトを含め、サートゥルナーリア以前の無敗の皐月賞馬はすべてその後もG1級レースを勝ち、ダービーは目下4連勝中。平成最後の皐月賞を休み明けで勝った怪物が令和最初のダービーも順当に勝てば、ディープインパクトに次ぐ史上2頭目の「オール1番人気&無敗で2冠V」となるが、はたして…。

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04/17/2019

セン馬の大野

終わってみると3強決着だった皐月賞。ダービーは、叩き2戦目のサートゥルナーリアが一歩抜け出した「1+2」強ムード。この3頭に、青葉賞、京都新聞杯の勝ち馬がどこまで迫れるか、というシンプルな図式になりそうだ。
一方、今回で評判がいよいよ地に落ちてしまった実績上位馬が、ニシノデイジー。札幌2歳ステークスではクラージュゲリエを、東スポ杯ではヴェロックスを下した馬が、その後はホープフルステークス3番人気3着、弥生賞1番人気4着ときて、皐月賞は6番人でなんとブービー17着。ダービーでの巻き返しは至難の業だろう。

しかし、高木師にとってこの日は「捨てる神あれば拾う神あり」。中山のG1は惨敗したが、阪神のG3はニシノデイジーと同じ6番人気のアナザートゥルースで制覇した。同馬は、厩舎の先輩でもある半兄サウンドトゥルーと同じく、セン馬。偉大な兄は、JRA平地G1を勝ったわずか5頭のセン馬のうちの1頭である。

レガシーワールド  93年ジャパンC   (河内洋)
マーベラスクラウン 94年ジャパンC   (南井克巳)
トウカイポイント  02年マイルCS   (蛯名正義)
サウンドトゥルー  16年チャンピオンズC(大野拓弥)
ノンコノユメ    18年フェブラリーS (内田博幸)

兄の手綱もとった大野拓弥は、これがJRA重賞9勝目。そのうち4勝をセン馬であげている。86年以降、JRA平地重賞をセン馬で3勝以上した騎手は以下の6人。4勝は岡部に次ぎ、ルメールと並んで2位タイだ。

岡部幸雄
01年関屋記念   (マグナーテン)
02年中山記念   (トウカイポイント)
02年関屋記念   (マグナーテン)
02年毎日王冠   (マグナーテン)
02年ステイヤーズS(ホットシークレット)

C・ルメール
17年目黒記念   (フェイムゲーム)
17年キーンランドC(エポワス)
18年ダイヤモンドS(フェイムゲーム)
18年京王杯SC  (ムーンクエイク)

大野拓弥
12年函館記念    (トランスワープ)
12年新潟記念    (トランスワープ)
16年チャンピオンズC(サウンドトゥルー)
19年アンタレスS  (アナザートゥルース)

土肥幸広
92年小倉大賞典(ワイドバトル)
92年福島記念 (アラシ)
93年中京記念 (アラシ)

南井克巳
94年金鯱賞  (マーベラスクラウン)
94年京都大賞典(マーベラスクラウン)
94年ジャパンC(マーベラスクラウン)

武豊
06年アンタレスS(フィフティーワナー)
13年小倉記念  (メイショウナルト)
18年小倉記念  (トリオンフ)

5歳で東京大賞典、6歳でチャンピオンズカップ、7歳でJBCクラシックを勝ち、9歳になった今年も南関東でいまだ健在のサウンドトゥルー。この晩成の兄と同じく、5歳でオープン入り&重賞初制覇を果たしたアナザートゥルースの主戦でありつづけるなら、岡部に並ぶ「5勝」の可能性は十分とみるが、はたして…。

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04/10/2019

マイル王ディープインパクト

先週の重賞3鞍はすべて芝のマイル戦。参戦馬がいなかったニュージーランドトロフィー以外の2鞍、阪神牝馬ステークスと桜花賞はいずれもディープインパクト産駒が制した。
現代競馬の根幹距離中の根幹距離である1600mは、今年もリーディングを独走するスーパーサイアーが最も得意とする条件。現行JRA芝マイル重賞27レースのうち、なんと24レースを勝っている。15年までマイル戦だった京都牝馬ステークスを含めると、通算53勝。勝ち馬は以下のとおりだ。

<2歳>
新潟2歳S     13年ハープスター   
サウジアラビアRC 17年ダノンプレミアム  18年グランアレグリア
アルテミスS    18年シェーングランツ
阪神JF      11年ジョワドヴィーヴル 14年ショウナンアデラ 18年ダノンファンタジー
朝日杯FS     14年ダノンプラチナ   16年サトノアレス   17年ダノンプレミアム

<3歳>
シンザン記念  12年ジェンティルドンナ 14年ミッキーアイル
フェアリーS  18年プリモシーン
クイーンC   12年ヴィルシーナ
チューリップ賞 14年ハープスター 16年シンハライト 19年ダノンファンタジー
NZトロフィー 18年カツジ
桜花賞     11年マルセリーナ  12年ジェンティルドンナ 13年アユサン 14年ハープスター 19年グランアレグリア
アーリントンC 14年ミッキーアイル
NHKマイルC 14年ミッキーアイル 18年ケイアイノーテック

<古馬>
京都金杯    13年ダノンシャーク   14年エキストラエンド
京都牝馬S   12年ドナウブルー    14年ウリウリ
東京新聞杯   15年ヴァンセンヌ    16年スマートレイアー 
阪神牝馬S   16年スマートレイアー  17年ミッキークイーン 19年ミッキーチャーム
マイラーズC  14年ワールドエース   18年サングレーザー
ヴィクトリアM 13年ヴィルシーナ    14年ヴィルシーナ   18年ジュールポレール
安田記念    11年リアルインパクト  17年サトノアラジン
中京記念    16年ガリバルディ    18年グレーターロンドン
関屋記念    12年ドナウブルー    18年プリモシーン
京成杯AH   18年ミッキーグローリー
富士S     13年ダノンシャーク   14年ステファノス  15年ダノンプラチナ
マイルCS   13年トーセンラー    14年ダノンシャーク 16年ミッキーアイル

未踏のJRA芝マイル重賞は、デイリー杯2歳ステークス、ダービー卿チャンジトロフィー、15年から重賞に格上げされたターコイズステークスの3レース。“完全制覇”は目前と言っていいだろう。
今週はアーリントンカップに、ヴァンドギャルド、ミッキースピリット、ヤマニンマヒアの3頭が登録。開催3日連続のマイル重賞Vはなるか…。

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04/03/2019

2勝目も9番人気

14頭中8頭がG1ホースというハイレベルの大阪杯を制したのは、一昨年の皐月賞馬、アルアイン。皐月賞以降、勝ち星から遠ざかってはいたが、距離長すぎた菊花賞以外すべて掲示板を確保していた実力馬が、2年ぶりの復活V。連敗を「10」で止めた。
相手が強く、自身は勝ちきれずにいたため、今回は人気を落とし、G1未勝利馬の後塵も拝して9番人気。奇しくも皐月賞と並ぶキャリア最低人気で、22.2倍の単勝オッズも皐月賞(22.4倍)とほぼ同じだった。
86年以降、5番人気以下でJRA・G1を2勝以上した馬は以下の11頭。7番人気以下で2勝はヒシミラクル、メジロパーマー、ロゴタイプに次いで4頭目、9番人気以下で2勝はメジロパーマーに次いで2頭目の快挙である。

<3勝>
ヒシミラクル 02年菊花賞(10番人気) 03年天皇賞春(7番人気) 03年宝塚記念(6番人気)

<2勝>
メジロデュレン   86年菊花賞  (6番人気) 87年有馬記念 (10番人気)
メジロパーマー   92年宝塚記念 (9番人気) 92年有馬記念 (15番人気)
ヤマニンゼファー  92年安田記念 (11番人気) 93年天皇賞秋 (5番人気)
サニーブライアン  97年皐月賞  (11番人気) 97年ダービー (6番人気)
デュランダル    03年スプリンターズS(5番人気) 03年マイルCS(5番人気)
エイシンフラッシュ 10年ダービー (7番人気) 12年天皇賞秋 (5番人気)
ストレイトガール  15年Vマイル (5番人気) 16年Vマイル (7番人気)
ロゴタイプ     12年朝日杯FS(7番人気) 16年安田記念 (8番人気)
マリアライト    15年エリ女王杯(6番人気) 16年宝塚記念 (8番人気)
アルアイン     17年皐月賞  (9番人気) 19年大阪杯  (9番人気)

アルアインの次走は安田記念か宝塚記念。さすがに3度目の9番人気はないだろうが、5番人気なら相手次第でギリギリあるかも。ヒシミラクルに次ぐ“V3”をこっそり(笑)期待したい。
天皇賞春には、菊花賞を7番人気で勝ったフィエールマンが出走予定。こちらはシャケトラ、キセキ、エタリオウに次ぐ4番人気とみるが、はたして…。

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