09/21/2017

驚異の同一コース6勝

今年ここまで、3歳以上ダートオープンに参戦した3歳馬はわずか4頭。その4頭目、先週日曜の中山メイン、ラジオ日本賞に参戦したサンライズソアは、なみいる古馬を差し置いて1番人気に支持され、3着を確保した。他の3頭が、10番人気13着、5番人気4着、3番人気13着だから、サンライズソアの実績は抜けている。大物候補と言っていいだろう。
しかし、それ以上に目を引いたのが、勝った5歳馬センチュリオンの実績だ。同馬はこれで、中山ダート1800mでは「6-2-1-3」、他のコースでは「0-3-1-4」。ここまで極端な“スペシャリスト”も珍しい。ダートは芝よりコース数がはるかに少ないため、同一コースばかり使われる馬は少なくないが、6勝となると、86年以降では以下の5頭のみ。7勝以上した馬はまだいない。

京都ダート1800m
タマモルビーキング(未勝利→500→900→1600→1600→OP特別)
キクノグリッター (新馬→500→900→900→900→1000)

東京ダート1400m
トウショウギア(500→1000→1000→OP特別→OP特別→OP特別)

京都ダート1200m
マルカバッケン(未勝利→500→500→1000→1600→OP特別)

中山ダート1800m
センチュリオン(新馬→500→1000→1600→1600→OP特別)

一方、芝の同一コースで6勝した馬は2頭のみ。もちろん7勝以上した馬はいない。

小倉芝1800m
メイショウカイドウ(未勝利→500→1000→1600→G3→G3)

中山芝1200m
サクラバクシンオー(500→G3→OP特別→G1→G3→G1)

ハードルを5勝に下げると、以下の10頭が該当する。

小倉芝1200m
キョウワマグナム(未勝利→500→1000→1000→1600)
マンデームスメ (未勝利→500→1000→1600→OP特別)

東京芝1400m
トウショウリープ(未勝利→500→1000→1000→1600)
サクラゴスペル (新馬→1000→1600→1600→G2)

中山芝1600m
ミッドタウン(新馬→500→1000→OP特別→OP特別)

阪神芝2000m
イブキガバメント(900→900→1600→G3→G3)

函館芝1200m
ストレイトガール(500→500→1000→1600→OP特別)

中山芝2000m
ライズトゥフェイム(未勝利→500→1000→1000→1600)

福島芝2000m
ミスターブランディ(400→900→G3→OP特別→G3)

札幌芝1200m
ブリリアントグレイ(未勝利→500→500→1000→1000)

上記17頭のうち、なんとセンチュリオンだけが、新馬戦から全クラスを同一コースで勝っている。しかもこれが全勝ち星。もはや芸術的と言っていい離れ業だ。
残るは、中山ダート1800m唯一の重賞。来年も高松宮記念当日に行なわれるであろうマーチステークスに同馬が出走したら、個人的にはG1よりも注目度大。“画竜点睛”を期待したい。

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09/12/2017

大激戦トライアル

牡牝通じて最初の3歳3冠目トライアル、紫苑ステークスは、重賞に昇格した昨年から“切符”が1枚増えて、上位3頭に秋華賞優先出走権が与えられる。今年の上位3頭の「直前収得賞金」は、勝ち馬と3着馬が1500万、2着馬が900万。出走権だけでなく、2着馬にも加算される収得賞金もかけて、ハナ差+ハナ差の大激戦となった。
86年以降、1~3着が同タイムだった牝馬3冠トライアルと、3頭の本番成績は以下のとおり。

90年ローズS
7番人気1着カツノジョオー →エリザベス女王杯6番人気10着
10番人気2着イクノディクタス→エリザベス女王杯9番人気4着
5番人気3着トウショウアイ →エリザベス女王杯1番人気2着

97年4歳牝馬特別
1番人気1着オレンジピール  →オークス3番人気5着
3番人気2着ダイイチシガー  →オークス4番人気3着
7番人気3着グレースアドマイヤ→オークス不出走

00年紫苑S
4番人気1着メジロマリー   →秋華賞不出走
3番人気2着ジェミードレス  →秋華賞9番人気6着
5番人気3着サニーサイドアップ→秋華賞6番人気15着

08年チューリップ賞
5番人気1着エアパスカル→桜花賞7番人気9着
1番人気2着トールポピー→桜花賞1番人気8着
2番人気3着オディール →桜花賞3番人気12着

08年フィリーズレビュー
11番人気1着マイネレーツェル→桜花賞9番人気6着
7番人気2着ベストオブミー →桜花賞8番人気11着
4番人気3着レジネッタ   →桜花賞12番人気1着

10年フィリーズレビュー
9番人気1着サウンドバリアー →桜花賞14番人気16着
1番人気2着ラナンキュラス  →桜花賞7番人気17着
5番人気3着レディアルバローザ→桜花賞13番人気11着

11年フローラS
9番人気1着バウンシーチューン→オークス5番人気17着
15番人気2着マイネソルシエール→オークス16番人気12着
3番人気3着ピュアブリーゼ  →オークス8番人気2着

17年フローラS
12番人気1着モズカッチャン  →オークス6番人気2着
10番人気2着ヤマカツグレース →オークス10番人気18着
2番人気3着フローレスマジック→オークス5番人気6着

17年紫苑S
1番人気1着ディアドラ
6番人気2着カリビアンゴールド
4番人気3着ポールヴァンドル

権利取りで消耗したのだろう、今年のフローラステークスまでの1~3着馬で本番も馬券になったのは、22頭中5頭にすぎず、勝ったのはレジネッタだけ。ファンも心得たもので、22頭のうち本番で1~3番人気に支持されたのは4頭のみ。その4頭もすべて着順が人気を下回っている。今年の紫苑ステークス上位3頭も、秋華賞で有力視するのはリスクが高そうだ。
ちなみに牡馬の場合、「3冠トライアル同タイム1~3着馬」のうち2頭が本番でワンツーを果たしたケースが2例ある。

06年スプリングS
4番人気1着メイショウサムソン→皐月賞6番人気1着
1番人気2着フサイチリシャール→皐月賞3番人気5着
2番人気3着ドリームパスポート→皐月賞10番人気2着

14年神戸新聞杯
1番人気1着ワンアンドオンリー→菊花賞1番人気9着
8番人気2着サウンズオブアース→菊花賞4番人気2着
9番人気3着トーホウジャッカル→菊花賞3番人気1着

今週は阪神で、秋華賞トライアル第2弾、ローズステークス。今年も、関西の実績上位馬が多数参戦するため、「賞金不足馬」たちによる上位激戦となる可能性は低い。菊花賞トライアル第1弾のセントライト記念も、格下馬がアルアインとセダブリランテスの牙城を崩すのは難しそうだが、はたして…。

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09/07/2017

G1好走にリーチ

毎年のようにクラシック候補が誕生する世代最初の中距離重賞、札幌2歳ステークスを制したのは、ロックディスタウン。「1分51秒4」の勝ちタイムも「70-47」の決着指数も大したことはないが、牝馬が勝ったことには要注目。1200mから1800mに延長された97年以降では2頭目の快挙である。
しかも、13年のレッドリヴェールはマイネルフロスト(5着)に次ぐ2番人気だったが、ロックディスタウンは堂々1番人気。86年以降、2歳牡牝混合芝重賞を1番人気で勝った牝馬と、それらの2~3歳G1掲示板実績は以下のとおり。

アイドルマリー   88年デイリー杯3歳S→阪神3歳牝馬S3着
ニシノフラワー   91年デイリー杯3歳S→阪神3歳牝馬S1着・桜花賞1着
メローフルーツ   93年札幌3歳S   →桜花賞4着
プライムステージ  94年札幌3歳S   →桜花賞3着・オークス5着
シーキングザパール 96年デイリー杯3歳S→阪神3歳牝馬S4着・NHKマイルC1着
コウエイロマン   98年小倉3歳S
ゲイリーファンキー 99年新潟3歳S   →阪神3歳牝馬S2着
ステラリード    09年函館2歳S
シンメイフジ    09年新潟2歳S   →阪神JF5着
レーヴディソール  10年デイリー杯2歳S→阪神JF1着
クリスマス     13年函館2歳S   →阪神JF4着
ハープスター    13年新潟2歳S   →阪神JF2着・桜花賞1着・オークス2着
ブランボヌール   15年函館2歳S   →阪神JF3着
レーヌミノル    16年小倉2歳S   →阪神JF3着・桜花賞1着
ロックディスタウン 17年札幌2歳S

ロックディスタウン以前の14頭のうち、12頭がオークスまでのG1で掲示板に載り、9頭が3着以内、5頭が優勝。牡牝の力量差がまだ大きくない2歳時とはいえ、牝馬が牡馬相手に1番人気で重賞を勝つのは容易ではなく、それを果たした牝馬は地力上位と言っていい。ロックディスタウンが父オルフェーヴルに、重賞初タイトルに続いてG1初タイトルを贈っても驚けまい。

ロックディスタウンの目を引く実績はこれだけじゃない。同馬は前走、新潟芝1800mの新馬戦も1番人気で勝っている。86年以降、芝1800m以上で2勝した2歳牝馬は16頭を数えるが(3勝以上はゼロ)、1番人気でデビュー2連勝となると以下の4頭しかいない。

ネームヴァリュー  新馬戦(札幌芝1800m)→コスモス賞(札幌芝1800m)
アドマイヤグルーヴ 新馬戦(京都芝1800m)→エリカ賞 (阪神芝2000m)
ダイワスカーレット 新馬戦(京都芝2000m)→中京2歳S(中京芝1800m)
ロックディスタウン 新馬戦(新潟芝1800m)→札幌2歳S(札幌芝1800m)

ロックディスタウン以前の3頭はすべてG1ホース。やはりこの馬、大物の相があるようだ。

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08/31/2017

恐るべき超高齢馬

サマースプリントシリーズ第5戦、キーンランドカップを制したのは、なんと9歳馬のエポワス。一昨年1着、昨年2着のUHB賞を前走で完敗したせいだろう、ブービー12番人気の低評価に甘んじたが、3走前は大阪-ハンブルクカップ1着、2走前は函館スプリントステークス3着なのだから、いくらなんでも人気なさすぎ。この勝利はフロックでもなんでもない。
86年以降、JRAの平地オープンを9歳以上で3着以内に来た馬は38頭。そのうち2回以上やってのけたのは14頭。3回以上となると、以下の6頭しかいない。

アサカディフィート
07年 中山金杯   (中山芝2000m)10番人気2着
07年 小倉大賞典  (小倉芝1800m)10番人気1着
07年 アンドロメダS(京都芝2000m)8番人気1着
08年 小倉大賞典  (小倉芝1800m)6番人気1着

ニシノコンサフォス
09年 太秦S     (京都ダ1200m)4番人気3着
10年 ジャニュアリーS(中山ダ1200m)4番人気1着
10年 千葉S     (中山ダ1200m)1番人気2着

マヤノライジン
10年 小倉大賞典(中京芝1800m)13番人気4着
10年 大坂城S (阪神芝1800m)8番人気1着
11年 函館記念 (函館芝2000m)12番人気2着

トウカイトリック
11年 ステイヤーズS(中山芝3600m)12番人気3着
12年 ステイヤーズS(中山芝3600m)8番人気1着
13年 ステイヤーズS(中山芝3600m)7番人気3着

エーシンビートロン
15年 ポラリスS(阪神ダ1400m)11番人気3着
15年 千葉S  (中山ダ1200m)7番人気3着
15年 エニフS (阪神ダ1400m)10番人気1着

エポワス
17年 大阪-ハンブルクC(阪神芝1400m)4番人気1着
17年 函館スプリントS (函館芝1200m)7番人気3着
17年 キーンランドC  (札幌芝1200m)12番人気1着

1番人気で3着以内に来たのはニシノコンサフォスだけ。エポワスも前走のUHB賞は1番人気だったのだが、9歳以上でのJRA平地オープン1番人気は、結果によらず稀なこと。86年以降では、以下ののべ4頭しかいない。

トウカイエリート  09年万葉S (京都芝3000m)1番人気6着
ニシノコンサフォス 10年千葉S (中山ダ1200m)1番人気2着
ニシノコンサフォス 10年京葉S (中山ダ1200m)1番人気4着
エポワス      17年UHB賞(札幌芝1200m)1番人気7着

ニシノコンサフォスは10歳で2回。さすがのエポワスもこの記録を破るのは至難の業だが、9歳にしてまだキャリア29戦なら、アサカディフィートの「3勝」「3着以内4回」は格好の目標。さらなる活躍を大いに期待したい。

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08/24/2017

怪物候補誕生

例年、夏季新馬戦の中では最も粒揃いのメンバーとなるのが、北海道シリーズの芝1800m戦。この条件が設定されたのは95年から。以後、昨年まで計114レースが施行され、114頭の勝ち馬のうち27頭がのちに重賞を制し、以下の12頭がG1ウィナーとなっている。

イシノサンデー
メジロブライト
ジャングルポケット
ヤマニンシュクル
アドマイヤムーン
マツリダゴッホ
ローブデコルテ
ゴールドシップ
ヴィルシーナ
ローブティサージュ
レッツゴードンキ
ソウルスターリング

近年この条件は、函館で3鞍、札幌で4鞍組まれるのがスタンダード。今年も先週で全レースを消化し、前評判の高かった良血馬が順当に勝ち上がっている。中でも目を引くのが、トリを飾った先週の一戦。あのモーリスの全弟、ルーカスが発揮したパフォーマンスは驚くべきものだった。
勝ちタイムは「1分50秒6」、上がり3ハロンは「34.4秒」。函館または札幌の芝1800m新馬戦で、勝ちタイムが1分51秒を切り、かつ、上がり3ハロンが35秒を切ったのは、実に10年ぶり、史上3頭目の快挙なのである。

06/8/20札幌 オーソリティバイオ 1分49秒9 34.6秒
07/8/12札幌 サブジェクト    1分50秒5 34.4秒
17/8/20札幌 ルーカス      1分50秒6 34.4秒

タイムを指数化すると、ルーカスのパフォーマンスはさらに際立つ。2010年以降、札幌芝1800mの新馬戦を、スピード指数・ペース指数とも「45」以上、かつ、スピード指数またはペース指数が「50」以上で勝った馬は以下のとおり。

10/8/15 イイデタイガー   45-55
10/9/05 ルルーシュ     67-46
10/9/20 マリアビスティー  63-46
11/8/14 ベストディール   46-49
11/8/21 マカハ       48-55
11/9/11 レッドアーヴィング 55-48
12/7/22 エデンロック    46-52
14/8/03 アドマイヤガスト  51-48
14/8/09 フローレスダンサー 51-49
14/8/16 シャルール     63-46
16/7/31 ソウルスターリング 53-55
16/8/21 ディープウォーリア 63-46
17/7/30 レイエンダ     49-52
17/8/20 ルーカス      68-57

ルーカスのスピード指数「68」も、ペース指数「57」も14頭中ベスト。両指数とも「55」を超えた馬はほかにおらず、「50」を超えた馬もソウルスターリングのみ。4歳で本格化したモーリスの全弟なら早熟とも思えず、怪物ムードが漂う。
2着馬はキンカメ×ディープで、祖母がエアグルーヴ。3着馬はディープ×キンカメで、伯父がレッドスパーダ。4着馬はサトノラーゼンの半弟。5着馬はショウナンマイティの半弟。戦前言われていたように、この一戦が新たな“伝説の新馬戦”となる可能性は高そうだ。

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08/17/2017

ローカル3場重賞制覇

スタンド前で競りかけられた七夕賞は、1000m58.0秒という厳しい逃げを余儀なくされて、ブービー11着に敗れたマルターズアポジー。明確な原因があって惨敗したトップハンデ馬は、往々にしてその後人気の盲点になるものだが、関屋記念の同馬がまさにそう。昨夏以降、家賃が高かった有馬記念と大阪杯を除けば、1000万→1600万→福島記念→小倉大賞典と4連勝したにも関わらず、七夕賞惨敗のせいで関屋記念は7番人気。おかげでマークが緩んだ今回は、すんなりマイペースの逃げを打ち、危なげなく押し切ることができた。
これでマルターズアポジーは重賞通算3勝。一見、地味な3タイトルだが、実は歴史的と言ってもいい快記録を達成している。86年以降、本州ローカル4競馬場(新潟・福島・中京・小倉)のうち3場で平地重賞を制した馬は、なんと同馬が初めてなのだ。北海道2場を含めても、ローカル3場重賞ウィナーは以下の5頭しかいない。

ビリーヴ
02年スプリンターズS(新潟芝1200m)
03年高松宮記念   (中京芝1200m)
03年函館スプリントS(函館芝1200m)

フミノイマージン
11年福島牝馬S(新潟芝1800m)
11年愛知杯  (小倉芝2000m)
12年札幌記念 (札幌芝2000m)

カレンチャン
11年函館スプリントS(函館芝1200m)
11年キーンランドC (札幌芝1200m)
12年高松宮記念   (中京芝1200m)

パドトロワ
12年アイビスSD  (新潟芝1000m)
12年キーンランドC (札幌芝1200m)
13年函館スプリントS(函館芝1200m)

マルターズアポジー
16年福島記念 (福島芝2000m)
17年小倉大賞典(小倉芝1800m)
17年関屋記念 (新潟芝1600m)

こうなったらマルターズアポジーにはぜひ、中京競馬場でも重賞を勝ち、“本州ローカル完全制覇”を果たしてもらいたい。芝1600~2000mの適鞍は3鞍。金鯱賞は別定G2なので厳しそうだが、ハンデG3の中日新聞杯と中京記念はチャンス十分だろう。
ちなみに今週の札幌記念には、すでに中京と福島で重賞を勝っているヤマカツエースが出走する。勝てば86年以降6頭目のローカル3場重賞ウィナーとなるが、はたして…。

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08/10/2017

二桁人気馬ワンツー重賞

過去8回、1番人気が5勝、2番人気が3勝。3番人気以下が勝ったことはなく、4番人気以下の2着馬は3頭のみ。そんな堅い重賞、レパードステークスが、今年は荒れに荒れた。
第1回の覇者トランセンドを上回る、単勝1.5倍の大本命がまさかの3着に敗れ、二桁人気馬がワンツー。配当は、馬連が95,320円、馬単が251,840円。3連複は42,750円にとどまったが、3連単はなんと807,250円。直線一気でクビ差4着の13番人気ブライトンロックがエピカリスを交わしていたら、3連単は驚くなかれ、7,997,230円だったところだ。

86年以降、二桁人気馬がワンツーを決めたJRA重賞は29レースを数えるが、うち13レースは荒れやすい牝馬限定戦。それ以外の牡牝混合戦16レースは以下のとおり。

86年金鯱賞
18番人気イズミスター→12番人気ワンダーヒロイン
1番人気ワカオライデン4着 4.6倍

88年金杯(東)
12番人気アイアンシロー→11番人気ダンケリキヤ
1番人気バーニングダイナ8着 4.7倍

89年NHK杯
11番人気トーワトリプル→10番人気リアルバースデー
1番人気カミノフシラビ8着 5.4倍

89年安田記念
10番人気バンブーメモリー→12番人気ダイゴウシュール
1番人気ホクトヘリオス4着 3.6倍

95年京王杯スプリングC
17番人気ドゥマーニ→15番人気ビコーアルファー
1番人気トーヨーリファール8着 5.0倍

97年皐月賞
11番人気サニーブライアン→10番人気シルクライトニング
1番人気メジロブライト4着 2.9倍

98年札幌3歳S
11番人気マイネルプラチナム→12番人気スタートマーチ
1番人気マチカネテルテル6着 1.4倍

98年アルゼンチン共和国杯
12番人気ユーセイトップラン→10番人気エーピーランド
1番人気グラスワンダー6着 3.0倍

99年共同通信杯
10番人気ヤマニンアクロ→13番人気キンショーテガラ
1番人気グラスグラード7着 1.5倍

02年菊花賞
10番人気ヒシミラクル→16番人気ファストタテヤマ
1番人気ノーリーズン競走中止 2.5倍

05年天皇賞春
13番人気スズカマンボ→14番人気ビッグゴールド
1番人気リンカーン6着 5.4倍

07年ニュージーランドT
11番人気トーホウレーサー→16番人気マイネルフォーグ
1番人気スズカコーズウェイ4着 2.4倍

08年東海S
13番人気ヤマトマリオン→16番人気ラッキーブレイク
1番人気ワンダースピード4着 3.4倍

10年中山記念
13番人気トーセンクラウン→12番人気テイエムアンコール
1番人気キングストリート7着 3.2倍

15年京成杯AH
13番人気フラアンジェリコ→11番人気エキストラエンド
1番人気アルビアーノ7着 4.3倍

17年レパードS
11番人気ローズプリンスダム→12番人気サルサディオーネ
1番人気エピカリス3着 1.5倍

連対馬2頭とも単勝オッズが万馬券だったのは、08年の東海ステークスのみ。馬連160,050円はもちろん上記レース中最高である。
今年のレパードステークスの結果で目を引く点は、16レース中唯一、1番人気が3着を確保していること。単勝1倍台の1番人気は、ほかにも98年札幌3歳ステークスのマチカネテルテルと、99年共同通信杯のグラスグラードがいるが、いずれも掲示板外。脚を余して3着のエピカリスは「負けて強し」と言うほかない。それはちょうど、11番人気クィーンスプマンテ、12番人気テイエムプリキュアの後塵を拝した09年エリザベス女王杯の大本命(単勝1.6倍)ブエナビスタを彷彿させる。同馬はその後、歴史的名牝にまで上り詰めたが、エピカリスははたして…。

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08/04/2017

驚異の上がり31.6秒V

アイビスサマーダッシュを制したラインミーティアは、“短距離の差し馬”ならぬ“直線の追い込み馬”。このコースで公式に発表される「通過順」は400m地点でのものだが、同馬のそれは、全12戦中なんと8戦が10番手以下で、残る4戦も7~9番手。そんな馬の直線実績が「2-1-0-9」で、掲示板を外したのが2回だけというのは、凄いとしか言いようがない。
超高速コースで追い込みを決めればもちろん、上がり3ハロンは異次元だ。今回は、春に1000万を勝った時と同じ「31.6秒」。86年以降の中央競馬で、上がりが32秒を切った勝ち馬は以下ののべ21頭である。

メジロダーリング  31.7秒 01年アイビスSD
カルストンライトオ 31.9秒 02年アイビスSD
イルバチオ     31.6秒 03年アイビスSD
タカオルビー    31.8秒 04年新潟日報賞(1600万)
カルストンライトオ 31.9秒 04年アイビスSD
プリティメイズ   31.7秒 05年閃光特別(500万)
フサイチホクトセイ 31.9秒 05年新潟日報賞(1600万)
オースミグラスワン 31.9秒 08年新潟大賞典
ゼットカーク    31.8秒 08年稲妻特別(1000万)
エーシンヴァーゴウ 31.8秒 11年アイビスSD
エバーローズ    31.8秒 12年稲妻特別(1000万)
ハクサンムーン   31.9秒 13年アイビスSD
セイコーライコウ  31.9秒 14年アイビスSD
ネロ        31.9秒 15年駿風S(1600万)
サトノギャラント  31.9秒 15年谷川岳S(OP)
ベルカント     31.9秒 15年アイビスSD
プリンセスムーン  31.8秒 15年邁進特別(1000万)
ベルカント     31.7秒 16年アイビスSD
レッドラウダ    31.8秒 16年稲妻S(1600万)
ラインミーティア  31.6秒 17年邁進特別(1000万)
ラインミーティア  31.6秒 17年アイビスSD

上記21レースの舞台はすべて、リニューアル後の新潟芝コース。そして、オースミグラスワンが勝った新潟大賞典(2000m)とサトノギャラントが勝った谷川岳ステークス(1600m)以外はすべて、直線1000m。2000年以前はどこまで遡っても、上がり31秒台の勝ち馬はいないと断じてよく、今後も新潟、とりわけ直線1000m戦以外で該当馬が現れることは考えづらい。
というわけでラインミーティアは目下、イルバチオと並ぶ「日本競馬史上最速上がり勝ち馬」。上がり31秒台で2勝した馬は同馬のほかにカルストンライトオとベルカントがいるが、ラインミーティアの「31.6秒で2勝」は別格と言っていい。もっとも、上がり31秒台勝ち馬は近年増加傾向にあるため、上がりレコードがいつ更新されても、新たな2勝以上馬がいつ出現しても不思議はなさそうだが…。
ちなみに、新潟以外で31秒台の上がりを繰り出した馬は、15年マイラーズカップ(京都芝外回り1600m)の7着馬ディアデラマドレのみ(31.9秒)。日本競馬史上最速上がりは、昨年のアイビスサマーダッシュで7着馬ブライトチェリーが繰り出した「31.5秒」である。

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07/27/2017

超個性派サウスポー

サマーマイルシリーズ第1戦、中京記念を制したのは、重賞初挑戦の5歳馬ウインガニオン。この馬の戦績はなかなか興味深い。

条件戦とオープン特別を地道にコツコツと勝ち上がってきたため、これが通算8勝目。目下、芝で8勝以上あげている現役馬は13頭を数えるが、そのうち11頭は6歳以上。5歳以下は2頭だけで、ウインガニオンともう1頭、同期の大物、最多10勝のキタサンブラックだけである。

好調期と不調期の落差が激しいのも大きな特徴。全8勝を2連勝(未勝利→500万)、3連勝(500万→1000万→1600m)、3連勝(オープン特別→オープン特別→G3)であげている一方で、全14敗中12敗が掲示板外、8敗が二桁着順。こんな実績だから人気を集めることはほとんどなく、1番人気は1回(12着)、2番人気も1回(14着)だけで、8勝時は7、4、9、6、6、12、3、5番人気。穴党垂涎、本命党泣かせの“勝つか完敗か”というタイプである。

さらに目を引くのが、まれにみる“サウスポー”であること。右回り「1-0-1-9」に対し、左回りは「7-0-0-4」。新潟が左回りに替わった01年以降、左回り芝コースでの「7勝」は、シンゲンと並んで最多タイだ。ただし、シンゲンは7勝中6勝を東京であげており、中京は走ってもいない。一方、ウインガニオンは「東京2勝&新潟3勝&中京3勝」。この3場で各2勝以上あげた馬は同馬だけである。

オープン3連勝は、新潟→東京→中京。左回り全3場で芝オープンを勝った馬は、今のところ以下の3頭しかいない。

キンシャサノキセキ 07年谷川岳S   07年キャピタルS 10年高松宮記念
トウショウドラフタ 16年クロッカスS 16年ファルコンS 16年信越S
ウインガニオン   17年谷川岳S   17年パラダイスS 17年中京記念

次走はおそらく、新潟芝マイルの関屋記念。勝てば01年以降単独最多の「左回り芝8勝」「左回り全3場で芝オープン4勝」、そして、サマーマイルシリーズ制覇。同シリーズ3戦中2戦が左回りであることを、これほど有り難く思える馬もいまい。

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07/21/2017

若い高齢馬の初タイトル

函館記念を制したのは6歳馬ルミナスウォリアー。年齢の割に使われていないため、通算22戦目での重賞初勝利。そのはるかに上を行くのが、今回はまさかの15着に敗れてしまったステイインシアトル。同馬の前走鳴尾記念Vは、6歳にしてキャリア10戦目の重賞初制覇だった。
2000年以降、ルミナスウォリアーをしのぐ「キャリア21戦目以下」で「牡牝混合芝重賞初制覇」を果たした6歳以上馬は以下の20頭である。

10戦目
ステイインシアトル 17年鳴尾記念(6歳)

11戦目
ヴァンセンヌ 15年東京新聞杯(6歳)

13戦目
トーホウシデン 03年中山金杯(6歳)
シンゲン    09年新潟大賞典(6歳)→09年エプソムC・10年オールカマー

15戦目
サンプレイス   01年新潟記念(6歳)
ミスズシャルダン 01年小倉大賞典(6歳)

16戦目
ダイワレイダース  05年七夕賞(6歳)
アクシオン     09年鳴尾記念(6歳)
ダンスディレクター 16年シルクロードS(6歳)

17戦目
ウインラディウス 04年東京新聞杯(6歳)→04年京王杯SC・05年富士S
マッキーマックス 06年ダイヤモンドS(6歳)
ケイティラブ   10年アイビスSD(6歳)

18戦目
ブロードアピール 00年シルクロードS(6歳)
クリスザブレイヴ 01年富士S(7歳)
ゴールデンダリア 10年新潟大賞典(6歳)
ジャガーメイル  10年天皇賞春(6歳)

19戦目
トランスワープ 12年函館記念(7歳)

20戦目
ロードクロノス 01年中京記念(6歳)
ミトラ     14年福島記念(6歳)

21戦目
トーキングドラム 17年阪急杯(7歳)

現役馬3頭を含む上記20頭のうち赤字の10頭は、当該レースが最後の勝ち星となった。一方、その後芝重賞を2勝以上した馬は、シンゲンとウインラディウス。まだキャリア11戦、サトノアレスより2戦多いだけのステイインシアトルには、ぜひこの2頭を目指してもらいたい。

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