驚異の0.8秒差V
2着と5馬身、0.8秒差は、奇しくも父のダービーとまったく同じ。ジェンティルドンナのオークス圧勝は、まさに絶大なインパクトがあった。この着差がいかにすごいものか、いくつかの切り口で示してみよう。
まずはG1。86年以降のJRA平地G1で、勝ち馬が2着馬に0.8秒差以上つけたレースは以下の22レース。2回以上経験している馬は、ニッポーテイオー、ビワハヤヒデ、ナリタブライアンの3頭しかおらず、牝馬はジェンティルドンナが4頭目。牝馬クラシックとなるとマックスビューティ以来25年ぶりの快挙である。
87年 桜花賞 マックスビューティ 1.3秒差
ダービー メリーナイス 1.0秒差
天皇賞秋 ニッポーテイオー 0.8秒差
マイルCS ニッポーテイオー 0.8秒差
阪神3歳S サッカーボーイ 1.3秒差
88年 菊花賞 スーパークリーク 0.8秒差
89年 天皇賞春 イナリワン 0.8秒差
93年 菊花賞 ビワハヤヒデ 0.9秒差
阪神3歳牝馬S ヒシアマゾン 0.8秒差
94年 ダービー ナリタブライアン 0.9秒差
宝塚記念 ビワハヤヒデ 0.8秒差
菊花賞 ナリタブライアン 1.1秒差
98年 ダービー スペシャルウィーク 0.9秒差
マイルCS タイキシャトル 0.8秒差
01年 JCダート クロフネ 1.1秒差
03年 ジャパンC タップダンスシチー 1.5秒差
有馬記念 シンボリクリスエス 1.5秒差
04年 天皇賞春 イングランディーレ 1.1秒差
NHKマイルC キングカメハメハ 0.8秒差
05年 ダービー ディープインパクト 0.8秒差
09年 ヴィクトリアM ウオッカ 1.2秒差
12年 オークス ジェンティルドンナ 0.8秒差
ジェンティルドンナの父ディープインパクトは、全12勝中7勝が2着と0.5秒差以上という怪物だったが、その産駒は今のところ「圧勝タイプ」が少ない。相手が弱い新馬、未勝利を除けば、0.5秒差以上つけて勝ったレースはまだ以下の8レースで、重賞はオークスが2レース目。ジェンティルドンナの0.8秒差は、500万以上での最大着差だ。
11/07/02 犬吠埼特別(3歳以上500万下) ムーンリットレイク 0.5秒差
11/08/28 阿寒湖特別(3歳以上1000万下) スマートロビン 0.7秒差
11/08/28 3歳以上500万下平場 ミッキーオーラ 0.6秒差
11/11/13 ドンカスターC(3歳以上1000万下)ダコール 0.6秒差
11/11/19 東京スポーツ杯(G3) ディープブリランテ 0.5秒差
11/11/19 3歳以上1000万下平場 ドナウブルー 0.5秒差
12/02/05 3歳500万下平場 ジョングルール 0.5秒差
12/05/20 オークス(G1) ジェンティルドンナ 0.8秒差
オークスの0.8秒差Vは、グレード制導入以降の最大着差。次点は、メジロラモーヌ、マックスビューティ、メジロドーベルの0.4秒差。この4頭がすべて牝馬2冠を制しているのは、偶然ではあるまい。つまり、オークス圧勝は、その世代における力量差を厳然と示しているということ。オークスを勝つ馬は3歳最強牝馬とは限らないが、オークスを圧勝する馬は間違いなく世代の頂点に立つ女王なのである。
一方、同コースの日本ダービー。グレード制導入以降、0.5秒差以上つけて勝った馬は以下の8頭。重馬場以上の道悪で勝ったシリウスシンボリ、ロジユニヴァース以外の6頭は、すべてG12勝以上馬。やはり大物揃いだ。
85年 シリウスシンボリ 0.5秒差
87年 メリーナイス 1.0秒差
91年 トウカイテイオー 0.5秒差
92年 ミホノブルボン 0.7秒差
94年 ナリタブライアン 0.9秒差
98年 スペシャルウィーク 0.9秒差
05年 ディープインパクト 0.8秒差
09年 ロジユニヴァース 0.7秒差
今のところ、現3歳世代の牡馬が良馬場で0.5秒差以上つけて勝ったオープンは、カレンブラックヒルが0.6秒差で勝ったNHKマイルカップしかない。皐月賞、青葉賞、京都新聞杯は0.4秒差、プリンシパルステークスは0.3秒差。本番ははたして…。

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